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廃墟の中心で根源の悪魔を倒し、勝利の余韻に浸る間もなく、不気味な笑い声が響き渡る。それは、闇の中から現れた一人の女性――リリスだった。
「どうも、みなさん。頑張って戦ってくれたみたいやけど――残念ながら、全部私の計画通りよ。」
リリスは艶やかな微笑みを浮かべながら歩み寄る。赤いドレスが風になびき、黒い瞳がタクトたちを射抜いた。
「お前……何を企んでやがる。」タクトは剣を構えたまま問い詰める。
「根源の悪魔も、あのキモいヘルズロアも、ぜーんぶ私の使役悪魔に過ぎないの。」リリスは優雅に髪をかき上げる。
「な、なんやと……?」マデスの目が見開かれる。「あの規格外の根源の悪魔まで、お前が操っとった言うんか?」
「そうよ、マデス。あなたたちには、駒同士で争ってもらっただけ。私がわざわざ手を汚す必要もないでしょう?」
リリスの言葉に、タクトは歯を食いしばった。「じゃあ、根源の悪魔を倒した意味は……?」
「意味はあったわ。」リリスは指を鳴らす。すると、根源の悪魔の残骸が黒い霧となり、リリスの体に吸い込まれていく。「これで私の力はさらに増すってわけ。」
「くっ……!」
「お前の目的は何なんだ。」ミカエルが鋭い視線を向ける。
リリスは悪びれもせず、口元に笑みを浮かべた。「単純よ。この世界の神も悪魔も全部私が支配するの。それ以外に何があるっていうの?」
「支配……?」タクトが眉をひそめる。「だったら、なんで俺たちを利用したんだよ?」
「あなたたちは便利な捨て駒よ。特にタクト、あなたが悪魔たちを倒すことで、私の使役悪魔たちは少しずつその力を吸収できたの。」
「……なるほどな。」マデスは苦々しい顔で呟く。「お前はずっと俺らを手のひらで踊らせとったんかい。
「さて、次はどうしようかしら。」リリスは楽しげに笑いながら、指先に赤い炎を灯す。「あなたたち全員をここで葬るのも悪くないけど――まあ、ちょっとくらいは楽しませてあげる。」
突然、空気が張り詰める。リリスの背後から黒い翼が広がり、その力が周囲を圧倒する。
「やるしかねえな……!」タクトは剣を強く握りしめた。
「気ぃ抜くなよ、タクト!」マデスが警戒を促す。「こいつはこれまでの敵とは訳が違う!」
「どいつもこいつもナルシストでうんざりだぜ!」タクトが吠えると、苦笑いを浮かべる。「お前もその一人だろうが。」