⚠一次創作
重た目です。百合(メンヘラ系)
ファンタジーあり(薄め)
若干のホラーっぽいもの要素あり
長い
話まとまってません。あと自分で言うのもアレですがえげつない内容になってます
ーー
ああ。なんでこんなに情けないことをしているのだろう。
本来なら守らないといけないものなのに。私はそんな事実から逃げるために、地面を傷だらけの手で掘っていた
ソロモンの栄華
私は子供の頃、「マイ」という芸名でアイドルをしていた
可愛い服を着て、観客に笑顔を振りまいて
世間はそんな私を「魔法使い」と呼んだ
思えば、あの頃の私は満たされていたんだと思う。
大人になった今、私は色々なことで心が折れてしまって、適当な仕事に転々とする人になっていた
仕方ない話なのかもしれない。自分には才能がある。そう言い聞かせてアイドル一本に集中していた自分が悪いのだから
(…はぁ。今日も仕事か……。…めんど。適当に理由付けて休もうかな。)
そんなことを考えながら携帯を見る
アイドル時代の集合写真が壁紙になっている携帯の時間は17時をさしていた。
(…、あと一時間あるな、あと一時間も経てば行く気になれるかな。)
そう思いながら少しカーテンを開ける
今日は生憎の雨で、憂鬱な気分が煽られる
(…もう、いいや。)
カーテンを閉めて布団に入る
(………こんな歳になって、こんな時間におきて、夜に出勤して…さ。)
(なんでこんな大人になったのかな)
情けないような、虚しいような気持ちを抱えて目を瞑る
「…もう、終わりにしたい」
そう呟いた途端、瞼越しに眩しい光が突き刺さった様な感覚になり、つい目を開ける
「な、なに…っ?!」
急いでカーテンを開けると、そこには知らない”女の子”が居た。
ベランダに佇んでいて、少し遠くから見ても私より身長が低い彼女は、私の顔を見てにこりと不敵に微笑んだ
急いで窓を開けると、彼女はふわりと音を立てるように部屋に入ってきた
「…ねぇ、お姉さん。こんな時間に何してるの?」
「…なにって、君には関係ないでしょ?てか何処の子なの。不法侵入だけど。」
「も〜、つれないなぁ。」
そう言うと、彼女は私に顔を近づけた
「?!」
「…ねぇ、お姉さん。お姉さんって、魔法って信じてる?」
「な、なに…?!何歳か知らないけど、私警察呼ぶけど、!!?」
私がそう叫ぶのを見ると、彼女は少し悲しそうな顔をした
「……そっか。お姉さん…は。わからないんだね。」
「だから…なんのこ…っ」
私が言葉を言うのを断ち切るように目の前から姿を消した
「…な、なんなの…っ、?」
いえば、この日から。
私の中の何かが変わってしまったんだと思う。
目を開けると、時計は17時を指していた
「17時…?!もしかして私丸一日…」
急いで携帯を見ると、日付は先程見た景色と同じだった。
「…えっ、…?な、なん…で…。」
頭の血管が一気に冷えていったのを感じ、急いでカーテンを開ける
外は大方予想していたように、大雨だった。
「……?さっきのは………。予知夢……?」
そう自分に言い聞かせると、なんだか急に力が抜けてその場に倒れ込んだ
「…はぁー……私ホラー苦手なのに…。」
「………」
私は後ろからした視線に気付かず、仕事の用意をした
「ええ〜!すごいですね!」
「でしょ?ほんと、〇〇ちゃんは褒めるのが得意なんだから〜♡」
「えへへ、そうですか?」
相手に気に入られるように演技する
今日のお客は比較的楽だった。変なセクハラもなく、ただ元気な女の子として接するだけで満足してくれた。
「いやー、でも、俺嬉しいなぁ。」
「?なにがですか〜?」
「俺、ファンだったんだよね〜、……「マイ」ちゃんの。」
「……!!」
聞き慣れた名前が聞こえた
昔は武器でアイデンティティだった名前、
…今はもう、大嫌いな名前。
「……な、なんのことですか〜?私、〇〇ですよ?」
