母さんに、父さんに、ばあちゃんにもじいちゃんにも、親友にも
皆俺を置いて行った
戦争は人の命をひたすらに奪う、俺はその事をこの身をもって知っている。だった俺の周りの人は何人死んだんだ、、、
「総員に告ぐ」
「貴様らの命に変えようとこの船と国を死守せよ」
こんな船と国壊れようと知った事か、でも彼女の為だ、この船が沈めば彼女も死ぬそれは嫌だ、俺は自分の志しの為に戦う、国が彼女を殺そうとするのならば
俺は喜んで国を殺す
こんな醜い恋心を持って俺は戦場へ足を進める、人を殺す、誰も決して信じず、愛さず、気を許さない、そうやって俺は自分だけ守って生きてきた、ここまで来たんだ、だったらもう他人なんて気にしてられない
鳴り響く銃声あの時と同じ
戻ってきたこの戦場に、でも今までとは違う、俺は中将だこの国を守りきる、俺の大切なものの為に
パァン
また一人殺した
ドンッ
また手袋に赤い染みが増えた
ザシュン
また一つ足を切った
また一つまた一つと俺の手が染まっていく
何時からだろう、人を殺すのに躊躇しなくなったのは
躊躇しない分銃よりナイフの方が殺りやすかった、俺は特攻兵として名を挙げた
何日も何ヶ月も人を殺した
気付けば俺は大将になっていた
今のこの国は敵を殺すことが全てだ、俺は彼女を守りたいだけなのに、この歪んだ愛を突き通すために人を殺してるだけなのになんでそんなものが評価されるのだろう
あの後も何回も手当してもらったがその度彼女は優しかった、その優しさが俺を癒した、大切な人が出来たのは久しぶりだ
大切な彼女の為だと言い聞かせれば殺す事なんて苦じゃなかった、、、
そう苦じゃなかった、、、
その時俺は気付いた
俺が殺したのは
俺は久しぶりに軍母に帰ってこれた
ベットで寝るのはいつぶりだろう、目を閉じる
俺は直ぐに眠りに落ちた
俺は昔の夢を見た、母さんが俺を見送っている、多分学校に行く所だろう、また会いたい死んじゃったけど、父さんも母さんも俺が子供の頃の知り合いはみんな死んだ、夢の中だけでも会えるのは嬉しかった、お願いだから消えないで
目が覚めた
俺の目の前には彼女の姿があった、何故か泣いている、よく見たら自分も泣いていた。
彼女になぜ泣いているのか聞いてみると俺は3日目を覚まさなかったらしい、そんな長い時間夢を見ていた気がしない、でも現実はそうらしい。
彼女は泣き終えた後こんな事を言った
「生きてて良かった」
まただ、何がいいんだこんな生の
皆皆皆可笑しい、でも可笑しいのは俺だ
「ねぇ」
「どうした如月?」
「君にとって生きるって良いこと?」
とうとう聞いてしまった積年の謎、彼女は呆れた表情で言う
「またこの質問かい?」
「簡単だよ」
「それの判断を付けるのが人生だ」
「違う?」
、、、分からない
その判断を付ける?だったらもう答えは出てる、良くない事だ
少なくても俺にとっては
「分からないな」
「俺はこの見た目の割に歳を食ってるけど大切な人が次々死んでいくんだ、こんな人生でいい人生って言う方が難しい」
「だろ?」
やっぱり彼女は不思議だ
いつも俺の本音を引き出してくれる
「じゃあ」
彼女は口を開く
「私があんたの大切な人になってやるよ」
言ってくれた力強い一言
俺はずっと言いたかったんだ、もっと早く言うべきだったんだ
「いや」
「好きだ桔梗、君のことが」
「えっ///急何言ってるんだよ如月!」
「君が言ってくれたんじゃないか、俺の大切な人になってやるって」
今言わないと、彼女はいつ消えてしまってもおかしくなんてないんだから
「待て待て待て!」
「それって私と如月が恋人って、、、こと?」
「違う」
遮ってしまったでも続ける
「俺はただ想いを伝えただけだ」
「生きて尚この医務室以外で会えた時俺はもう一度思いを伝える」
「その時はどうか俺の手取ってくれ」
彼女は笑った、俺の大好きな笑顔で
「えぇきっと」
俺はまた医務室を出た
船板に戻って他の兵士達に、三日寝てたと伝えると皆驚いた後納得していた。
俺はよく覚えて居なかったが、3ヶ月間不眠不休だったらしい、普通なら死ぬレベルだ、みんな苦笑していた。
この戦場に戻ってきたということはまた殺さなくてはならない、今じゃ大将だ後輩も増えたつまり守るものが増えたんだ。
兵士のひとりがつぶやく
「何時までこんな答えの無い争いに巻き込まれないといけないんだ」
もう1人の兵士が返す
「そんなの誰にもわかんないよ」
確か大分昔の歌にそんな歌詞があったと思う、確か題名は、、、
「命令!命令!」
「基地空母に敵国の爆弾発見」
「直ちに対処せよ」
は?
