テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#さのじん
さき
688
はる☻
4,727
「頼む!!!!」「嫌だ!!!!!!!!!!!!!!!」
バカみたいだと思う。そもそもの話、小学生の頃からの付き合いの(一方的に)ライバルだった男と恋人になった事から。
なんの間違いか、俺と太智が付き合い始めてもう数年。メンバーどころかファンにすら薄ら察されてしまっている俺達の関係。
付き合い始めた当初、いや。付き合う前からか。なんやかんや俺と太智は根っこのところは似たもの同士だから。
メンバーで男と付き合う事のリスクと周りの反応、グループへ迷惑をかけてしまうかもしれないという不安。
好きあっていながらも一線を越えることを怖がっていた俺達を笑い飛ばす程のメンバーからの祝福の声、ファンからの黄色い声援。
なんや、思ったよりなんてことなかったな。
なんて笑う太智の目尻に光る涙を見つけた時、一生をかけてこの笑顔を守り抜こうと固く誓った。
いや。太智の笑顔を守るためなら大体の事はしてやりたいよ。今までも割とそうしてきたし、これからも太智優先の人生を送るつもりではある。
俺、意外と好きな人には甘いし最優先にするタイプだから。
でも、これは違う。話が違う。
こいつバカだろ。
「なんでや!ええやん!仁人俺が何言ってもいいよ言うてくれるやん!なんでこれはあかんの!!」
「俺のアイス食べちゃうのもYouTubeで連れ回されるのも夜中に寝られないからってお菓子パーティ開くのもいいよ!でもこれは無理!!!」
「なんでやなんでや!!ええやん別に減るもんやないやん!!」
「減るんだよ!確実に!俺の陰毛が!!!!!!!!」
バカだよほんと。
何が悲しくて恋人に陰毛剃られないといけないんだよ。
どこから仕入れて来たのかこのバカは仕事から帰って来るなり
「パイパンてえっちするとき気持ちええねんて!そういうわけやから陰毛剃らせてくれ!」
と頼んできた恋人をぶん殴らなかっただけ褒めてほしい。
この職業柄、見た目には人一倍気を使っている。
脱毛もその一環として脛や脇はもちろん、首から下の体毛はある程度整えてはある。
鹿児島出身な事から元々体毛は濃い方で、色も白いからよく目立っていた。コンプレックスに感じていた事もあって幼い頃から見えるところは頻繁に剃っていたし、脱毛は10代の頃には済ませてしまっていた。
だから太智は俺の体毛が濃い事は知らない。もみあげや髭が濃い事は知っているし、よくいじってくるけど何気なくついた「俺、脇毛とかすね毛生えないんだよねー。」というカスの嘘を信じ込んでいた。
実際脱毛は済んでいるし、生き残っている残骸も定期的に処理しに行っているから生えるかと問われれば生えはしないので、厳密には嘘ではない訳だが。コンプレックスというものは根強く残っているもので。体毛に関する事は俺の中で少しナイーブな話題だった。
もちろん陰毛についても整えてあるので見せることはできる。さすがに付き合って数年たっているカップルがそういう事をしないなんて事はないのでそこそこに太智との行為も重ねている分、今までもしっかりがっつりなんなら至近距離でも見せてきた。
でもこれは違う。
セックスの一環として陰毛が目の前に来るシチュエーションがある、と言うのと、そもそも陰毛を主体としての行為をするのとでは全く話が変わってくる。
ここまで御託を並べ散らかしてきたが、とどのつまりは純粋にシラフで陰毛をまじまじと見られるのが恥ずかしいのだ。
「今更俺らの間に恥ずかしいもクソもないやろ!仁人は俺が小6の頃泊まりのレッスンでおねしょしたのも見てるし、俺も仁人がスタジオで寝落ちして飛行機乗れやんくて鼻水垂らしながら大泣きしてるのも見てきてんで!」
「恥ずかしいのベクトルが違うしそれはもう忘れろ!!」
幼い頃からの付き合いというのは厄介なものでこんな小さな恥ずかしいエピソードなんてものは星の数ほど握られている。お互いに、な訳だが。
「鼻水もちんこもケツの穴も見られとって何を今更陰毛見られるのが恥ずかしい事があるねん!」
「うるせぇうるせぇ!!恥ずかしいもんは恥ずかしいんだよ!!諦めろ!!」
平行線で続く言い合いに埒が明かないと察したのか、ちょっと待っとき!と眉毛を釣り上げた太智が鼻息荒くリビングを出て行く。
戻って来た太智の手には先日使ったふわふわの手錠と付属のベルトが握られていて、サァッと血の気が引く。
「お、まえ…ッ!どんだけだよ!!!」
「1回やってみたかってん!気になったらやらなモヤモヤするやん!気持ち悪いやん!頼むて!!」
「必死すぎるだろ!!!!!!」
圧倒的な力の差で俺の抵抗は虚しくあっという間に俺の両手は水色のふわふわに捕らえられ連行される犯人よろしく風呂場まで引き摺られて行くのだった。
両手を縛られた状態での抵抗なんてものは筋肉ダルマの太智には子猫がじゃれつくようなもので、ボクサーパンツと部屋着のモコモコハーフパンツは洗濯カゴへと放り投げられた。両手が拘束されているせいで上のモコモコパーカーは脱がせられなかったようで「まあこれはこれでええか。」と見逃された。ゆったり着たかったからオーバーサイズ気味に買っておいてよかった。少し丈の長いパーカーの裾を引き伸ばし、心許なさすぎる下半身を必死に隠すとせめてもの抵抗として楽しそうに準備を進める太智を睨み付けた。
「お前、まじで覚えてろよッ!」
「あはっ、仁ちゃんってば煽るのが上手いなぁ。」
あーもう!!今日のこいつ会話になんねぇ!!