「いやいや、」
そう言いながら彼は私の髪に手を伸ばした
「ひ…っ」
「その髪、その目、その口。大人になっても変わんないんだね、相変わらず、可愛い。」
やばい。
そう本能が叫んでいるのを感じる
この人は私のファンらしい。
「…いやー、でも意外だな〜、あの「マイ」ちゃんが、こんなところで働いてるなんて、是非仲間に教えたいなぁ〜??」
「あ…っ、!そ、それは…」
私がそういうのを聞いた相手は不敵な笑みを浮かべた
「……30分、待ってください。」
ああ、私、なんでまたこんなことしてるんだろう。
客と並んで街を歩く
「いやー、でも俺嬉しいなぁ。なんて言ったってあの”マイ”ちゃんとこんな…」
やめて
もうその名前で呼ばないで
(……変に、現実見ちゃうじゃん。)
「……」
「ねぇ、」
妙に聞き慣れた声がした
「えっ、」
お客の声と同時に振り返る
「お姉さん、何してるの?」
そこには先程見た、不気味な雰囲気を纏わせた少女だった。
「…誰だい?君は。君には関係ないじゃないかい?そもそも、君のような子供はここには…」
「ねぇ、今私おじさんに話しかけてないよ?」
「…えっ…、?」
先程の不気味な薄ら笑いとは違った少し真面目な顔をした少女は私の方に近付いて再度笑みを浮かべた
「…ねぇ、おねーさん、あたしおねーさんに頼みたいことあるんだぁ、」
「…何、貴女。…さっきから、ずっと…」
「えへへ、気づいててくれてたんだぁ。」
そう言うと、彼女は嘘の張り付いた笑顔で問う
「ねぇ、お姉さん。なんで生きてるの?」
「…なにそれ。さっきから。君が何者かは知らないけど、警察呼ぶよ?」
「あははっ、人の多い場所だったら強気なんだね。ほんと、」
彼女は声のトーンを落として呟いた
「⸺昔から変わってない」
「……昔…、?」
私が疑問に思っていると、ふと隣のお客に気づいた
「…あっ、…すみませ…」
私がそう言おうとした時、お客が言った
「…なんか、ガッカリだなぁ。」
「………えっ…、?」
「「マイ」ちゃんは魔法使いなんでしょ?警察とかさ。俺失望したなぁー、…帰る。」
「…っ、!ま…」
「…もういいじゃん。」
突然少女が言った
先程とは違った、どこか私を庇うような声で。
「…えっ…、?」
客の背中が遠のいている
「…あの人、気持ち悪い人だったね。よかったじゃん、あんな人に抱かれなくてさ。」
彼女は微笑んだ
「…っ!」
−
『ねっ!「マイ」ちゃんっ♪』
−
「…っ。」
「おねーさん、どうしたの?」
彼女の声が聞こえて現実に帰った。
…いや、これが現実なのかは分からないけど
「…あっ、…うん、」
嫌な記憶を思い出した。
繁華街から出る
何故かあの不気味な女の子と。
(……なんなんだろ。この子。…幽霊?…いや、あの人も見えてたし…)
「…ねぇ、君⸺って、…あれ?」
そう声をかけた先には、もう誰もいなかった
「………え、?」
あたりを見回しても、どこにもいない
(…?幻覚…?…にしては、あの人にも見えてたし…)
本当に不思議な存在だ。
その時は、そうとしか思っていなかった
次の日
(ぅ…頭いた…昨日変なことあったけど仕事いかないとなぁ……)
憂鬱な気分で家をでる
数十分歩き、繁華街へ行くとそこの店に入る
「お疲れ様でーす…」
「あ!」
聞きなれない声がした
「…え、?」
顔を上げると、そこにはやはり知らない子がいた
「あ!こんばんは!今日から働く〇〇です、よろしくお願いします!」
そう元気にいった彼女は、顔をあげるとにこっと微笑んだ
「…あ、うん…、よろしく…?」
適当に返事をし、その場を乗り切った
「ーで、そこで私の彼氏がー」
「えー、ひどw」
「ですよね!!」
そんな会話をする
(…普通に会話できてるな、この子、良い子そうだしこのまま友達になって…)
⸺何幸せになろうとしてんの?
