BL
ヴァン×つぼ
両片思い、2人とも何となく気づいてる。
ヴァン視点
※ご本人様には一切関係ありません
ヴァンつぼ初書きです。ご了承ください。
初めて会った時、眩しい奴だと思った。
銃を持たず、バットのみで戦い、アーマーも身につけている分しか持っていない。
そんなバカで、話の通じないイラつく奴だが、何故かアイツと話していると自然と笑うことができる。
私は気づいてしまった。
我が道を行くあの姿、背中に惹かれていることに。
アイツの近くが心地良いと感じてしまっていることに。
つぼ浦に惹かれていることに気づいてからというもの、つぼ浦を見かける度に会えることが嬉しくて、ついついちょっかいを出してしまう。
ヴァン「……はぁ〜」
堕夜「どうしたんですか?」
ヴァン「いや、最近気持ちの制御が出来ないことが多くてな……」
堕夜「何か思い悩む事でもあるんですか?」
ヴァン「少し気になる奴がいる。」
堕夜「………………女性関係ですか?」
堕夜には、ある程度の予感があったようで、女性では無いがピンポイントで悩みの種を当ててきた。
堕夜にさえ分かるほど普段から態度に出ていたと思うと、情けなくて仕方がない。
ヴァン「あぁ…実はそうなんだ。最近そいつを見かけるとどうしても……欲望が抑えられない。」
堕夜「……ボスはその人とどうなりたいのですか?」
どう?考えたこともなかった。アイツは警察で私はギャング。叶わぬ想いであることは明白だ。そう頭で分かっているなら、下手に関わらず距離を置くという選択をするのが筋ってもんだろう。だが、それを出来ずに動いてしまう正直な自分が居る。
ヴァン「……………分からない。もっと触れたいという感情もあれば、今までの関係を壊すのが怖いという…かん…じょうも……」
怖い………怖い?この私が?
言葉に出して初めて理解した。私は恐れていたのだ。
つぼ浦に拒絶されることを。
ヴァン「フッ……フハハハハッ!」
堕夜「ボス?」
ヴァン「いや、我ながら可笑しくてな。」
何かに対して恐れという感情を抱くなど久しぶりの感覚だ。まさか、この私が恐れをなして引けを取るなど…
ありえない!
ヴァン「すまなかった。堕夜。部下に心配をかけるなどボスとして頼りない姿を見せてしまったな。話しているうちに答えが見えてきた。お前のおかげだ。」
堕夜「いえ。私は何もしていませんが、お役に立てたのなら何よりです。 」
ヴァン「用事が出来た。少し無線を抜ける。何かあれば電話しろ。」
アジトを出て、車に乗り、アイツの…つぼ浦の元へ急ぐ。決意が崩れる前に……早く会いたい…会わなければならない。
………… 見つけた。
警察署でいつもみたいに談笑している、派手なシャツを着たつぼ浦の後ろ姿を少し懐かしそうに見つめる。バクバクと音を立てて鳴る心臓とは裏腹に頭の中は冷静で、つぼ浦を連れ出して告白するための計画を練っている。
ヴァン「ハァ…ハァ………スーーハーー」
地面に顔を向け、少し呼吸を整え心臓の音を静める。そして、もう一度つぼ浦を見る。相変わらず、つぼ浦の周りは輝いて見え、何故か安心する。
今からお前を…落とす。
つぼ浦 ビクッ!ブワッ!………バッ!
