🌷夜の幻聴「お前は何も頑張っていないじゃないか」「あの精神科医に話したところで何も変わらない」「黙っていろ」明日は休日で心地良い眠りが訪れることを期待してベッドに入ったティアだったが、幻聴が頭の中で響く。(そうよ、わたしは頑張れない、みんなとは違う、楽しいことが一番好きなの)ティアは、両親という強い光に守られて何不自由なく暮らしてきた。しかし、それは光でしかなかったのだ。ティアが望んでいる自由奔放な心の解放ではない。神殿で働く両親に守られ、豊かな光の国の中でも恵まれている。だからこれ以上何を望むというのか?けれど、ティアの望む自由はなかった。いつだって礼儀正しく、お行儀良くしていないと注意される。そして、光の力とは、使い方によっては闇の力にもなる。光の国の発展のためにも、国民は抑制力を磨き、闇の力を抑制することで、光の国の豊かさを維持するように教育されてきたのだ。「お前は失敗作だ、抑制力を使いこなせていない」「子供の頃は遊んでばかり」「そのツケが大人になって回ってきたのだ」「だからわたしはお前を否定する」「お前の光が弱いからだ」幻聴の言葉。(抑制力でコントロールできなかった力、それが幻聴なの?)ティアは、目を閉じて眠ろうとしながらも思った。
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