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「やまゆた前提のひゅがゆた、あむ巻込」
ゆうた
俺は、やまとのことが好きだ。いつからとか、何でとか言われたら本当に分からないけど、気づいたらあぁ好きだなと思うようになっていた。自分か自覚して、やまとを意識し始めて気づいた事がある。
メンバーとの距離が近すぎる。
ほんとに。
多少の絡みは仕方ないと思う。でも今目の前でイチャイチャしているやまととあっちゃんを見てると、なんで俺じゃないんだろうなんて気持ちが出てきてしまう。2人とも、さっき動画撮ってる時もイチャイチャしてたし…
「ねぇ!笑 やまとやめて!笑 ストップ笑」
「いいじゃん笑 俺あっちゃんのことめっちゃ好きなんだもん笑」
胸が締め付けられるような嫉妬を感じた。
あーやばい。その光景はあまりにも辛く鼻がツーンと痛くなるのを感じて誰にもバレないようにそっとその場を後にした。
泣くな、俺。
別に付き合ってるわけじゃない。俺が拗ねるのもおかしいし、泣くのも違う。やまとは同姓で、幼なじみで、相棒だ。
泣いちゃダメだ。
俺は2人から逃げるように編集部屋へと足を運んだ。
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編集部屋につくとひゅうがが居て、おーゆうた今から編集?一緒に頑張ってこーなんて言う。俺もまだ編集が終わってない動画があったことを思い出し机に座った。
しかしいざ始めてみると全然集中できずに、先程の2人の様子がずっと頭に流れ込んできていた。
だってあっちゃん可愛いもんな…俺みたいにひねくれてないし、自分の気持ちをまっすぐに伝えることが出来る。それに比べて俺は…なんて言っている自分も嫌になってはぁと1度溜息をつく。
特にやまとにはツンツンしちゃう俺。そんな俺よりやまとは…………
やまと
俺はゆうたのことが大大大好きだ。いや、愛してる。そして俺の長年ゆうたを見てきた目が言う。ゆうたも俺の事が好きだということを。だからまぁ俺らは両思いっていう訳だけど、肝心のゆうたは俺の気持ちに気づいてない。まぁそういうとこも可愛いんだけどね!
けどもうそろそろ俺の愛も爆発しそうだし、気づいて欲しいんだよね。
だから俺はあることを実行することにした。
その名も、嫉妬大作戦!
俺があっちゃんとめっちゃイチャイチャ楽しそうにして、ゆうたに嫉妬させて、俺が最終的にゆうたに気持ちを伝えるってやり方だ。
まぁ普通に俺から告ったらいい話なんだけど…やっぱりクリエイターだからさ。つまりこれはゆうたを振り向かせるためにするってわけ。
それにゆうたが嫉妬してる姿も見たいし。
ゆうたの嫉妬している姿を妄想しては、自然と口角が上がる。
あぁ、 楽しみだな…
「いいじゃん笑俺あっちゃんのことめっちゃ好きなんだもん笑」
そう言ってあっちゃんに抱きつく。
ちらっと横目でゆうたの方を見ると寂しそうな顔をして泣きそうになっていた。その後席を立って部屋を出ていく。
俺は誰も見たことないような悪い笑みを浮かべ、その時のゆうたの顔を何度も思い出していた…
ゆうた
「ゆうた元気なくね?ちょっと休憩するか」
さっきの俺の溜息を聞き逃さなかったひゅうがが言う。ひゅうがって優しいよね。
俺はこくっと頷いてパソコンから目を離す。ひゅうがは俺の目を見て優しく微笑んでから水を渡してくれた。ありがととお礼を言ってからペットボトルに口をつける。思っていたよりも喉が渇いていたらしく喉を通っていく水がとても美味しく感じた。
半分くらい飲んでキャップをしめる。
めっちゃ飲んだな笑
なんて笑うひゅうがに俺も自然と顔がゆるんだ。
「やっと笑った」
そう明るく言ったひゅうがに今ならなんでも言えそうな気がして、気づけばポツポツと話し出していた。
「ーーーーー でさ、俺やまとのこと好きなんだなって気づいたんだよね。でも、俺ってあっちゃんみたいに可愛げないしさ…」
俺がゆっくりと喋ってる間ひゅうがは頷いて真剣に聞いてくれていた。ほんとに良い奴。
「それにさ、そもそも俺男だしっ…やまとは友達と話してるだけなのに嫉妬なんかしちゃってるし…。やまとが俺を好きになってくれることなんて、」
自分で話しながら悲しみが込み上げてきて涙が頬を伝う。
「あ、ごめっ…」
ふと我に返って袖で拭こうとしたときに、急に腕を掴まれ遮られる。
びっくりして顔を上げると思ったより近くにひゅうがの顔があり、 後ろに下がろうとするももう片方の腕が俺の頭の後ろにまわされ身動きが取れない。
自然とひゅうがと見つめ合う感じになりそのまま流れるように唇と唇が重なった。エロくもなんともないほんとに触れただけのキスだった。
ほんの一瞬の出来事のはずなのに俺には随分長く感じた。