間違えて殺気と似たものを送ってしまったらしい。つぼ浦がビクつき、こちらに勢いよく振り向く。そして、バットを持って近づいてくる。
つぼ浦「よぉ!何してんだテメェ。ジロジロ見やがって!」
ヴァン「よぉ…つぼ浦。」ニヤァ
「今日はお前に話があって来た。」
いつもの癖で悪人面が出てしまう。このままでは……
つぼ浦「なんだ?コラァ……俺はお前に話なんかねぇ!じゃあなヴァンダマン!」
やはり警戒され、早々に帰っていってしまう。
ここで逃がす訳にはいかない。
咄嗟に私は、つぼ浦の腕を掴む。
ヴァン「待てつぼ浦!私はお前と話がしたい。お前も気づいとるはずだ。最近の私の行動がおかしいことに。………その事について話をしに来た。」
普段と違い冷静さを欠いたように話す私を見て、つぼ浦は 少しの沈黙の後、口を開いた。
つぼ浦「…なんだ?ようやく話す気になったんか?けど今は生憎忙しいんだ!おメェに構ってる暇はねぇ!どーせなんかロクでもねぇことだろ?また今度にしな!」
つぼ浦はいつもの様に、チャラけた様子で私をイラつかせようとしている。
私に『普段通り』『いつも通り』である事を要求しているのだ。
この時、私は確信した。つぼ浦は、私がつぼ浦をどう思っているのか、気づいているということに。
私も本当はとうの昔に気づいていた。お前も同じ気持ちなのだと。
連日私が出しているちょっかいに対して、嫌そうな顔をしながらも耳を赤く染めていること。 起きてくる時間を合わせてきていること。
会う頻度も多くなっていること。
全部、気づいていた
今だって耳が赤い。
とっくに両思いだって、お互い知っている。お互いに今の関係を壊したくなかった。確信が持てないからという理由で何回もチャンスはあったのに、お互い逃げてきた。そうだろ?つぼ浦!
私はもう逃げない。
お前も逃がさない。逃がしたくないんだ。
ヴァン「いや。ダメだ。今じゃないと、お前は逃げてしまうだろ?私はもうお前を逃がさんと決めたんだ。」
私は今、お前が欲しい。
先程から掴んでいるつぼ浦の腕を再度強く掴み、言う。
ヴァン「つぼ浦…お前のことが好きだ。お前が欲しい。」
言ってしまった。これで後戻りはできない。忍る恋はこれで終わってしまう。さぁ、聞かせろ。つぼ浦…お前の返事を。
つぼ浦「……っ…ヤッテモ……ぞ。」
顔を隠すように下を向いて、小さな声でつぼ浦が何かを言う。
ヴァン「…もう少し大きい声で言ってくれ。」
つぼ浦「お前がどうしてもって言うんだったら付き合ってやってもいいって言ってんだ!!」
こちらを向き直し、勢いよく言うつぼ浦の顔はすごく赤面していた。私まで顔が熱くなっていく。
ヴァン「どうしてもだ。どうしてもお前じゃなきゃいけない。」
つぼ浦「……そうか。」
ヴァン「あぁ。」
つぼ浦「………」
ヴァン「………」
つぼ浦「この後どうすんだ?」
ヴァン「……何も考えとらんかった。」
つぼ浦「はぁ?」
元々練っていた告白の計画はいつの間にか頭から抜けていた。この後の事など一切考えていない。気持ちが舞い上がって、処理が追いつかない。
ヴァン「取り敢えず場所を変えよう。ここじゃ目立ちすぎる。」
周りのことをすっかり忘れていた。我に返ると、青井らだおやひのらん、ミンドリーなどの少数の警察が見ていることに気づく。…非常にまずい。気づいていないフリをしてくれているが、先程のつぼ浦の声量といい、確実にバレている。どうにかしなければ。
ヴァン「…らだおさん、つぼ浦を借りても?」
らだお「えぇ?はい。」
ヴァン「良かった。……あぁ。それと、今聞いた話、全て忘れないと殺します。皆さんにもそうお伝えください。頼みますね?」^^
殺気を含んだ笑みで牽制する。
これで大丈夫だろう。
らだお「はい。もう安心してください。」^^
なんだか弱みを握られた気分だ。いや、もうどうでもいいか……今はただ喜びに浸ろう。
つぼ浦の居る方へ戻り、つぼ浦を車に乗せる。
つぼ浦「どこ行くんだ?」
ヴァン「どっか…静かなところで飯でも食べようと思ってな。」
つぼ浦「……ラブホでも行くんか?」
ヴァン「ブッ!?飯だって言っとるだろ!」
全く…コイツはムードというものを知らんのか!