基地空母に爆弾?
「桔梗ッ!」
俺は走り出した、脳裏には最悪の想像が頭をよぎった、桔梗が爆発に巻き込まれたら、桔梗が死んでしまったら、また俺の大切な人がまた居なくなってしまったら
「桔梗ッ」
俺は医務室に飛び込んだ、そこに彼女の姿は無い、どこだどこに行ったんだ
ドンッ
ここにもいない
ガチャッ
ここにも
ピシャンッ
ここにも
「どこだ桔梗!」
居た
広い和室の中青ざめた桔梗と、敵兵の死体があった
「如、、月」
「桔梗ッ!大丈夫か!?」
「私は大丈夫!」
「でもこの人がッ」
「ちょっと手借りるぞ」
脈がない、体温も低い死んでる、向いにいる桔梗になんて言えばいいk
そこに居たのは桔梗とあと一人ナイフを振り翳した敵軍の兵士だった
俺は桔梗を突き飛ばした
(嗚呼これで桔梗は助かる)
桔梗そんな心配そうな顔でこっちを見ないでくれ
大丈夫だって
しにたい
きえたい
おわらせたい
あいたい
何度願っただろう、でも死ねない、だったらこのクソ長い人生今からでも好きに生きてやる
ドシャン
「お前、桔梗に何をする」
目の前には怯えきった敵兵
でも気にしない
俺は胸ぐらを掴む
「何をするって聞いてんだよ」
「ひぃッ」
「たすけッ」
ザシュンッ
俺はまたあの時の殺人特攻兵の顔に戻った、そして青ざめた桔梗を置いて甲板へ走る
俺は狂った
敵兵を撃って刺して殺した
殺している時昔のことを思い出した
俺の産まれは至って普通
普通の家に生まれて、普通に育てられて、そして当たり前のように戦争に行かされた、その時の親の言葉は絶対忘れるはずがない、だってこんなことを言ったんだ
その時だ多分俺の心が壊れたのは、だから俺は日本国軍の不老不死作戦に参加した。
目の前でたくさんの仲間が死んだ
壊れて砕けた心の破片がさらにすり潰される気分だった。100人近くが参加していたが、生きた成功品は俺だけだった。
この実験の後俺は少将として戦場に派遣された
そして俺は何年何十年何百年と戦ってきた、友人だってできる度に死んで言った。
そして殺す、もっともっと桔梗を危険に晒した奴らなんて滅んで仕舞えb
「悠陽!」
ギュ
「桔、、梗」
離せ、俺はもう人として生きれない、離してくれ
「悠陽もう楽にしてやる」
ギュゥ
「大好き」
その言葉で俺の中の何かが解けた気がした、そして俺の目から涙が溢れた
「もう一人で戦わせたりしない」
ドンッ
そして桔梗は俺を押した、海の中へと
嗚呼昔見た夢、200年以上前だけど、
こんな形で叶うなんて、しかも独りじゃない
でも
なんで君まで来るんだ桔梗
「悠陽大好きだよ、ずっとずっと」
「、、、僕もだよ」
「ごめんなあの約束果たせなくて」
「いいよ来世ではきっと果たしてね」
ジャボン
沈む、沈む海の底へ
青を見た、戦争の最中
綺麗な桔梗色の海、立ち上る泡の中
嗚呼やっぱり俺は
終
コメント
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ちょっと待って、文才があり過ぎるホントに鳥肌なんでこんな人を速く見つけれなかったのだろうか、
続きが楽しみです