あまりに急だったので俺の頭が整理できずに何も言えないでいるとひゅうがが少し離れて言う。
「ゆうたの気持ちはよくわかった。けど俺さ、今のゆうたの話聞いて目覚めたわ。俺ゆうたのことが好き。大好き。だからやまとのことを考えて泣いてんのくっそ嫉妬したしムカついた。」
まだ止まることを知らない俺の涙を拭いながらはっきりと言った。
やまと
「はい、では、よろしくお願いします」
ピッ
やばいな。結構仕事の電話に時間がかかってしまった。きっとゆうたは編集部屋に行っただろう。でもそこにはゆうたのことが好きなひゅうがもいる。嫌な予感が当たっている気がして急いでリビングを飛び出した。
編集部屋の近くにつくと2人の話し声が聞こえた。編集部屋の外で静かに様子を伺う。ふたりの会話や、ひゅうががゆうたに優しく接する姿を見て胸が痛くなった。自分があっちゃんとイチャイチャしていたのはゆうたの気持ちを引き出すためだったはずなのに、今はその逆の効果を生んでしまっているのではないかと不安になる。
ゆうたの涙を見て自分がどれだけゆうたを大切に思っているか再認識した。
今すぐにでも中に入ってゆうたを抱きしめたい衝動に駆られるが、ひゅうがの側にいるゆうたを見ているとどう動いていいかわからなかった。
やまとは思いを巡らせながら、一つ決心をする。ゆうたの気持ちを本気で知りたい。そして、自分の気持ちを素直に伝えなければいけないと。
ひゅうがはゆうたの涙を見てもう一度キスをしていいか尋ねた。ひゅうがの目には真剣さが宿っていた。
その瞬間ゆうたは戸惑いながらも静かに頷こうとしたが、突然やまとが部屋に飛び込んできた。
「待って!」と、声を上げやまとは二人の間に立ち塞がる。ひゅうがも驚き、ゆうたも思わず目を見開いた。やまとは息を整え、ゆうたを見つめながら言った。
「ゆうた、俺の気持ちをちゃんと伝えたいんだ。あっちゃんとのことは、ゆうたを振り向かせたくてやってた。」
その言葉に、ゆうたは驚きと戸惑いを隠せなかった。一方、ひゅうがは状況を理解し、微妙な空気が漂う中、静かにその場を譲ることにした。
やまとは続ける。
「俺は、ゆうたのことが好きだ。」
その瞬間、ゆうたの心は大きく揺れ動き、涙が再び目に浮かんだ。
ゆうたは深呼吸し、やまとの目をじっと見つめた。
心の中で何度も繰り返していた言葉を、ようやく口にする決意を固めた。
「やまと、俺も…やまとのことが好きだよ。あっちゃんとのことを見て、嫉妬する自分に驚いた。ずっと心のどこかで、やまとが好きだって気付いてたけど、認めるのが怖かった。」
やまとの表情は、驚きから喜びへと変わる。ゆうたの言葉が彼の心に響き、思わず笑みがこぼれた。
「俺もゆうたのことをずっと想ってた。だから、あっちゃんとのことは、ゆうたを意識させたくてやってたんだ。」
ゆうたは少し安心し、続けた。
「別に、そんな事しなくても惚れてるのに。」
ぼそっと呟いた言葉はえ?なんて?と言ったやまとには聞こえておらず、何もないと俺が答えたことによって誰にも届かない言葉になったけど。
「ゆうた、」
「ん、?」
ちゅ
振り向くと顎くいをされ、口を塞がれる。ひゅうがみたいに優しいキスではなく、長くて濃厚なエロいキスだ。息をするのに必死なって自然と息遣いが荒くなる。「ゆうた、鼻で息して」やまとがそう呟いた瞬間にゆうたの口内にやまとの舌が入ってきた。逃げても絡めとられるので応えるのに精一杯になり、苦しくなりやまとの背中をばんばんと叩く。しばらくしてやっと唇が離れたと思うとやまととゆうたの繋がった唾液が糸を引いていた。
「やまと…急すぎ//」
まだ少し息遣いが荒いゆうたを見ながらやまとは言う。
「だってさっきひゅうがとキスしてたから…俺で上書きしたいと思って」
少し目を細めゆうたを見つめる。ゆうたとパチリと目が合うとゆうた照れたように下を向いた。ほんとに可愛い。
「ゆうた大好きだよ。俺と付き合ってください。」
ゆうたの肩を掴んで真剣に言う。
ゆうたも「お願いします」と幸せそうに笑った。
〜完〜
おまけ
ひゅうが
ゆうたとやまとが付き合い始めた。イコール俺の恋が終わった瞬間だった。でもゆうたが幸せならそれでいいと思った。だから、
「やまと、絶対ゆうたのこと幸せにしろよ」
「当たり前!世界一幸せにできる自信あるもん」
「言ったな?もし次ゆうたが泣くようなことがあれば俺が貰うから」
こんくらいの脅しは許して欲しい。
ゆうた、やまとおめでとう。
あむぎり
やまととゆうたが付き合ったらしい!おめでとう!ひゅうがいわく俺も恋のキューピットというか、使われていたらしい。でもほんとにおめでたいことだよね!!2人ともおめでとう!
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