あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします(遅い)
新年一発目はロシア家(露フィンはソ連と親子設定)×日本です。といっても、ロシア家が日本と触れ合いながら家族団欒してるだけの話。ソ日要素は薄めですが許してください。今度ソ日のお話投稿する予定なので…
それではどうぞ
「………寒っ」
空っ風の吹き荒れる比較的静かなオフィス街
曇空をバックに背中を丸め早足で歩く
いつもより物理的に軽い体だが、その足取りは重々しい
というのも、二日酔いでだるい中出社したら防寒着を全て着用し忘れてしまったのだ
いつもならこんなヘマしねえってのに…
故郷程の危険な寒さはないからウシャンカは必要ないにしろ、コートぐらい着たかった。発熱機能の弱いこの体には、冬の寒さが酷く堪える
脳裏に浮かぶ、一瞬目にしたニュースの画面
今日は一段と冷え込むと予報していた気がする。なんでこんな日に限って寒くなるんだ、ふざけんな
今からでも取りに戻ろうかと思ったがもうすぐオフィスに着く。また寒い道を往復するよりも暖房のついた部屋にいた方がまだマシだ
苛立つ気持ちを抑えられないまま、到着したビルに入る
オフィスのドアを開けると、目の前に立っていた日本と視線がぶつかった
「あ、ロシアさん。おはようございます」
「……おはよう」
見上げる彼の穏やかな笑顔に、自然と邪気が浄化される
これだけで機嫌が直るなんて俺もチョロくなったもんだな
そんな俺を見て何故か不思議そうな表情をする日本。探るよう全身を眺めて、小刻みに震える紫を帯びた俺の指先を見つけ眉を下げた
「手震えてますけど、大丈夫ですか?」
「ああ…少し寒いと思っただけだ」
そうですか…と元気なさげに返事をする
俺の事を心配してくれているのだろう、どうしたものかと困った顔をしていた
確かに今は寒いが、もうしばらくここにいれば少しは改善するはず
それに、いつまでも此処に引き止めるわけにもいかない
少し震えが収まった手を軽く彼の肩に置いた
「大丈夫だから、俺の事は気にするな。心配してくれてありがとう」
彼のすぐ横を通って部屋に入り、自分の席へ向かう
少しして、後ろから聞こえる軽やかな足音
音の方を振り向くと、日本が小走りでこちらにやってきて、俺の両手を包み込むように握った
「なっ、何して…」
「これなら寒さは凌げそうですね」
柔らかな肌から伝わる、陽だまりのような温もり
じんわりと染み込む熱が凍える細胞を解かしていく感覚がする
「温かい…」
幾分か柔らかくなった声に黒い目が細められる
しかし、与えられるとは同時に奪っているということ
自己犠牲精神が強い日本のことだ。俺に気を使って我慢しているのではないか
そうでもなければ、触れただけで嫌がられる冷たい肌を掴むなんてこと、普通はしない
申し訳なく思って手を離そうとしたが、小さな手はそれを許してくれなかった
「こんな冷たい手、ずっと握ってて大丈夫なのか?」
「平気です。僕体温高い方なので寧ろ丁度いいくらいですよ」
「…そうか」
綻ぶ花を想起させるふわりとした笑みを浮かべる日本
お前は太陽みたいな奴だな
凍土のように冷えきった俺を優しく暖めてくれる
お前がいるおかげで、俺にも春が来て心に積もった雪が溶けていくんだ
その心地よい温もりを自分だけのものにしてしまいたい。そう願ってしまうのも仕方ないだろう
だが、太陽とは皆に平等なもの
簡単には独占できないことくらい、分かっている
けど…今だけは独占しても許されるよな
騒ぐ心を満たしていく少し高い体温
ただ静かに温もりに浸っていた時、大きな足音がこちらに向かってくるのが聞こえてくる
聞き馴染みのあるその音に眉間が皺を寄せた
ああ…邪魔が入ってしまった
数秒経って爆音と共にドアが勢いよく開く
予想通り、パーカーを手に持ったフィンランドがズカズカと近づいてきた
「お前防寒着忘れてただろ。持ってきてやったから日本を放せ」
隠す気もなく滲み出る黒い気迫
殺気すら感じる視線が突き刺さる
しかし、その程度ではこの楽園を手放す気にはなれなかった
「いらない。日本の方が温かい」
「離れろっつってんの!いいから着ろって!」
絶対に離さないとばかりに両手を掴み返しながら、日本の腕に身体をくっつける俺
そして、その手を引き剥がそうと躍起になるフィンランド
目の前で繰り広げられる兄弟喧嘩に何を思ったのか、あのっ!と日本が会話に割り込んだ
「フィンランドさんもよかったら…私で温まりますか?」
一気に静まり返る空間
何も分かっていない日本が頭を傾げる
さっきまでの気迫はどこへやら、顔に浮かぶ間抜けな表情。そりゃそうだ、言い方が誘っているようにしか思えない
ただ、日本が天然だということをあいつもよく知っている
あの発言は言葉通りの意味だ、と正気に戻ったあいつはふっと甘く微笑んだ
「いいの?じゃあ遠慮なく」
いそいそと日本の腕の間に潜り込み、正面からハグをする