「じっとしとかな怪我してまうで〜♪」
ルンルンと音符が飛んでいそうな太智を見下ろすように湯船の縁に腰掛ける。
カミソリ、シェービングクリーム、拭き取り用のガーゼ。必要なものをウキウキと並べる太智のつむじを睨み付ける。
「やるならさっさとしてよ。」
開かされた脚の間に正座する太智の眼前に置かれたそれが居心地悪く縮こまる。
無駄な抵抗とは分かっていながらも気持ち程度にパーカーの裾を引っ張ってそこを隠す。
「はいはい。始めるからパーカー、持ち上げとってな。汚れるで。」
シェービングクリーム片手ににっこりと笑うその顔は天使のようで、これから行われるえげつない侮辱行為が嘘のように思えた。
シューッと音を立ててクリームが噴射される。
中指と薬指で毛と毛の間に塗り込まれると、擽ったくてつい腰が揺れた。
「今はええけど剃る時は動いたらあかんで。」
「…ってるってば!」
くすくすと笑う太智の太ももを軽くつま先でつついてやる。
毛が生えている範囲にクリームを塗り込み終わるとカミソリを手に持ち、改めてそこをまじまじと見られる。
恥ずかしくて居た堪れなくなって目をそらすと、太智がボソッと、
「…やっぱここも濃いんやなぁ。」
は?
「ッ!やめる!!やっぱやめる!!!!離せてめぇコラァ!!!!!!!」
「あっっっっぶな!!!何してんねん!!俺今刃物持ってんで!?!?」
「うるさいうるさいうるさい!!!!!やめるったらやめる!!!!出てけ!!!!」
両手を縛られたまま暴れる俺を、ひとまずカミソリを安全な場所に避けてから取り押さえる。
「なんやねん急に!何があかんかったん?」
「うるさい!離せ!!」
なおも離せ離せと暴れる俺をいとも簡単に押さえつけて頬を掴むとむりやり目を合わせられる。
「なに?そんな嫌やった?」
「嫌だっておれずっと…」
「そんなに濃いの気にしとったん?」
にやぁっと三日月に歪んでいく目に、やられた!と思った。
「お、おま…ッお前ェ!!!知っててこんなッ」
「いやぁ〜恥ずかしいんやろなぁ可愛い嘘つくなぁ思っててん。いつか知ってんで〜言ったろとは思てたんやけどなぁ、そんな時剃毛プレイっての見かけてなそこで俺ピーンと来てんな。」
そこまで言うと太智はぐいっと顔を近付けて、鼻と鼻がくっつく直前で
「俺な、ずぅっと…恥ずかしがる吉田さん、見てみたかってん♡」
至近距離で大好きな太智の顔がうっとりとした表情に歪む。ため息のように吐き出された太智の欲望に、これ以上ないほど茹で上がった顔が上限を振り切る。
文句のひとつでも言ってやろうと開いた口は回らない頭から言葉をもらうことができず、ただはくはくと開閉をするのみとなる。
固まってしまった俺を再び浴槽の縁に座らせるとゆっくりと両足を開かせ、弾けた泡だったものが垂れるそこにカミソリを当てる。
「じゃあ仁人、動いたらあかんで♡」
しょり…しょり…と丁寧に、ゆっくり過ぎるほど時間をかけてカミソリを滑らせる太智。
同じところに3往復目が来たところで、あぁ、濃いって言われた…やっぱり俺って濃いんだ…ッ!と今更すぎる羞恥とそれを気にしていることを知られていた恥ずかしさの二重苦に、じわりじわりと涙が滲む。
優しく下腹部を撫でられるように滑るカミソリの感覚と、あやすように撫でられる太ももの感覚に腰が揺らぎそうになるのを押しとどめる。
「…ッ、ふ、ぅ…っ」
堪えきれない吐息が固く閉ざした唇の端から漏れ出る。
足の間から太智がくすっと笑う声が聞こえた。
笑われた!笑われた!!!
