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流石に何と返していいものか、戸惑って口篭った悠亜に助け舟を出したのか、光影がやや強引に話題を変える。


「そう言えば聞いてるか? 丹波と秋沢の研究結果! 結城は研究用の鱗(ウロコ)を提供しているから知っているだろうが、よしおやコユキさんはまだ聞いていないんじゃないか?」


「へぇー、成果が出たとは知らなかったのでござる、どれ位進んだのか興味を惹かれるでござるよ」


コユキも同様だったらしく頷いて話の先を促している。


「まず丹波の受け持っている人間の石化についてだが、症状初期で使用する試薬の完成まで辿り着いたそうだ、無論生体を使っての実験は出来ないからあくまでも顕微鏡レベルの話だがな、いずれは特効薬の開発も夢じゃないって意気込んでいたぞ丹波」


善悪は感心した様だ。


「ほえー、二年ちょっとでそこまで辿り着くとは凄いでござるなー、何、丹波晃くんって天才だったのでござるか?」


光影が周囲を見回してから仲間達四人にだけ伝えるように『存在の絆』通信で伝えてきた。


『それもそうかもしれんがな、行き詰って色々試している時に突破口を見つけたらしいんだ、結城が提供している爬虫類の鱗な、どうやらアレが人間用の薬の主成分、そう言っていたぞ』


『そうなの?』


『え、だったら逆とか家畜たちの魔核、ああ、魔石か、とか試したりしたら結構効いたりするんじゃないでござるか? どう?』


『いやいや善悪さん、幾らなんでもそんな単純じゃないでしょ、流石に?』


『判らないわよ昭、世の中不思議が溢れてるんだから、アタシ達みんなの出会いだって奇跡的だったじゃない?』


この通信に大きく頷いた光影は、仲間達に対して言った、一転声に出してである。


「それがそうなんだってよ、爬虫類、トカゲ達の症状は家畜じゃなくて魔獣達、フンババや口白、弾喰らい達から分けて貰った血液で目処(めど)が立ち始めているらしい、同じ事を凶暴化した家畜に試したそうなんだが…… こっちは治療じゃなくて安楽死用の薬剤だな…… 即死らしい……」


「そうなのね…… 家畜達にも変態した爬虫類の鱗を試したのん?」


「いいや、鱗には何の反応も無かったそうで、血液から作った血清を打ったそうだ」


五人揃って沈痛な面持ちで俯いた後、僅(わず)かな時間を置いて悠亜が昭に言う。


「ねえ昭、今作っているナイフ、アレは使えないのかなぁ? 魔物と魔獣って言っても同じ動物なんだからさぁ」


昭は首を傾げながら答える。


「うーんどうだろう? 幾ら魔獣に効果があったからって家畜に効くかは何とも言えないよ…… 前にコユキさんに聞いただろう? 魔物と魔獣って似て非なるものだって事を、ね? コユキさん」


何気ない感じで言う昭に対して、コユキと善悪、光影は身を乗り出すのであった。

コユキが喰い気味に言う。


「うん、魔獣と魔物は全然違うけどさっ! そんな事より何、今作ってるナイフ? アンタ等のやり取りだと魔獣、野生動物には何か効果があるように聞こえちゃったんだけど? 何なの?」


結城昭は少し恥ずかしそうにしながら言う。


「いやぁ、何でも無いんですよー、三ヶ月位前に幸福寺に寄ったじゃないですか? 僕一人で」


「ああ、有ったわね」


「確かに、二泊して義弟達に修行をつけてくれたのでござったな? それで? どうしたのでござる?」


結城昭は言葉を続ける。


「ええ、その時にですね、一日目にネヴィラスさんがムスペルへイムから沢山持ってきていたんですよね、使用済みの魔石を…… それをスプタラ・マンユの皆さんが再充填していたんですよ、リサイクルバッテリーっぽくです…… 眺めていて、あくまでも個人的な好みなんですけどね? 思った訳ですよ! ラマシュトゥさんが充填した魔石の色がね、こう、何て言いますか、ビビットで一際美しく感じた訳でして…… 濃いピンクの色合いが何とも絶妙でしてねぇ、クリエイター的に見逃せない色目とでも言いましょうか? んで、正直に話して貰って帰りましてね、ハンマーで砕いて模擬刀ナイフの表面に塗布した訳ですよ、日本刀の刃紋みたいに飾り付けましてね、所謂(いわゆる)『炎の魔剣』的に装飾したんです」


ふむ、判らんね、んでその玩具のナイフで何が起こったと言うのだろうか?

善悪も私と同じ様に思ったのか、ややイラつきながら先を促したのである。


「それで? その装飾を施した模擬刀、ナイフで何をしたのでござるか?」

堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

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