「……えっ、?」
「?…先輩?」
『ねーねー!ーーちゃん!このアイドルの子がね〜』
『えー!ーーちゃんその服かわいいー!凄いなぁ、わたしには到底似合わないから、なんか羨ましい』
『ーーちゃん!!』
「…っ!!う……っあああっ……ああ゛…っ」
『ーで、俳優の〇〇くんがー』
『え!またーーちゃんイベント決まったの?!うらやましー…』
『ほんと、ーーちゃん憧れるなぁ…、ね、知ってる?わたし、この仕事始めたの⸺」
「違う……。」
「先輩、?」
「違う、…違う……!!違う違う違う違うっ…!!私は…私は……っ」
「先輩、?!大丈夫ですか?!店長呼び⸺」
『…え、ーーちゃん…なに、してる…の、?』
『…ーーちゃんって、こんなことするんだ…。』
『…私、信じてたのに。』
「…っ!!」
目を開けると、そこは白い天井が映し出されていた
「ここ…っ、」
「あ!先輩起きましたか?大丈夫…ですか?」
そう聞く彼女
「…あ…ごめ…だいじょ…」
『……』
「…っ、!!」
「…?先輩?」
「…ごめん、私、今日は帰るね」
「あっ、!!ちょ、っ!!せんぱ⸺」
彼女が言う言葉を無視し、荷物も持たず早歩きでそこから逃げる
家に向かっていたつもりが、私の脚は気付けばとある山に向かっていた
「……、」
いつの間にか天気は雨になっていて、空は暗かった
「…あの日と、似てるなぁ…。」
私は子供の頃、「マイ」という芸名でアイドルをしていた
可愛い服を#て、観客に笑顔%振りまい&世間はそんな私を「@¥)“」と呼んだ
思えば、縺ゅ?鬆??遘√?貅?縺溘&繧後※縺?◆繧薙□繧阪≧縲
私には親友がいた
名前はレナ。
彼女とは事務所で出会い、同じ事務所でお互いソロのアイドルとして仲良くしていた
偶に合同でライブを行ったり、2人で軽くコンビ名を付けてみたり
私は、いつしか彼女に惹かれていたのだろう。
でも、いつからか、
彼女は私以外の友達が出来た
明るい子だったから当たり前だ。
でも、私以外といる彼女を見ると、なんだか私のアイデンティティを奪われているような、そんな感情で、心がズキズキ痛くて、苦しくて、
でも、私は前の私と彼女だけの関係を戻そうと近づこうとした
…でも。
『…あ、ごめん、…マイちゃん、この後、私ちょっと〇〇ちゃんと用事あるから…』
私は彼女と中々話せなくなった
私以外とも関わるようになった彼女は私にそっけなくなった
…だから、だろうか。
私は、その彼女と仲いい子、全員に劣等感を抱くようになっていた
(ねぇ、レナ…その表情、私以外に見せないでよ…。)
(そんな子より、私のほうが、レナのこと……)
そんな感情はいつしか憎悪に変わっていった。
ある日、
楽屋に行くと、そのうちの一人の荷物が置いてあるのに気がついた
共同の楽屋だったから当たり前だ。…でも、
私は、そこで魔が差してしまった。
その子の鞄を漁り、その中で一番大切そうなポーチを手に取る
中には色んな人から貰ったであろう化粧品やらなにやら、
とにかく高級そうなものが詰め込まれた宝石箱に、とりあえず飲み物を溢してみた
ああ、どうだろう。化粧品だから水分なんてついたら、色の付いた飲み物だからその綺麗なポーチはこの色に染まる
ねぇ、どんな気分?大切なものを壊されて、汚されて
でも、私は恨まないでね。全部、全部レナが悪いんだから。
私を大切にしなかったのが悪い。私を壊したのが悪い。孤独な私を愛したのが悪い。
