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初心者小説書きなので、至らない点しかないと思いますがご了承下さいませ。この小説はご本人様達とは関係ございません。
完全に妄想の世界なので悪しからず。
⚠️死ネタありです。
苦手な方は回れ右でお願いします。
―――――――――――――――――――――――――
カーテンから漏れ出す太陽の光で目が覚める。
「ふわあぁ……。」
今日は快晴。辺りは静かな朝で、鳥のさえずりだけが聞こえる。そんな朝。
今日は配信も撮影も何も無い休日。
天気良くて気候も最高。こんな日は……!
「散歩でもするかぁ~!」
朝食を取り、動きやすい服に着替えてから早速外に出る。
20分ほど歩くと、公園が見えてきた。
週末だからか、子ども達が沢山遊んでる。
「次お前が鬼なー!」 「え~!待ってよ~!」
「タンマ~!」 「うわ!ずるいぞー!」
なんて声が聞こえてきて、懐かしさでふふっと笑ってしまう。
公園のベンチと座り、さっき自動販売機で買ったドリンクをカシュッ!と開けて一口飲む。
よく見ると子ども達だけでなく、その両親も公園で一緒に遊んでるようだ。 楽しそうな笑顔。
それは太陽のようにキラキラと輝いている。
(家族……か。)この歳になってくると、「家族」についてより一層考えるようになってしまう。
46歳、独身。彼女もなしと来た。
まだ諦めては無い。が、やっぱり結婚の望みは薄いか……。と考えてしまい溜息をつく。
そんな俺の足元に何かが当たった。
「なんだ?」と ベンチの下を覗き込むと、そこには子猫がいた。まっ黒な体と黄色に少し青みがかったような色の大きな瞳。
「うわっ!?ねこ!?」と驚いた俺に子猫も驚き、ダッ!と茂みに走って隠れてしまう。
慌てて追いかけ、子猫にゆっくり近づく。
「ごめんよ、驚かせて。そんなつもりはなかったんだ。」と話しかけながら子猫の鼻の前に俺の丸めた手を差し出す。
少し匂いを嗅いでから俺に近づいてきた。
「にゃあ」と小さくなく子猫に、俺は胸を撃たれてしまった。
「……やっちまった。」
可愛さに胸撃たれた俺は、衝動的に子猫を家に連れて帰ってしまった。
猫に関する知識が薄い俺は、おらふくんとおんりーに頼る事にした。
「子猫を拾ってきた」と言うと、二人はすぐ俺の家に来た。
「猫拾ったって本当ですか!?」
「うわ~!ほんまや~!めっちゃちっちゃくて可愛い~!」
子猫を見ながらわちゃわちゃ遊ぶ二人。
「猫についてちょっと教えて欲しくてさ」と切り出すと、色々なことを教えてくれた。
まずは動物病院。検査等をして病気や寄生虫がないか確認をする。その他にも、猫のご飯や必須品など……。沢山教わった。頭がパンクするかと思った……。
とりあえず二人に助けてもらいつつ、できる範囲は俺だけでやってみよう と自分を奮い立たせ、決意を固めた。
俺は、この子を飼う!!!!
そんな決意をしてから、早1ヶ月が経った。
猫初心者な俺は「どうやって遊べばいいのか」「 お風呂の入れ方は」「うんちしたらどう処理したらいい?」と頭を悩ませながら日々を過ごしていた。
もちろん子猫の名前も決めた。「黒豆」だ。
小さくて黒くて、寝る時は必ず丸まって眠るから。かわいい名前だろ?
