「あにきってえっちのとき声我慢しすぎじゃない?」
「は」
突然何を言い出すんだこいつは。
「だからさ、あにきってえっちするとき」
「うるさいうるさい!!!理解はしたけどあんなん普通の範疇やろ!!」
「あれで普通の人並みに声出てると思ってるの?多分あにきの思ってる10倍は声出てないよ」
「吹奏楽部強豪校の顧問みたいなこと言うな」
「でもさぁやっぱり俺はあにきのえっちな声聞きたいな〜」
「絶対嫌。」
「…そっかぁ、」
珍しくまろが引き下がった。これは助かったかもしれない。
「じゃあお風呂入ってきて。こっちはこっちで準備しとくから。」
前言撤回。おわった。
お風呂からあがって覚悟を決めベットに行くと、いつもは座って待っているはずのまろがいなかった。
まあ突っ立って待っているのは不躾なようだからベットに軽くもたれる。
でもなんだか落ち着かない感じがして正座になってみたり、はたまた体育座りをしてみたり。
「ごめーん、待った?…って、なんで体育座りしてんの…?」
「いや、なんか…」
珍しく言い淀んでもごもごとしてしまう。
「あ、そっか。」
”期待しちゃった?”
なんて耳元で囁かれて思わず身体が強ばる。
「ッ、」
「任せてよ、ちゃんとあにきの声たくさん聞けるように準備したんだから。」
一変したまろのオーラにゴクリと喉がなる。
こわい。すき。かっこいい。こわい。
「触るね」
そう言ってまろは俺の胸の突起を触ってきた。
「ん、ふ…ッん」
「だいぶここでも感じられるようになってきたね。えらいえらい。」
「っぁ、」
「いま、褒められて甘イキしちゃったの?かわいい」
「だまれっ、んむっ」
まろが突然口付けてくる。
「んふ、ん、♡ん、ふ♡」
さすがに息がしんどくてまろの胸板を叩く。
「生意気なお口は塞がないとねー…って、あにきもうとろとろじゃん。キスだけで腰抜けちゃったの?かわいい」
「ちがっ、お前のせいでっ、」
本当にこれはまろのせいだ。
俺だってまろと出会う前は普通に男として機能していたのに。目の前の男に全て塗り替えられているという感覚がどうしても恐ろしく、しかし同時に興奮もしてしまう。
「なにそれ。悠佑がこんなえっちな身体になっちゃったのは俺のせいってこと?すっごい興奮するんだけど」
えっちのときまろの余裕がなくなってくると悠佑と呼ばれる。
そのときのまろのギラついた目が大好きだ。
「もう指入れるね。」
「んふぅ、ぁ♡ん、」
まろの指がある一点を掠めた。それと同時に大きな声が出てしまって、反射で自分の指を噛んで声を抑えた。
「あ、こら。声我慢しないで。」
まろの叱るような口調に思わずナカをキュンとしめてしまって顔が赤くなる。
「俺の指ならいくらでも噛んでいいから、ほら。」
そう言ってまろはむりやり俺の口内を指で犯してきた。
「ひ、ぁ♡やら、ぁえ♡あ、っあゃ」
「もうとろとろ。ほんとかわいい。…あっ締まった」
「っいちいち、いう、っな、…」
「今何本入ってると思う?ちなみに当てられなかったらお仕置ね」
「っえ、」
必死に考えを巡らす。
「ぁ、さん、ほん?」
「ぶっぶー!まだ2本しか入ってないよ〜」
2本の指が胎内でばらばらと動く。その感覚に嫌でも敏感になってしまってまた締め付けてしまう。
「じゃあ、お仕置な」
そう言ってまろが取り出したのは、なにやらピンク色の怪しげなローションとふわふわとした装飾がついた手錠と、ちっちゃな玩具…?
