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#prtg
@ きみ以外なんて選ばないよ
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それはきっと、敦の底知れない優しさや深い愛情が部屋中に溢れていて
それが僕の強い罪悪感を、跡形もなく綺麗に溶かしてくれたからかもしれない。
「…っ、うぅ、しゅ、ん…は、なんで、そんなに優しくしてくれるの…っ。僕、何も返せないのに……」
涙声で尋ねると、敦は僕の頭を優しく撫でながら笑顔を見せた。
「…ひろが優しい子だから、俺も優しくしたくなるんだよ」
敦が微笑みながら言ったその言葉に
冷え切っていた体の芯から、じわじわと温まるような気持ちになる。
「ひろだってさ、普段俺が失敗したくらいで怒鳴り散らすような横暴な態度取る男だったら、感じ悪いしムカつくでしょ?」
「そ、そう?怒らせちゃったら悲しいけど…しゅんのお仕事大変だし、疲れてるのかなって僕にできること探すよ…?」
僕は本気でそう答える。
敦のためなら、何だってしたい。
「でも、ひろのこと泣かせるような男じゃ嫌でしょ?」
「い、いやだけど、しゅんはそんな事絶対にしないと思うし…!もし万が一、しゅんが仕事で疲れちゃって、僕に当たりたくなっても、僕は全部受け止めるし……ずっと好きな自信あるよ…?」
僕の精一杯の愛の告白。
しかし、敦は少し呆れたように苦笑いした。
「ちょ、その発言はさすがに心配になるからね…?もっと自分大事にして?」
「?うん?ぼく、おかしなこと言った……?」
「ううん。まあ…話逸れたけど、俺がなにを言いたかったかって言うと…ひろにひとつだけ約束をして欲しいんだ」
「約束…?」
敦の真剣な眼差しに、僕は背筋を伸ばす。
「次はね、何か失敗したら『怒られる』って怯える前に『敦なら一緒に何とかしてくれる』って考えてほしいんだ」
敦の言葉は、硬く閉ざされていた僕の心にじわじわと染み込んでいく。
それは、ただ罪を許すだけでなく
失敗=終わりという僕の狭い視野を広くして
他にもたくさんの選択肢があるんだよと、優しく手を引いて教えてくれるようだった。
言葉では言い表せないほどの感謝の気持ちで、胸がいっぱいになる。
「俺としては「恋人」ってさ、どっちかが失敗しても『じゃあ次はどうしよっか』って笑顔で相談し合える相手だと思うんだよね」
「ほら、なにもかも完璧な人間なんていないじゃん?」
「うん…」
「だから、ひろが失敗しても、俺が全部カバーするし」
敦は最後に、悪戯っぽくくしゃっと笑った。
「だから、今日の反省会はこれでおしまい!買ってきたケーキ、一緒に食べよ?」
「う、うん…っ、食べる…!」
涙を拭い、今度は僕も心からの笑顔を見せる。
それから、僕達はリビングのテーブルに移動して
敦が買ってきてくれた特別なケーキを箱から出し、並んで一緒に食べた。
綺麗に拭き上げたテーブルの上で食べるケーキは
罪責感なんて忘れてしまうくらい甘くて、とても温かい味がした。
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