元気ですばしっこいが、少し鈍臭い。そんな黒豆は、ドズル社全員から愛されていた。
「ぼんさん!黒豆君にこれ似合うと思いませんか? 」
「ぼんさん、これ良かったら!むぎ君とそら君のお下がりなんですけど、あげます!え?悪いって?全然ええですよ~!」
「ぼんさん、手土産っす!キャットフード
ちゃんと子猫用っすよ!黒豆の口に合えばいいんすけど……。」
「黒豆君いつか、うちのらい君とも仲良くして欲しいな。」
ってな感じで。お下がり貰ったり、俺自身でも色々買ったりして。どんどん黒豆中心の生活になっていった。
ゲームをしてても、配信中でもお構いなく「にゃあ」と甘えてくる。そんな黒豆に 視聴者も、「かわいい」「たすかる」「黒豆~!」「豆ちゃ~ん」ってコメントしてくれて。本当に幸せな日々を過ごしていた。
黒豆に出会ってから俺の生活がガラッと変わった。
俺の朝は早い。
「にゃあ!にゃあ!」と黒豆が朝ごはんの催促をしてくるからだ。
すぐにご飯の用意をし、俺もちゃちゃっと飯を食べる。着替えながら黒豆の構ってモードに対応しつつ、当日の予定を確認。
仕事があればそれをこなすし、休みなら黒豆と一日中戯れる。
規則正しい時間に睡眠、起床。飯も三食キチンと食べた。さらに黒豆の体に悪いと思い、タバコもやめた。 あの俺がだぞ?すごいな猫パワーって。 禁煙にはさすがにみんなも驚いていた。
「家族」ってすごいな。結婚は程遠くなったかもしれないが、 黒豆は正真正銘俺の家族だ。あの日の散歩のおかげで、まさかこんな幸せを感じることができるだなんて思ってもなかった。素敵な出会いをありがとう。と神様に心からの感謝した。
黒豆が家に来て半年が経った。
すくすく育った黒豆は、俺の腹の上で寝るくらいに仲良くなった。
あんなに小さかったくせに、半年も経てば中々に大きくなる。成長が早いなぁ。
どんなに大きくなっても、かわいくてどうしようも無い。「きっと子どもができた親とかと同じ気持ちなんだろうな。」とか この日もそんなこと配信で話した。いい時間になったので枠を閉じ、いつも通り黒豆と一緒に眠りについた。
次の日の朝、目が覚めた。
不思議な感覚。なんだかいつもより沢山寝た様な……。ふと時計を見ると、11時を指していた。
「え!?!?もうこんな時間!?!? 黒豆、ご飯は!?!?!?」
いつもご飯の時間になると起こしに来るくせに、今日は黒豆が寝てるのか!?と慌てて枕元を見るが、黒豆はいない。
布団の中にもトイレの中にもケージの中にもいない。
……胸騒ぎがした。
「黒豆!黒豆!?おい!どこだ!?!?」
家中を隈なく探す。
台所、リビング、机の上、椅子の下……。
10分ほど探した末、見つけた。
棚と棚の間にある小さな隙間。
そこに小さく丸くなり……冷たくなっている黒豆を。
そこからしばらくは記憶が無い。
気付けばベッドの上で、周りにはドズル社メンバーが全員居て。 みんな泣き腫らしたような顔をしてた。 もちろん俺も。
どうやら俺は、冷たくなった黒豆を見た後ドズさんに連絡したようだ。
でも「ああああああ!!!!」とか「うそだいやだやめてええええ!!!!」とか。何を言ってるか分からないくらい錯乱していたようで、これはやばいと全員を集めて俺の家に来てくれた。そして状況を悟り、一緒に泣いてくれた。大声で何時間も……。
みんな信じたくない、受け入れたくない事実だった。
この日の収録は後日に変更し、全員休むことになった。
まだまだ小さかったんだ。これからもっともっと大きくなって、たくさん思い出を作るはずだったんだ。沢山買ってきたおもちゃで遊ぼうとか、休みは一緒に布団で寝ようとか、誕生日は特別なケーキでお祝いしようとか……。まだまだこれからだったんだ。これからだったんだよ。
なぁ、黒豆。俺は明日からどうやって起きればいいんだよ?なぁ、黒豆。明後日にはお前の大好きなご飯が届くんだぞ?なぁ、黒豆。もう少しでむぎ君やそら君、らい君とか……お友達が増えるところだったんだぞ?黒豆、黒豆、黒豆……。何をしてても頭の中をぐるぐるする考え事。いつまでもいつまでも考え事……。ずっとずっと……黒豆が離れないんだよ……。
数日後、俺は配信で黒豆の死をみんなに伝えた。
みんな悲しんでくれたり、弔ってくれたり……。
優しさに溢れていた。
そんなみんなを心配させないように、「もう立ち直ったから大丈夫」と無理やり笑ったり、自分の心に嘘をついて日々を過ごしていた。
そのせいなのだろうか。寝不足が増えたし、少し前にまた吸い始めたタバコが止まらない。しかも以前より量が増えた。メンバーにも「痩せたね」とか言われるようになってしまったし。心の傷は体にまで影響してきているみたいだ。
数週間、数ヶ月経ってもこの傷は瘉えることはなかった。
今日も真っ暗な夜。カーテンの隙間から月明かりだけが指す、静かな夜だ。
こうも静かで暗い夜に1人になってしまうと、やっぱり頭から離れない。俺の大切な家族。
「黒豆……。」と呟きながら、 歳柄にもなくグスグス涙を零し体を丸めながら布団に潜り込む。
気づけばそのまま眠ってしまった……。
ここはどこだろう。夢か……?
