テラーノベル
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道端に生えてる草
フランス「はーやく、イギリス」
急かすようなフランスの声と同時に、冷たい金属の風が鳴った。
ざしゅ。
凄惨な音が静寂を切り裂く。
アメリカが息を呑み、国連が目を背けようとしたその瞬間、信じられない光景が目の前に広がっていた。
コロン、と床に転がったフランスの生首が、何事もないようにこちらを見上げて微笑む。
フランス生首「これでいい?」
ギロチンにかけられたはずの、首と胴体が泣き別れた骸。
しかし、血が吹き出すよりも早く、フランスの身体が迷いなく動き出した。
床に転がった自身の頭部を自らの手でひょいと拾い上げると、まるでもぎ取れたぬいぐるみのパーツでも戻すかのように、首の断面へと迷いなくガッチリと押し当てる。
フランス「……よっしょ」
首を左右にコキコキと振って、噛み合わせを確かめるフランス。
傷跡一つ残っていない首元をさすりながら、彼はいつもの軽い調子でベレー帽の位置を直した。そのあまりにも人間離れした、怪異じみた光景に、ゲームマスターのいる監視部屋からはヒッと短い悲鳴が漏れ聞こえる。
呆然とするアメリカ、ソ連、国連の3人を背に、イギリスはただ静かに首を振った。
イギリス「彼は……自分で何回も経験し、」
モノクルの位置を直しながら、イギリスは淡々と言葉を紡ぐ。
イギリス「……そして、その度に乗り越えてきた男ですよ。彼にとって『ギロチン』とは、ただの歴史の1ページであり、日常茶飯事のエンターテインメントに過ぎない」
かつて自国の民の手によって、何度も、何度もその首を落とされ、その度に「フランス」として蘇ってきた歴史の権化。
イギリス「言ったでしょう。うんざりするほど、狂っていると」
あきれ果てたような、しかしどこか誇らしげなイギリスの言葉に、フランスは「ひどいなぁ」とケラケラ笑っている。スピーカーからは、もう何の音も聞こえてこなかった。
コメント
1件
あ、これすごい……! フランスがギロチンで首を落とされても平然と拾ってくっつけるシーン、想像を超えてました。あの「これでいい?」の生首のセリフ、シュールすぎて笑っちゃったけど、イギリスの「うんざりするほど狂っている」という言葉が全部を説明してて痺れました。歴史の重みがギャグに昇華されてる感じ、めちゃくちゃ好きです。続きが気になる!