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落としてしまった資料を拾い終え、mzrさんと別れた。
そのまま私は、人外がいる牢屋の方へ行く。
少し、お話してみたい人がいる。
ちょっとした興味本位なんだけど。
そう思いながら光が少なく薄暗い廊下を歩いていく。
しばらく歩くと、牢屋に着いた。
そこには、十数個の部屋がずらりと並んでいた。
その十個ぐらいは人影─人外が見える。
私はその中の一番奥の部屋に歩み寄る。
「rir-さん。」
部屋の隅でゲーム機をいじっている人に声を掛ける。
この人はrir-さん。
過去に人間のふりしてたくさんの人間を騙してきた人外の方。
それだけ騙してたんだから、今は牢屋に入れられている。
rir-「なんですか。ゲーム中なんですけど。」
相変わらず冷たく返ってくる。
今の私は人外だけど、rir-さんから見れば私は人間のはずですしね。
当然と言えば、当然。
「すんませんねぇ。でも今日は大事な話があって。」
rir-「大事な話…?」
rir-さんは不思議そうに顔を上げてくれた。
rir-さんが私の話に聞き入ってくれるなんて…珍しい。
その様子に少し驚きつつ、声をひそめて話を始める。
「私、“人外になった”んですよね」
rir-「へぇーそうなんですね!……………………って、は!?」
驚きから覚醒したらしいrir-さんが檻に向かって前のめりになって、ガシッと掴んだ。
突然のことで内心超ビビったけど、そうなんだ!と反応されたときよりどこか安心する。
rir-「何いってんですか…狩人さんが人外になるなんてありえないじゃないですか…?」
rir-さんはそう言った後もボソボソとありえないありえないと呟いている。
まぁ、ですよね笑
「なら能力見せてやっても構いませんよ?」
rir-「ほんとなんですか?ちなみになんの能力……」
「時空を操る能力ですね」
rir-「そっかぁ〜〜〜嘘臭ぁ…」
rir-さんが信じらんないという顔で室内にバタリと倒れ込んだ。
はぁ、もう発動しちゃうしかなそう…
そう心の中で諦めをつけ、軽く念じ込める。
今回は小さく目の前が青くしゅんと光る。
これは、特定の1人だけ時を止める能力。
昨日mmさんに教えてもらったもの。
1人分だということだけ合って、静かで光も少ない。
これだけ小さい光じゃ周りにはバレないだろう。そう思ってこの能力にした。
「ほら、rir-さん?ほんとですよ」
私は自慢げに微笑む。
けどrir-さんから返答はない。
あ……rir-さんの時止めてたんでしたね、笑
能力が解かれるまでしばらく待ってみる。
rir-「ちょっと!?htmnさん…ほんとだったんだ?」
ボーとしてたら、能力が解けたらしいrir-さんが再び檻に飛びつく。
相変わらずですわねぇ〜〜()
「さっきから言ってましたよ?」
rir-「いや狩人の幹部の方に言われても信じるわけないじゃないですか。」
確かにそうなんですけどね。
逆に信じろ!!!っていう方が無理あるか…。
心の中で納得してると、rir-さんが呆れたように目を細め言ってきた。
rir-「で?それを私に言ってどうするんですか?」
そう、それを待ってた。
「少し、協力してくれません?」
私は軽く口角を上げ、rir-さんに手を差し伸べる。
まぁ檻があって、手を握ることはできないんですけど〜笑
rir-「まぁ、いいですよ?私にってことは電気関連ですね。」
rir-さんは楽しそうな顔をして、微笑んだ。その笑顔に胸が熱くなる。
よし、新たな作戦、実行しますよ。
そう心の中で決心した。