そう思いながら辺りを見渡す。
永遠に続く真っ暗な空間。
そこにあるぽつんとあるベンチに俺は座っている。
「なんだここ……?それにこの匂いは……?落ち着くような不思議な匂い……。 」
暖かい、太陽のような……そんな匂い。
それに、この気配は……なんだ?
足元に感じるこの気配……俺は知っている……?
『にゃあ』
その声にびっくりした俺は足元を見る。
「黒豆!?」
そこには黒豆がいた。この足の気配は黒豆だったんだ。
じっとこちらを見つめる黒豆。
久々に会えて嬉しい俺は、黒豆に触ろうとする。その時、
『だめだよ』と誰かに話しかけられた。
「だれ!?」とキョロキョロするが、誰もいない。居るのは黒豆だけ。
『さわっちゃだめ。さわったらもどれなくなるよ?』
……そう。黒豆だけなんだ。
「え!?黒豆……喋れるの!? 」
『うん。すごいでしょ!』
「うん、凄い……けど、ここはどこ!?めっちゃ暗いし!?てかなんで喋れんの!?」
『わぁ、しつもんぜめだぁ~!おちついてよご主人~。ここはボクのおもいでの空間だよ。ここはボクがご主人とはじめてあったこうえん!おひさまのにおいがしてすきなんだぁ。 』
そうか。ここは初めて黒豆と出会った公園ベンチなんだ。俺にとっても思い出の空間だ。
『ここがくらいのは、ボクの”せいしんせかい”だからだよぉ。ここでボクにさわると、この”せいしんせかい”にとりのこされちゃうの。しぬこともできなくなっちゃうからさわっちゃだめだよぉ?』
「精神世界!?取り残される!?!?めっちゃ怖いじゃん!?てか、久々に黒豆に会えたのに、触れないなんて普通に拷問じゃね?」
『ん~。たしかに。でもだめだよぉ?もしさわっちゃったらボクはご主人といっしょにいれるとすごくうれしいけど、ドズル社のみんながおこっちゃうからねぇ~。』
「……そっか。そうだな。」
黒豆、意外と考えてる事は大人なんだな。と感心した。そして我に返る。
「って言うか、俺なんでここにいるわけ!?」
『ごめんね。ご主人。ボク、ご主人とおはなしがしたくて……。ご主人のことつれてきちゃった。かってなことしてごめんなさい。』
「あぁ、怒ってるとかじゃないよ!?なんでかなって思ってさ。そっか話したかったんだな。ちょうど俺もだわ、嬉しい。」
『ありがとう、やっぱりやさしいねご主人は。あのね、ここにつれてきたのはご主人がしんぱいだったからなの。』
「心配……?」
『うん。ご主人、すごくやせたよね?ずっとねむたそうだし、しろいぼうもたくさんたべてる。からだがあぶないよ?』
「……それを伝えに来てくれたのか?」
『ううん、ほかにもつたえたいことたくさんあるよ。いっしょにあそぶのたのしかったよとか、ご主人のことだいすきだよとか!』
黒豆、おまえは本当にかわいいな。俺の心配して会いに来てくれるなんて。
『あとねあとね!ごはんおいしかったよとか、いっしょにねるの、あたたかかったよとか!』
そっか、そっか。そんなこと思ってくれてたんだな。 ……なぁ、何でそんな早く逝ってしまうんだよ。 俺より長生きしてほしかったよ。黒豆。
『んー、ほかにはねぇ……あれ?、ご主人、ないてるの?』
「……え?」
黒豆の伝えたいことが可愛いくて、嬉しくて……そして切なくて。言葉一つ一つが、もう会えないのだと。死んでしまったのだと。現実を突きつけてくる。俺の心はちくちくと攻撃され、気づけば泣いてしまっていた。
