テラーノベル
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フランスが何事もなかったかのように首をコキコキと鳴らした瞬間、張り詰めていた部屋の空気が一気に弾けた。
アメリカ「親父いいいいいいいいい!!!!!!」
アメリカがサングラスを吹き飛ばさんばかりの勢いで叫び、弾丸のようにイギリスへ突っ込んでいく。そのまま細い身体を壊さんばかりの力で抱きしめた。
イギリス「ぐふっ!? くるしっ、や、やめ、離しなさ……ッ!」
アメリカ「よかったあああ! マジで死ぬかと思ったんだぞチクショー!!」
ぶんぶんと犬のようにイギリスを揺さぶるアメリカの横で、もう一人、限界を迎えていた機関がいた。
国連「フラ、フランスはんが、しんで、おら……あ、あかん、目が回る……」
いくら国が死なないとはいえ、目の前で繰り広げられた凄惨な断頭台のショーと、生首が喋るという怪異。人道と平和の象徴である国連の精神は、すでにキャパシティを完全にオーバーしていた。
国連「あ、あっ……(白目)」
ソ連「おっと……」
糸が切れた人形のように倒れ込む国連の身体を、後ろにいたソ連が大きな手でひょいと受け止める。
そのまま国連を丸めて小脇に抱え直すと、ソ連は赤い瞳をスライドさせ、未だに林檎を片手に佇むイギリスへと向けた。
フランス「……はぁ」
ため息を一つ。
フランスは首元の噛み合わせを確かめるように軽く回すと、イギリスの前にぬっと立ちはだかった。その影の大きさに、アメリカにしがみつかれていたイギリスの身体がピクリと跳ねる。
ソ連「アメリカ、どけ」
アメリカ「あ? なんだよソ連……」
ソ連の低く短い、有無を言わせぬ警告に、アメリカは本能的な危険を察知して、渋々イギリスから手を離して一歩下がった。
遮るもののなくなったイギリスの前に、フランスがじり、と影を落とす。
フランス「……『アレルギーは治りました』、ねぇ?」
低く、ひび割れた笑み。
ベレー帽の隙間から覗く、普段は隠されているはずの右の**赤い瞳**が、ドス黒い確信を孕んでギラリと光った。
フランス「**嘘ついたね、ブリカス**」
イギリス「っ、」
次の瞬間、フランスの手が目にも留まらぬ速さでイギリスのポケットを掠めた。抜き取られたのは、イギリスが隠し持っていたアレルギーの緊急補助治療薬ーー**エピペン**だ。
イギリス「あ……!」
フランス「あーらら、やっぱり持ってるじゃない。反応が遅れて出るタイプだからって、ハッタリかましてアイツ(ゲームマスター)をハメたつもり?」
フランスは手の中の注射器を弄びながら、これ以上ないほど凶悪で、ドス黒い笑顔(ニコ……)を浮かべた。
フランス「後でお説教、決定。……ほら、早くそれ(林檎)捨てなさい」
かわうそ 日本受け主食
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イギリス「っ、ちょ、フランス!? なにを……!」
有無を言わせず林檎を叩き落とされ、次の瞬間には、イギリスの視界が上下反転した。
フランスがイギリスの身体を軽々と抱え上げ、自分の背中に放り投げたのだ。完全なるおんぶの体勢である。155センチのイギリスは、164センチのフランスの背中でバタバタと暴れた。
イギリス「!?!?! 放しなさいフラカス! 自分で歩けます、私はまだ何ともーー」
フランス「うるさい。これから喉が腫れて喋れなくなるくせに、意地張るんじゃないの。いいから大人しく掴まってて」
フランスの背中から伝わる、絶対に降ろさないという強固な意志。
イギリスがぐっと言葉に詰まる横で、フランスはカチリ、と手の中のエピペンのロックを解除した。
フランス「さてと……」
フランスは首元をコキリと鳴らし、部屋の奥ーー怯えきって沈黙しているゲームマスターのいる監視室の方向を、冷徹に見据えた。
フランス「僕たちのこと、ずいぶんと楽しませてくれたお礼をしに行こうか。……みんな、準備はいい?」
アメリカ「おうよ! 散々コケにしやがって、タダで帰すわけねぇだろ!」
ソ連「(無言で国連を担ぎ直し、槌と鎌を握り直す)」
フランス「よし。ーーじゃあ、**ぶっ飛ばしに行こう。**」
背中に「国」としての最強の意地っ張りを背負い、フランスはいつもの軽薄さを完全に消し去った戦闘の笑顔で、重い扉を蹴破った。
コメント
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第5話「決意」、読み終わりました……! フランスが断頭台から戻ってからの一連の流れ、すごく熱かったです。特にアメリカがイギリスに飛び込むシーンは「ああ、ここにいるみんな本当にイギリスのこと大事なんだな」って胸がじんわりしました。でもそのあとのフランスの“嘘ついたね、ブリカス”は、笑顔なのにゾッとする迫力で。エピペンを奪っておんぶしながら「ぶっ飛ばしに行こう」って決意するラスト、痺れました。次が楽しみです🌙