まずローションを体全体に垂らされる。ひやっと冷たい感覚に身体がびくんと反応した。
「あ、ごめんね。冷たかったか。でもすぐに大丈夫になるよ。」
言葉の意味はその直後わかった。
「ッあっ♡や、なにっ、うぁ、…あつい、♡から、だあつ、い♡」
「意外と即効性なんや。媚薬入りローション。結構高かったから期待してたけど想像以上やなぁ」
頭の中がはてなでいっぱいの俺をよそに、まろは手馴れた手つきで俺の両手に手錠をかけ、小さな玩具を手に取った。
「これ、初めて見るやろ。エネマグラっていうんだけど。きっと気にいると思うで。」
そう言って俺の胎内にそれをいれる。小ぶりなそれはすぐに俺のナカに入っていった。でもまろの言うほどの快感は訪れない。
「わー!これであにき声出し作戦のセットが完成!」
「なんなねん、どういう、 」
「悠佑、すきだよ。」
突然耳元で囁かれる。俺好みの甘美な低音ボイスが俺の名前を呼んでいる。その事実に酷く興奮してしまってナカの玩具を締め付ける。
「ッあっ、?ぇ♡」
これ、だめなやつだ。
「エネマグラはねー、悠佑が締め付ける度に外からと中から交互に前立腺いじめてくれるんやで。」
「ぇ、あっ♡ん、むり、しんじゃ、っあ♡やら、や、らとめて、あ、♡♡」
「とめてって言われても。悠佑が勝手に締め付けちゃってるんだから自分で我慢して。いい子 なら出来るやろ?」
「まっ、♡てぇ、ッ♡ま…っ♡て、ッ゛~♡」
「普段はお兄さんキャラなのにこんな小さいおもちゃに負けちゃうんだ♡年下に毎日犯されてイッちゃうんだ♡こんな言葉で感じちゃうんだ♡」
「や、ぁあ゛♡い、ぐ、♡いっちゃ、ぅ♡」
「年下に犯されて、いっぱい声出してイッちゃえ♡♡」
「ぁ、゛いくいく、♡♡〜〜ッ゛♡いってりゅ、いってう゛♡」
「沢山声出たね。かわいい。でも俺以外でそんな善くなっちゃうなんて、妬けるなぁー。」
まろの目線が鋭くなる。
このまろの独占欲に溢れたの瞳を独占できるのは俺だけだ。
俺もどうやらまろのフェロモンに当てられてしまったらしい。
「ね、もぅ、むり♡まろっ、まろのほしい、♡」
「〜っもう煽らんといてよ。ただでさえ余裕ないのに!」
「挿れるよ。」
こんな余裕が無いなかでもちゃんと逐一伝えてくれるまろの紳士さに胸がキュンとなる。
「はやくっ、きてっ、♡」
「仰せのままにっ!」
「ぁあ゛♡んぁ、ッ、♡ふか、ふかぃッぁ゛♡」
「悠佑っ、すき。すきだよ。」
「おれ、もっ、♡♡だいすき、ッ♡」
「ねえ、もっと奥まで俺を受け入れてくれる?」
「っ、♡」
奥、きっとまろは結腸のことを言っているんだろう。
そこは以前お仕置きされたときに苛められたところで、気持ちよすぎて自分が自分でなくなってしまうのがこわかった。
「こわ、こわいッ♡」
「大丈夫。絶対痛くしない。だめ?」
俺はまろという男に本当に弱いらしい。
上目づかいの彼に懇願されては年上として頷かない訳にはいかない。
「ぎゅってしてくれるならっ、♡」
「かわいいっ、わかった。絶対優しくするから」
いくよ、といってまろが腰を引く。ナカから大切なものが抜かれていくその感覚でさえ寂しくて、ぎゅっと抱きしめる力を強める。
ドチュン。
「ひっ、ぁ゛〜〜〜ッ♡♡」
瞬間、人体から鳴ってはいけない音がして目の上に火花が散る。理解が追いつかなくて、頭がはてなでいっぱいになる。
これ、だめなやつ。
「〜〜ッぁ゛♡むり、むぃ゛っ、ずっと、゛いってう゛、♡♡♡いって、ぅ♡たすけ゛♡ぇ、ま゛ろっ、♡ふか、ぃ♡」
「かわいいっ、♡悠佑の1番奥、入れてくれてありがとう」
気持ちよさの暴力がつづいて、ずっと絶頂から降りて来れない。
「悠佑、頑張ってくれてありがとう。だいすき。だいすき。」
「おれも、っ♡だいすき、」
そのまま意識を手放した。
「本当にすみませんでした!!!」
「ほんまにな゛」
翌朝、目が覚めて1番に目に入ってきたのはまろの洗練された土下座だった 。
そして自分の声が思ったよりずっと枯れていて驚いた。
「でもあにき声出し作戦は大成功だったね!あにきも最後の方ノリノリだったし!」
「あんま調子乗るとお触り禁止期間伸ばすぞ。」
「なんである前提なの!?禁止なんてできるわけないじゃん!!」
コロコロ変わるまろの表情が面白くて、つい笑みが零れる。
「それじゃあ、お詫びと言ってはなんなんですけど、、」
「えっ」
丁寧に盛りつけされたフレンチトーストと色鮮やかなフルーツの盛り合わせ。まるでインフルエンサーのような朝食が用意されていた。
「一緒にゆっくり朝の時間たのしも?」
ああ、こいつには敵わない。
コメント
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年下に叶わない黒さん、、 最高です、、こういうのが一番尊い…😇 名前変えたんですね、、! 誰か分かんなかったです!
す、すきだぁぁあ…😭