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kurara
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かめちょん
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#ご本人様とは一切関係ありません
kua
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朝。
村に鐘の音が響いた。
からん、からん、と穏やかな音。
「おーい!!」
「今日は収穫祭だぞー!!」
村人たちの声が飛び交う。
縁側で寝ていた元貴は、うっすら目を開けた。
「……収穫祭?」
「起きろぐーたら桃太郎」
滉斗が足でつついてくる。
「いたい」
「起きろ」
「眠い」
「涼架もう手伝ってるぞ」
がばっ。
「行く」
「現金すぎるだろ」
元貴は髪も整えずに飛び出した。
村の広場では、すでに準備が始まっていた。
野菜。
米俵。
色とりどりの飾り付け。
子どもたちの笑い声。
そしてその中心に、 真紅がひとり。
涼架がいた。
「こっち運べばいいの?」
「はい! ありがとうございます!」
大きな米俵を軽々持ち上げている。
村人たちがざわついていた。
「すごい力だ……」
「さすが守護神様……」
「綺麗……」
元貴の顔が曇る。
「……また見てる」
「始まった始まった」
滉斗が笑う。
涼架は元貴に気づくと、ふわっと笑った。
「あ、元貴」
「おはよ」
「遅い」
「ごめん」
「もう始まってるよ」
怒っているようで、全然怒っていない。
むしろちょっと嬉しそうだった。
その時。
「涼架さまー!」
子どもたちが駆け寄ってくる。
「これ高くにつけたい!」
「ん?」
「飾り!」
見れば、かなり高い位置に縄飾りをつけたいらしい。
「なるほど」
涼架はひょい、と宙に浮いた。
だが。
ふらっ。
「……っ」
身体が少し揺れる。
元貴が即座に腕を掴んだ。
「危な」
「…ごめん…久しぶりに飛んだからさぁ」
すっごい軽いなぁ。
たぶん俺より軽い。
俺より身長大きいのに。
華奢な身体が腕の中に収まる。
「…………」
「元貴?」
「軽すぎ」
「なんで急に」
「ちゃんと食べてる?」
「食べてるよ」
「絶対足りてない」
「失礼だなぁ!?」
滉斗が後ろで笑いを堪えていた。
「保護者かお前」
「涼ちゃん細いから心配」
「子ども扱いしないで」
「でも危なかった」
元貴がじっと見る。
その視線に、涼架は少し気まずそうに目を逸らした。
「……高いところあんまり得意じゃないんだよね」
「え?」
「……落ちそうでね」
町を消せる。
山を斬れる。
なのに。
「高いとこ怖いの」
「……うるさい」
「かわい」
「最近全部それじゃん!?」
耳まで赤くなる。
子どもたちがきゃははと笑った。
「元貴にーちゃんまた言ってるー!」
「毎日言ってる!」
「うるさい」
しかし。
その後も事件は続いた。
「涼架さま! これ切ってください!」
「いいよー」
指でひょいっとして 野菜を切る。
すぱん。
まな板ごと切れた。
「…………」
「…………」
「あ」
村人たちが静まり返る。
綺麗に切断された台。
涼架は固まった。
「……ごめん」
元貴が吹き出した。
「ふ、っ……」
「笑わないで!」
「いや無理」
「加減したんだって!」
「してそれ!?」
滉斗が腹抱えて笑い始める。
「規模がおかしいんだよ!」
収穫祭は終始そんな感じだった。
涼架が何かするたび、
「守護神様すごい!」
「綺麗!」
「ありがたや!」
と周囲が騒ぎ。
元貴が不機嫌になり。
滉斗が笑う。
完全にいつもの流れである。
夕方。
祭りも終わりに近づいていた。
村人たちは楽しそうに笑っている。
子どもたちは滉斗に群がっていた。
「犬なってー!」
「次猿ー!」
「雉も!」
「ちょっとまて、順番!!」
滉斗が悲鳴を上げる。
その光景を見て、涼架はくすりと笑った。
「賑やかだね」
「好き?」
元貴が隣に座る。
涼架は少しだけ目を細めた。
「……うん」
柔らかい声だった。
「最初はちょっと怖かったんだ」
「村?」
「そう。鬼だから」
夕陽が赤髪を照らす。
「でも」
涼架は広場を見つめた。
笑う村人たち。
走る子どもたち。
温かな光景。
「今は、好き」
元貴は少し黙って。
それから、ふっと笑った。
「そっか」
「……なに」
「いや」
元貴は頬杖をつく。
「涼ちゃんが嬉しそうで良かった」
涼架が目を丸くする。
それから。
ふわ、と柔らかく笑った。
その笑顔が綺麗すぎて。
元貴は今日何回目かわからないくらい、また見惚れていた。
コメント
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庵野さん、第5話「収穫祭」、読み終えました〜! 収穫祭の温かい空気の中で、凉架が村に馴染んでいく様子がとても愛おしかったです。特に「高いとこ怖いの」って打ち明けるシーン、あの強さとのギャップに胸がぎゅっとなりました。それに対する元貴の「かわい」がもう毎回恒芸になってて笑っちゃいますね(笑)まな板ごと切っちゃう加減のできなさも、凉架らしくて好きです。 夕陽の下で「今は好き」って言えた凉架の成長と、それを見て「良かった」と微笑む元貴。二人の距離がじんわり縮まっていく感じが本当に素敵でした。次の話が気になります〜!