そこに入られると思っていなかったらしい日本は、困惑しつつもどこか嬉しそうだった
「あぁ…あったけぇ…」
横からちらりと見える緩みきった顔
心底幸せそうにぎゅうぎゅうと日本を抱きしめている
それがなんだか面白くなくて、水を差すように睨みつけた
「おい、日本が困ってるだろ」
「はあ?日本に抱きつけなかったからって八つ当たりすんな」
冷えた空気に散る火花
再び頭上で争う俺たちに呆れを含んだ困り顔をする日本
そんな彼の背後に突然、大きな気配が現れた
「面白そうなことしてんじゃねえか」
ニヤニヤと笑いながら俺たちを見下ろすのは、俺たちの親父ことソ連
どうせ暇だからと絡みに来たのだろう
クソ、一番面倒くさいのが来やがった
「親父…いつの間に…」
「俺も丁度さみぃと思ってたんだ。お前の体であっためてくれよ」
「貴方もですか……まあ、良いですよ」
返事を聞く前に無駄に大きな体が後ろから腕を伸ばす
その腕は日本だけでなく、俺たちまでもを包み込んだ
「なんで俺らまで…」
「ちょっ、冷てえんだよ!首触んな!」
「おお、あったけえな…こりゃあいい。このまま家に持って帰っちまうか」
ギャーギャー言いながらも日本から離れない三国
図体のでかい国たちに囲まれ姿が隠れてしまった日本
雪(国)に覆われる熱源という、かまくらとほぼ変わらない構図になっている彼らを、同じく体温の低い北欧の国々は羨ましそうな目で見ていた
おまけ(ドイツ視点)
「何あれおしくらまんじゅう?」
「人気者の太陽は大変だな」
外回りに行くため、イタリアと共に日本を迎えにきた俺。部屋に入ってすぐ目に飛び込んだ光景に溜息をつく
イタリアの言う通り、確かにじゃれているように見えて微笑ましいのだが、関わっている人物があまりにも微笑ましくない
何をやっているんだあの一家は。お前らそんなキャラじゃないはずだろう
特にソ連、気味が悪いほど幸せそうじゃないか、普段の冷酷非情な姿はどうした。
あの様子を父さんに見せたら腹よじれて息絶えそうだな
呆れる俺を傍目に「何あれ楽しそうなんね!」と大きな目を輝かせる
ioも混ぜて欲しいんねー!と日本に近づきに行ったイタリア。しかし、雪国たちの絶対零度の視線にやられて帰ってきた
しょぼんとした顔でとぼとぼ歩くその姿は狼に吠えられた子犬のようだ
「あいつら超怖かったんね…」
「年中半袖半ズボンの暑がりなお前には必要ないだろ」
「「なら僕(俺)はいけるってこと(か)!?」」
どこから湧いてきたのか北米兄弟が食い気味に問いかける
そんなの俺が知るわけないだろ
「…あいつらを剥せるならいいんじゃないか」
投げやりな気持ちで適当なことを言う
もうツッコむのも疲れた、勝手にしてくれ
イタリアの二の舞になりそうな彼らを放って日本の荷物をまとめに行った
最近ヤマもオチもない話しか書けません助けてください
それはそうと、雪国って暖かいの好きそうですよね。日本は国旗に太陽あるから心も体もぽっかぽかだろうな…ちなみに、実際は海外の方のほうが体温高いらしいです。平均体温37℃なんだとか。健康そうでいいですね
最近インフルエンザが流行っているそうなので、皆様も暖かくしてお過ごしください。
コメント
13件
わぁっ、早い‼️ 流石ですね、もう大筋の流れが完成されたんですね!! でも、大丈夫ですよ!どんなものであれ琥珀様の作品ならどんなものでもハマりますから! なのであまりプレッシャーになさらず思うままにしてもらえたら大丈夫です👍️ 本当に急がなくて大丈夫ですから、気長に作品が完成するのを楽しみにしてます🥰
えっ!?リクエスト受けくださるんですかっ!? え〜!?ダメ元のお願いだったので前向きなご返答とても嬉しいです‼️どれだけかかっても大丈夫なので是非お願いします!! それともし可能なら闇系だと嬉しいです! エログロは特にどちらでも構いません。願望ですが頭のネジがぶっとんでる系の陸海空の父&叔父もしくは祖父&大叔父に虐待とか受けちゃう歪んでる愛系だとすごく癖です! シュチュエーションはタイムスリップ系とかどうでしょうか!?良ければなぐり書きしてたタイムスリップシュチュのものがありますのでそれを一部でも参考にして頂けたらそのときは私が萌え死にます🤣 ………すみません、ちょっとはしゃぎ過ぎましたね。しかもかなりの長文となってしまいました。もう琥珀様という神師にリクを受けてもらえるだけで僥倖なのであんまり気にしてもらえないで大丈夫です‼️でも一応私の妄想のものも公開しておきますのでよければ…。何か行き詰まったり気になることがあればお気軽に教えてください!妄想だけは溢れるほどあるので! それではよろしくお願いします🙇
大変ご丁寧なご返信を有難うございます!! えっ!?読んで頂けたんですかっ!? いえいえいえ…まだまだ愚作ですよ。ですが琥珀様は心情表現が凄くお上手なので琥珀様にそう言って頂けるとちょっと思い上がっちゃいそうです🤣 pixivの方に本垢があるので気が乗ったら読んで頂けたら嬉しいです〜!