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昨日も、今日も、バカみたいな晴天だ。俺は、入道雲を眺めていた。

驚くくらいの晴天で、俺は瞼を閉じた。

「それ」は簡単には思い出せなかった。年をとる現状に浸っていたんだ。

大人ぶった作戦に。不思議な合図。

「行こうか。今日も戦争だ」

その一言で、立ち向かって、手を振った。

理不尽なんて、当たり前の世界に。独りぼっちを強いられる世界に。

迷い込んでしまった俺は憂鬱になりそうになった。

背の高い名前もわからぬ草をかき分けて、滲む太陽を睨みつけた。

リーダーの君は、俺に言ったように、こう言っていたね。

「孤独だったらおいでよ」

と。

黒いフードを被った、黒い髪と赤い目が特徴的なあの子に。

騒がしさがノックして、生まれてきた感情さえも頭に浮かんでは萎えた。


「幻なのかな?」


秘密基地に集まって。

「楽しいね」って単純な。

あの頃を思い出して。

話をしよう___。


幼い頃。

小学校くらいの頃、俺が生きてる世界とみんなの世界が違うことに気づく。

理不尽もひとりぼっちも、当たり前だった。

そんな世界に無理やり生まれてきた俺は、憂鬱な毎日を過ごしていた。

でも、あの日からは違った。

なんとなく、歩いていたら。

背の高い草を意味もなくかき分けていたら。

「どうしたの」

そう声をかけてきた、金髪の男の子。

その子は秘密基地を建てていた。

黒髪の眼鏡のこと一緒に。

滲む太陽を睨みつけていたら彼はこういった。

「孤独だったらおいでよ」

と。

子供ながらに大人らしい彼。

大人ぶった作戦。不思議な合図。

それは小さくも大人に立ち向かう戦争だった。

「行こうか。今日も戦争だ」

それが彼の口癖だった。

戦争の練習。

いつか大人になった俺たちが、大人に立ち向かうための練習。

そんな日々が楽しかった。

そして、また現れた男の子。

黒いフード。黒い髪。赤い目。

感情を表に出さないその子に彼は言った。

「孤独だったらおいでよ」

と。

騒がしくなって。生まれてきた感情も、萎えてきたのだろうか。

今ではそのことが思い出せない。

「それ」が思い出せずにいる。


「幻なのかな?」


でも、

秘密基地に集まって、

「楽しいね」って単純な、

あの頃は確かにあったんだ。

あいつらは確かにいたんだよ。


昨日も今日も晴天だ。

あの日々みたいな入道雲を見つめる。


「セラお」

「奏斗」

「アキラ」

自然と涙が溢れる。

「今年の話。聞いてくれるか?」


またどこかで会えることを信じて。

今日も入道雲に話しかける。

あの時の

「また、何処かで」

いまだに覚えているよ。

秘密基地に集まって、笑い合った夏の日に。

「また何処かで思い出して、出逢えるかな」

って。

何度でも描くよ。

あの日々のこと。

色褪せないように。

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