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前書き
今回の話には、
『504.餌』
の内容が含まれております。
読み返して頂くとより解り易く、楽しんで頂けると思います。
結城昭は何でも無い事みたいな感じで答える。
「はい、丁度装飾が終わるか終わらないかのタイミングで、創作部屋の中で飼っているトカゲの一匹、以前皆さんにもお見せしたフトアゴヒゲトカゲとアルマジロトカゲが苦しみ出したんですよ、あのブレスっぽい奴を見せていたトカゲと五色の鱗の彼ですね、近付いて見るととても苦しそうにしていましてね、良く見ると手足や尻尾が灰色に石化しているじゃありませんか! 僕は深く考えもせずに片手に持った模擬刀、今出来上がったばかりのナイフで石化している部分を切り取ったんですよ! そうしたら…… コユキさんが魔獣だといったフトアゴヒゲトカゲは元気一杯に戻りました…… アルマジロトカゲの方は一瞬で死んでしまったんですが…… それで、若しかしてって思いまして、独自に作り続けていたんですよ! ラマシュトゥさんが充填した空魔石を貰って色々なサイズのナイフを…… コユキさんは言ったでしょう? フトアゴヒゲトカゲは魔獣、アルマジロトカゲは魔物、モンスターだって! 僕は科学者でも医者でも化学者でもないんで、個人的に実験していたんですよぉ、お恥ずかしい…… 先程悠亜が言っていたのは、何と言うか、そんな私の手遊びの事なんですよ」
善悪が言う。
「手遊び? 馬鹿言っちゃいけないでござるよ、結城氏? 君って今、凄い事言ったのでござるよ? ねえ、みっちゃん?」
光影は馬鹿の子みたいにポカンと開いていた口を閉じ、顎に流れ出た涎を拭いながら続いた。
「あ、ああ…… た、確かにな…… 結城、お前…… 丹波よりも数段進んだ事をやっちまったんだぞ? せ、石化を治しちまったって事だろう? アルマジロトカゲが即死したのだって秋沢がやっている研究を数年飛ばしで証明したって事じゃないか…… えっと、待ってくれ…… 空魔石を使ったんだったよな? 後はラマシュトゥの魔力、か…… それが魔獣の石化を改善させるって事じゃないかぁっ! おいっ! 大発見だぞっ! これはぁっ! なあ、よしお! コユキさんっ!」
「ええっ? そうなんですかぁっ!」
「た、確かに…… 何か希望が産まれた感じでござるよね? コユキ殿?」
コユキは目を剥き捲って中々に気持ちが悪い表情で言った。
「そうよ、今『抵抗者(レジスタンス)』のメンバーが必死に守護しようとしているのは、話して判る人間と悪魔、それに魔獣達じゃないっ! 丹波晃君と秋沢明、それに結城さんのナイフで三者は救えるってっ! えっと、えっとぉ、それって凄い事なんじゃない? イッツァビッグステップよっ! ビガスタップ! そう言う事なんじゃないのぉ?」
「え、ええ? 僕が、ですか? ビガスタップ? ですか?」
「自覚が無いあたり、真面目一徹な結城氏らしいでござるよ、でも、これで丹波、秋沢両氏の研究は確かに大きくステップアップでござるな」
「正直俺の方は行き詰っちまっててな、羨ましいよ」
不意に告げられた光影の言葉、善悪は心配そうな顔で聞き返すのであった。
「みっちゃんの口から弱気とは珍しいのでござる、あれでしょ? みっちゃんの分析対象は牛と患者さんとおりんの魔核、いいや魔石の調査でござろ? 行き詰ってるの?」