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人間は長い年月をかけ成長し老いて死ぬそしてまた新たな人間が生み出されの繰り返しだ。

人は産まれてくる意味なんてあるのだろうか。

漫画などにでてくる転生や生まれ変わりなどがあれば死んでもまた生きることができる。だか、そんな御伽噺みたいな話はこの世に存在しない。

人は死んだら一度で終わりだ。

やり直すこともできないし。もう一度楽しい思い出を作ることもできない。

ならば生まれてこなければよかった。

この肉体が動く感覚や感情を知りたくなかった。

どうして俺なんだろう。

伊達眼鏡をかけたら、人と俺の間に分厚いレンズがあり少し怖くなくなる。

ワイヤレスイヤホンを両耳につけたら周りの話し声、物音、雑音が遠く聞こえる。

目を瞑ると全てが混じった音が聞こえ、周りの人間の視線が背中に集まってるように感じる。ずっとゾワゾワとする背中が気持ち悪い。

どうしてこんな人間になってしまったのだろう。

昔は…。 昔? 昔って…?

_____昔の俺って…どんな人間だった?

思い出せない。

なんでだろう思い出そうとすると目眩や吐き気、頭痛が襲ってくる。

多分思い出したくないと体が言っているのだろう。

まぁ思い出したところで何もかわらない。

もう遅い…。

ずっとそんなことを考えながら大学に向かって歩く。

俺は今親戚の家に住まわせてもらっている。親戚の話によると 俺の両親は交通事故で亡くなったらしい。俺は小学生だったらしいので覚えていないと言っていた。

写真も1枚も無いし記憶も残っていないのでいい思い出も少なかったのだろう。

いつからだろう。自分の感情が押しつぶされ薄れていったのは。

人の表情を読み取り、人を選んで顔を変えて、どれが本当の自分なのかわからなくなってきた。そんな自分に吐き気がした。

何故俺は自分を隠していたのだろう。今となれば疑問が湧いてくる。昔の俺に何があって今の俺になってしまったのだろう。

また頭痛が襲ってきた。

考えたくないのに考えてしまう。思い出しても意味ないのに何故か思い出そうとしてしまう。

そうこう考えているうちに大学に着いた。

なんでだろう。目を瞑っていないのに俺の背中に、視線が集まってゾワゾワしている。

気持ち悪い。

歩くペースを上げて逃げるよう大学に向かった。

ただ俺は生まれ、成長し、あとは死ぬのを待つだけ。

“死にたい”

死ねるのに、何故か怖い。

怖い、?

生きている今が一番怖いはずなのに。死んだ方がマシなのに…。

死ぬ手段なんていくつもある。

毒死、首吊り、窒息死など、できるはず

なのにこの肉体が動かない。高校2年の時自殺をしようと俺は思っていたのにこの憎らしい体が動かなかった。

いつも俺の体は俺を生きさせようとする。

なんて残酷な体を持ってしまったのだろう。

_ねぇ君。今暇?

突然後ろから声をかけられ反射的に振り向いてしまう。

誰こいつ…。男か?いや違う体型的に女か。

女が俺に何の用だ?

「誰だ?」

「僕はゆきだよ!よろしくっ!」

空元気で、偽笑顔を振りまいていそうなタイプだ。

俺には関係ないけど

「こんにちは〜!俺は…ラン!よろしくね」

俺はいつも顔、性格、表情、表現そして偽名を使って人間と話している。

だから、本当の自分はこの世にいない。

本当の自分が作った人間を俺はいつも演技している。

「…っ。  うん。!」

一瞬顔が曇った気がするがどうでもいい。

「それより、どうしたの?」

「あっ…いやっ。仲良くなりたいなって思って話しかけちゃった!」

仲良く、?孤独の俺をみて同情しているだけの人間か。とてもいらない正義感だ。

どうせお前も他の人間共と一緒。たまたま目に入り、変な同情で話しかけに来るクズどもとな。

そんな気持ち悪い正義感俺は嫌いだ。

俺は”ありがとう”とだけ伝え早歩きでその場から逃げた。

俺は自分を隠すとすぐ逃げる。隠すくせに逃げてしまう。

俺は弱い人間だ。

周りからの視線や音からも逃げて、辛い思いをしている人から憎まれるだろうな。

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