つぼ浦「……チッ埒が明かねぇな。…抱いていいつってんだよ。そんぐらい分かれ。」
か細い声だったが、そう聞こえた。思わず急ブレーキをかける。
つぼ浦「…っ!アッブねーな。しっかり前見ろよ!」
幻聴かと思い、聞き返す。
ヴァン「今、抱いていいって言ったか?」
つぼ浦「同じこと2回言わせんじゃねぇよ。いいって言ってんだろ。」
俯きながら言うつぼ浦の顔を覗くと、顔全体が真っ赤で、まるでさくらんぼのようだ。
ヴァン「男に二言はないぞ?いいんだな?」
つぼ浦「しつけぇー!!」
ヴァン「………すまん。」
自分の顔がニヤついているのが分かる。気分が高揚し、全身が火に包まれているみたいに暑い。
つぼ浦「おう。」
ヴァン「……………」
つぼ浦「……………」
プップーーー!
後ろからのクラクションの音に気が付き、ゆっくりと車を走らせる。何処へ行けば………。やはりここはラブホ……いやしかし…。
自問自答しながら無我夢中で車を走らせていたら、いつの間にか私の家があるマンションに来てしまった。
ヴァン「………」
つぼ浦「…どこだここ。ラブホじゃねぇぞ。あんだけ言われてラブホ行かねぇってことは…お前もしかしてEDかなんかか?」
イラッ…
ヴァン「馬鹿かお前は。私はまだそんな歳ではない。心配しなくてもお前が泣きべそかいて、もうやめて下さいお願いしますって言うぐらいには抱き潰してやるから安心しろww」
つぼ浦「上等じゃねぇか!年寄りのじいさんにどこまでできるか見ものだぜww」
ヴァン「何だと?つぼ浦テメェ覚悟しろよコラ!明日ベッドから出てこれねぇ身体にしてやるよ。」
つぼ浦「ハッ!出来るもんならやってみな!まぁ、無理だろうがな!」
車から出て玄関に入るまで、こんな会話をしながら早足で帰る。
ついに玄関にたどり着き、扉を開ける。
瞬間、私はつぼ浦に貪るように深いキスをする。
最初こそ睨みつけていたつぼ浦だが、時間が経つにつれ、段々と弱々しく吐息混じりの小さい喘ぎ声を出し、目尻に涙を浮かべていった。
離れようとするつぼ浦の後頭部を強引に右手で押さえ込み、左手を腰に添えてグッと引き寄せる。わざと当てて、今から自分は抱かれるのだという事を分からせる。
もうすぐ2分経つかどうかというところで、つぼ浦が限界に達し、腰を抜かした。
すかさず、つぼ浦を抱きかかえる。
ヴァン「私の首に腕を回してしっかり捕まってろ。」
寝室へ向かう道中も軽いディープキスをする。
必死に私にしがみつくつぼ浦が愛おしい。
寝室に着くやいなや、ベッドにつぼ浦を寝かせ服を脱がせる。そして首や肩、ふとももや足首にかけて全てにキスをし、キスマークを付ける。
これで全てが私のモノだ。
そこで、ふと私は気づいた。
私は今まで好きや愛しているという感情=殺したいという感情だと思っていたが、それが違うということ。
生まれながらに異常者だった私はずっとそう思って生きてきたが、こんなにも愛しているつぼ浦には殺したいという感情よりも、生きてそばに居て欲しいという感情の方が勝っている。
コレが……幸せか。
翌朝、目覚めるとつぼ浦の髪が顎下に当たっていた。心地がいい。
つぼ浦の顔を見る。泣き腫らした顔がとても可愛く思える。
コイツの為になら何だって出来る。
誰にも縛ることの出来ない男が、たった一人の男に縛られることになるなんて、誰が想像できただろうか。
ヴァン「何かの奴隷になるのも…悪くない。」
The end…
如何でしたでしょうか?ここまで読んでくださりありがとうございます。
ヴァンさんのwiki読んだところ、『彼にとって誰かを好きになると言う事はその相手を殺したいとイコールである。』といったことや『誰にも縛ることの出来ない男《アンチェイン》である。 彼の心には生まれつきストッパーが存在しない。彼は生まれながらの異常者、THE SINNER《罪人》である。』といったことが書かれておりましたので、組み込ませて頂きました。
リクエスト、なんかあれば書かせて頂きます。ぜひお願いします。
コメント
2件
(’ω’)サイコオォォォォォォォォォ wes×vanってできますか?良ければお願いします