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#御曹司
鷹槻れん

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#極道
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「き、気になりますっ」
勢い込んで答えながら眉根を寄せたら、「貴女に僕の所有印をつけておこうと思いましてね」と何でもないことのようにおっしゃった。
「しょゆう、いん?」
何のことだろう?
修太郎さんの言葉の意味がよく分からなくて繰り返したら、「着きましたよ」と言われた。
見ると、いつの間にか車はショッピングモールの駐車場に入っていた。
「このモールにはいくつかのジュエリーショップが入っていましてね」
助手席側のドアを開け、私の手を取って車から降ろしてくださいながら、修太郎さんが何でもないことのようにニコッと笑う。
「ジュエリー、ショップ?」
きょとんとした顔で修太郎さんの言葉を繰り返すと、繋いだ左手を不意に眼前へ引き上げられた。
そうして私から視線を逸らさないまま、修太郎さんが薬指にチュッと口付けをくださるの。
「ここにね、藤原日織は塚田修太郎のフィアンセですって印を付けたいんですよ、僕は」
言われて、修太郎さんが先程おっしゃった、「所有印」の意味が分かった私は、一気に頬が上気するのを感じた。
「あ、でも……そんなっ、あのっ」
貴金属はとにかくお値段が張るというイメージがありますっ。
そんな高価なものを修太郎さんに買っていただくなんてっ。
嬉しいくせに、そんなことを考えて尻込みしてしまう私を、修太郎さんがギュッと腕の中にとじこめるように抱きしめていらした。
私は修太郎さんのシプレ系の香りに優しく包み込まれる。
「日織さんに指輪を贈るのは僕の積年の夢なんです。だから日織さん。どうか、何も言わずに僕に印を付けさせて?」
耳元に熱い吐息を吹き込まれるように、熱をはらんだ修太郎さんの低くて甘い声が忍び入ってくる。
私はその声だけで足に力が入らなくなってしまって、修太郎さんにギュッとしがみついた。
「修、太郎さん……」
熱に浮かされたように修太郎さんのお名前を口にして彼のお顔を見上げたら、そっと唇を塞がれる。
ショッピングモールの立体駐車場。
薄暗い駐車場内の、しかも車の影とはいえ、どこに人目があるかもしれないのに。
頭ではそんなこと分かっているはずなのに、私には修太郎さんしか見えなくなっていて……差し入れられた舌をいとも容易く甘受してしまう。
それどころか、もっとその先が欲しくなってしまって……。
「ふぁ、しゅ、たろ、さ……、ん」
それなのに。
思いのほかあっさりと離れていく修太郎さんの唇を、名残惜しそうに追いすがって背伸びしかけてから、私は足に力が入らなくて我にかえった。
それと同時に、自分が今しようとしていたことに驚いてハッとする。
「日織さん、この続きは落ち着いた場所でまた後日、ゆっくりと……にしましょう」
修太郎さんが少し私から視線を逸らすようにしてぽつんとつぶやかれたのを見て、私はどうしても確認したくなってしまった。
「あ、あのっ、修太郎さん……!」
私は恐る恐る修太郎さんを見上げる。
「なんでしょう?」
修太郎さんが冷静な声でそう聞き返していらしたのが何だか悲しくて、未だ熱っぽく潤んだままの私は一人取り残されたような気持ちになった。
「私、今、もっと、って思ってしまいました……。もっと修太郎さんと、その……キ、キス、したいなって。修太郎さんも……少しは……その、同じように、思ってくださったり……なさいましたか?」
真っ赤になりながら、それでもどうしてもお聞きしたい、と思ってしまったのです。
余りにもあっさりと修太郎さんに唇を離されてしまったことが寂しくて……。
もっと、と思ってしまったのは私だけでしょうか?って。
すぐ前に立っていらっしゃる修太郎さんの作業服の裾をちょん、とつまんで……どうしてもそれだけはお応えいただきたいのです、と意思表示をしたら、ややして、
「日織さん、それ、本気でおっしゃってますか?」
修太郎さんがギュッと私を抱きしめると、大きく息を吐きながら少し怒ったような声音でそう問いかけていらした。
その声に驚いて身じろぐと、修太郎さんが許さない、とでも言うように腕に力を込めていらっしゃる。
それは、少し苦しいくらいに強い力だった。
「――大好きな日織さんが僕を求めてくださっているのが分かっていて……それ以上を望みたいと……この僕が思わないわけがないでしょう?」
それでも、今日は絶対に指輪を買うのだ、と心に決めてきたのだ。
だから理性を総動員して我慢しているんです。
お願いですから決意を揺るがせないでください、と懇願するように、修太郎さんが私を熱っぽく見つめていらっしゃった。
コメント
2件
修太郎さんのひおりちゃん好き好きな感じ、ホントたまらない!
鷹槻れんさん、こんばんは、みぅです🤍 今回のエピソード、もうドキドキが止まらなかったです…!「所有印」って言葉から始まる甘さと、駐車場でのあのやりとり…修太郎さんの「理性を総動員して我慢している」って台詞、めちゃくちゃ刺さりました。日織ちゃんがもっとを求めてしまう気持ちもすごく分かるし、でもそれをグッとこらえる修太郎さんの大人の余裕と執着のバランスが絶妙で…💘 指輪を買いに行く展開、続きが本当に気になります!素敵な作品をありがとうございます🌙