テラーノベル
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龍園くんに声をかけられてから数日。
表面上は何も変わらない日常が続いていた。
けれど、ひなの胸の奥には小さな不安が残っていた。
朝の教室。
ひなが席に着くと、
桔梗ちゃんがすぐに隣へやってきた。
「ひなちゃん、最近少し元気ない?」
「えっ、そんなことないよ?」
そう答えながらも、
桔梗ちゃんの鋭い観察眼には隠しきれなかった。
そこへ恵ちゃんも加わる。
「もしかして龍園のこと?」
ひなは驚いて目を丸くした。
「どうしてわかったの?」
「ひなの顔見ればわかるって」
恵ちゃんは明るく笑いながらも、
その目には心配の色が浮かんでいた。
「大丈夫。ひなちゃんは一人じゃないから」
桔梗ちゃんが優しく手を握る。
「そうそう。何かあったらすぐあたしたちに言って」
恵ちゃんも力強く頷く。
二人の言葉に、
ひなの胸の不安が少しずつほどけていった。
「ありがとう……」
その日の昼休み。
食堂へ向かう途中、
廊下の向こうから再び 龍園翔 が現れた。
ひなの肩がわずかに強張る。
しかしその瞬間、
左右から腕を組まれた。
「ひなちゃん、行こっ♪」
「今日はあたしたちと一緒」
桔梗ちゃんと恵ちゃんだった。
龍園くんはその様子を見て、
面白そうに口元を歪める。
「ずいぶん大事にされてるな」
「当然でしょ」
恵ちゃんは一歩も引かない。
龍園くんは短く笑うと、
それ以上何も言わずに去っていった。
ひなはほっと息をつく。
「二人とも、本当にありがとう」
「親友を守るのは当たり前だよ!」
桔梗ちゃんの笑顔に、
ひなの目が少し潤んだ。
放課後。
ひなが図書室から出ると、
入口近くの窓際に 綾小路清隆 が立っていた。
「綾小路くん?」
「迎えに来た」
あまりにも自然な言葉に、
ひなの心臓が大きく跳ねる。
並んで寮へ向かう途中、
ひなは今日の出来事を話した。
「桔梗ちゃんと恵ちゃんが守ってくれたの」
「そうか」
綾小路くんは静かに頷く。
「いい友達を持ったな」
「うん。本当にそう思う」
少し間を置いて、
彼は低い声で続けた。
「だが」
「え?」
「俺も、お前を守る」
その一言に、
ひなの足が止まった。
綾小路くんは立ち止まり、
ひなの白い髪をそっと撫でる。
「だから、不安に思う必要はない」
「……うん」
安心と嬉しさが胸いっぱいに広がっていく。
すると彼は、
ひなの耳元で小さく囁いた。
「ひなは、大切な存在だからな」
その言葉に、
ひなの頬は一瞬で赤く染まった。
友情に守られ、
恋に包まれている。
それを実感したとき、
ひなの不安は優しい温もりへと変わっていた。
どんな波乱が待っていても、
もう一人ではない。
大切な友達と、
そして大切な人がそばにいてくれるのだから。
ひな【よう実夢小説連載中】
3,859
#不穏
コメント
1件
わー!!もうこの回、心臓どうにかなるかと思ったよ😭💕💕 桔梗ちゃんと恵ちゃんが「親友を守るのは当たり前だよ!」って言ってくれたとこで、私も泣きそうになった…!こんな仲間がいるって、本当にひなちゃんは幸せ者だね✨✨ そして綾小路くん…クールすぎだろ!!「迎えに来た」発言だけで既にやばいのに、その流れであの耳元囁き!?「ひなは、大切な存在だからな」って反則だよ反則!!もう尊死するわ…😇💕 友情と恋のダブルガード、最高すぎるよ!次も楽しみにしてるね🌸✨