「あははっ、あは、可哀想に、こんなことになって、私だったら許せないなぁ……」
「…ねぇ、何してるの、?」
聞き慣れた声がした。
驚いてそこに目を移すと、絶望顔で立っているレナがいた。
「…ねぇ、マイ…ちゃん…それ……〇〇ちゃん…の…」
震えた声でそう言う彼女、
ああ、そんなに怖がって、確かホラー苦手だったよね。ほんと、守ってあげたいなぁ…可愛い…。
やっと、私を見てくれた。
「…マイちゃんって、そんなことするんだ。」
「…私、信じてたのに。」
私は、何を期待していたのだろうか。
本来、彼女は間違っていない反応をした
でも、何故だろうか。
私は、彼女の首を絞めていた。
「あ゛っ……あああ゛っ!!ま、マイ…ちゃ…っ」
「…ねぇ、痛い、…?私はもっと痛かったよ…?ねぇ、レナ……。レナ………。」
気づけば、彼女は息をしていなかった
急に現実に帰った私は、パニックに陥り、気づけば彼女を連れて近くの山に走っていた。
ああ、そういえば、この後イベントあったな。まぁいいか。
これからどうしようか、自首して、逮捕されて…そしたら、家族は悲しむかな。アイドルも出来なくなっちゃうね。
気づけば、私は彼女を地面に埋めていた。
偶然か、雨が降っていた後だったので地盤は緩く、私の力でも楽に彼女を隠すことができた。
私だけの、物に出来たなぁ……。
「………レナ…。」
あの後、レナは見つからなかった
荒手でやったにも関わらず完璧にできていたのか、はたまた警察の仕事放棄か。
レナは行方不明扱いになった。
「…今、掘り返してもきっと骨になってるよね。」
少ししゃがみ込み、なんとなく心当たりのあるところに手をおく
近くにある水たまりが私を映す。あの時と同じ顔
「……あーあ、」
「私、どこで間違えたのかなぁ…。」
「…って、…全部か。」
「……もう、」
「楽に、なりたいなぁ」
「…おねーさん。」
聞き慣れてしまった声が聞こえた
「…なにしてんの?こんなところで」
「…あは。なんだろうねぇ、」
「…お姉さん、魔法使いなのに、格好悪い。」
彼女は少し悲しそうにつぶやいた
「……魔法、」
「…そうだ、魔法。」
「ねぇ、魔法…つかえないの?」
「え?」
土だらけの手で彼女の綺麗な手を掴む
「ねぇ、!私、魔法、使えたんだよね…?なんで、なんで今は使えないの?」
「ねぇ、もし今使えてたら、私はどうなってたの?」
「全部、最初からやり直せたの?」
畳み掛けるように彼女に問いかける
「…できるよ」
「じゃあ、どう、やって…」
彼女が手を握り返してくる
「…お姉さんは、どんな代償があっても、全部を最初からにしたいんだよね?」
彼女がそう問うと、私はゆっくりと首を揺らす
「あは、そっか、…じゃ、交換条件。」
そう言うと、彼女は私の額に軽くキスを落とした
「…えっ、?」
「…これだけ。…じゃ、さよなら。…私は消えるから」
彼女がそう言い放つと、私は急激に眠気が襲い、その場で眠ってしまった
目を開ける
そこは、見慣れた私の部屋があった
「……なん、だ、…なんにも、変わってないじゃん。」
そうつぶやき、携帯を開く
そこには、笑顔のアイドルたちの集合写真が映し出されていた。
レナだけがいない、集合写真が。
コメント
2件
久しぶりの一次創作です。数ヶ月前に書き途中で終わっていた小説を深夜テンションで書き終えたらこんな出来になってました。なんですか、これは