こいつ!!!俺がどんだけ恥ずかしい思いしてると思って!!!!!!
握り締めたままのパーカーの裾を指の色が変わるほどぎゅっと握り直して口元にあてる。
せめて声だけでも出さないようにしないと…ッ!!
そんな俺のせめてもの抵抗を嘲笑うかのように、裾を持ち上げたことで晒されてしまった腹に柔らかくキスを落とした太智が、腹に唇を付けたままゆっくりと上目遣いのように俺を見上げて口を開く。
「仁人…♡なんや、俺はただここのお手入れしとるだけやで?なぁんも気持ちいことなんてしてないのに♡ちんちん、勃ってもぉたなぁ♡」
そこでようやく気が付いた。
勃ってる!!!!!
ぶわあああっと顔に熱が籠るのを感じる。
「だっ、て!!ちが、これは…ッちがくて!!あ、いやちがくな…ッお前のせいで!!!」
慌てふためいてパーカーの裾で兆してしまったそこを隠すように引っ張るも、あっけなくその手は捕まって咎められる。
「あかんよ♡まだ半分残ってるんやから♡」
天使のような笑顔で悪魔のようなことを告げられる。
え?まだ半分??あれだけ時間かかって…ッおれ、そんな濃いの…ッ?
恥ずかしさが限界を超えて滲んでいた涙が目尻から転げ落ちる。
「ひッ…ぅ、はや、く…ッ終わらせろよぉ…ッ」
情けなくなってずびずびと鼻を鳴らしながら手錠をつけられたままの手で涙を拭う。
なんで俺、恋人に陰毛剃られながら勃起して泣いてんの…ッ!情けない!!恥ず過ぎる!!
「あーあ♡泣いてもたの♡かぁええなぁ♡泣くほど恥ずかしなってもぉたん?♡ほんっま、かぁええなぁ♡♡♡」
甘やかすようなドロドロの猫撫で声で俺を見つめてくる太智に限界を超えたはずの俺の羞恥心はさらに煽られる。
「や、ぁ…ッも、やだぁ…ッ!」
「うんうん♡いややなぁ♡はよ終わらせてほしいなぁ♡」
なおもドロドロとしたあまぁい声で俺を形だけ慰めつつカミソリを滑らせる。
ようやく全てを剃り終えたのか、カミソリを棚に置くとシャワーのコックをひねる。
暖かいお湯に変わるまで手のひらで確かめたあと、ゆっくりと俺の下腹部にあて始める。
「ひっ、おわ、った…?」
「ん♡終わったで♡仁ちゃんよぉ頑張ったなぁ♡」
ようやく終わったという開放感から羞恥に染まった頭に少しだけ冷静さが戻ってくる。
「頑張ったなぁ♡じゃねぇよ!!俺死ぬほど…はず、かしかったんだからな!!!」
怒りに任せてキャンキャンと吠えると泡と陰毛を流し終えた太智が、綺麗になったそこをひと撫でするとそのまま人差し指でゆっくりと腹筋を辿り、モコモコのパーカーに乗りあげて首筋を辿る。耳たぶまで上がってくると顎をクイッと持ち上げられる。
そのまま太智と目を合わせると、どろっどろに溶けた瞳と目が合った。
ゆっくりと近付いてくる大好きな顔に抵抗なんてできるはずもなく、柔らかく唇が重なる。
伺いを立てるように下唇を柔く食む太智に、薄らと口を開いて迎え入れる。
ぐちゅぐちゅと唾液が混ざり合う音が浴室に反響する。
自身の体温と保温性の高い浴室の熱気にくらくらと目眩がする。
最後に強く舌を吸われて、名残惜しそうに唇が離れる。
間にかかる銀色の糸がプツリと切れるのを見届けて、どちらともなく再度、触れるだけのキスをする。
「仁人…ベッド、行こか」
コメント
6件

もう必死過ぎて笑けて来ちゃう笑
最高の神作ありがとうございます💘✨🙇♀️こういうエロ話を熱望してました! 毛が濃いのを気にして全力で恥ずかしがった上に勃っちゃう💛が超絶可愛くて尊すぎます🥹 ちょこちょこ煽りながら強引にコトを進める💙の可愛い笑顔が余裕で脳内再生できちゃいます💞 解釈一致すぎてテンションぶち上がりまくり❤️🔥私の想像を超ハイクオリティに磨き上げて具現化していただいたような…夢を叶えてくださり感謝です🫶👑(語彙力破綻)
泣き顔絶対かわいい 続き待ってます!