「ごめ、そんな、つもりじゃ……」
止めようとすればするほど止まらなくなる。
『ご主人……。ごめんね。ボクもすごくさみしいの。あのひ、からだがすごくあつくなって……。すずしいところにいきたいっておもったんだけど、とちゅうでうごけなくなっちゃったんだ。やすもうとおもってきゅうけいしてたんだけど、そのまま……。』
「……苦しかったよな。寂しかったよな。そばに居てやれなくてごめんな。」
『ボクのほうこそごめんね。もっとご主人とずっといっしょにいたかった。でも、ボクすごくしあわせだったよ。』
「黒豆……。俺も同じだ。俺、家族欲しかったんだ。そんな時に黒豆と出会った。短かったけど、俺たちは確実に家族になれた。本当に幸せだったよ。」
『ほんと?うれしいなっ!ボクもご主人のかぞくになれてうれしかった!』
お互い泣きながら話していると、突然地面がグラグラと揺れる。
「な、なんだ!?」
『……もうそろそろここはなくなっちゃうみたい。』
「無くなる!?ってことはもう……会えないのか?」
『……わからない。でもこれだけはおぼえててほしい!ボクはずっとご主人の……!!』
「……!!」
「…んさん!ぼんさん!おきて!ぼんさん!!」
そんな焦りを含む大声で目が覚める。
「ん……。ハッ!黒豆!?!?」
勢いよく起き上がり周りを見渡そうとするが、起き上がる途中で何かと激しくぶつかる。
「「あだっ!?!?!?」」
シンクロした声の方を見ると、そこにはドズさんがいた。
「え、ごめん!てかドズさん!?どしたの!?」
「いったた……。いや、どしたの!?じゃないですよ!?今何時だと思ってるんですか!?」
「へっ?」
時計を見ると、14時を指している。
「嘘!?こんな時間!?寝坊!?!?」
「はぁ……。そうですよ!心配したんですからね!?最近体調も悪そうだし、黒豆のこともあるだろうから……。」
とバツの悪そうな顔をするドズルさん。
きっと俺のことを気遣って、今まで思ってたことも胸の内に秘めてくれてたのだろう。
俺のことを心配してくれてる。その優しさを久々に実感した。
ここ最近俺はずっと黒豆の事しか考えていなかった。周りの心配なんて、気に止めることも出来ないほどに。
辛さとか、申し訳なさとか色々な感情が混ざって、つい泣いてしまう。
「ごめ、ん、俺、今まで、周りの優しさになんて……」
そんな俺の言葉に、ドズさんは被せて
「いいんです。相棒が辛い時支えるのなんて、当たり前のことですよ。 」
とニカッとした笑顔でフォローしてくれた。
そうだ。俺にはこんなに心強い相棒と心優しい後輩たちがいる。それに、
『ボクはずっとご主人のみかたで、かぞくだから!!』
そう言ってくれた黒豆も。俺の心の中に居る。
あの夜の出来事は夢だったのかもしれない。
黒豆に会いたくて堪らなくなった俺の妄想だったのかもしれない。
だが、これだけは分かる。
あの出来事があったからこそ、今俺は前を向ける。
悲しみを乗り越えてみんなの優しさに支えられながら、黒豆の分まで笑顔で生きる。
俺には、俺のことを思ってくれる味方が沢山いるから。
「ぼんじゅーる!ぼんじゅうるだ!どうもでーす!」
はくしろ🦊🎨💛 🍌☃️