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それにようやく気付いた実篤が、やっとくるみの唇を解放してやる。
「ごめん、くるみちゃん。俺、ホンマゆとりがない……っ」
だが、ごめん、と謝りながらもやめるつもりはさらさらない。
と言うより実篤自身にもコントロールが出来なくなっていると言った方が正しいかもしれない。
固く張り詰めた下腹部が、ズキズキと痛いくらいに『くるみの中に挿入りたい』と訴えているのだから。
今や、雄の本能に突き動かされるまま、くるみを組み敷いている実篤だ。
「実、篤しゃ……、苦しぃん?」
まだ酒が抜けきっていないくるみが、トロンとした表情で食い入るように彼女を見下ろす実篤を見上げてきて。
恐る恐る伸ばされた手が、気遣うように実篤の頬に触れた。
息がうまく出来なかったことで呼吸が乱れ、忙しなく上下するくるみの胸を手のひらの下に感じて、実篤は優しくしたいのにその柔肉をギュッと力任せに掴んでしまいたい衝動に駆られる。
それを必死に抑えながら、「くるみちゃん、下、触ってもいい?」と問いかけたら、ポヤンとした瞳で「した?」と繰り返された。
きっとくるみにはいま自分が発した言葉の意味が、半分も伝わっていない。
そう判断した実篤は、くるみの首筋に口づけを落としながら耳元でささやく。
「くるみちゃんの敏感なところに触れる許可を頂戴……?」
言いながらチュッと耳朶を食んだら、「ひゃぁ、……んっ」とくるみが首をすくめて。
「ね? お願いじゃけ、ええよって言うて?」
くすぐったそうにイヤイヤをするくるみの耳に、わざと吐息を吹き込むようにして畳み掛けたら、彼女がその刺激から逃れたいみたいにコクコクとうなずいてくれた。
「それじゃあ上、脱がすね」
(いよいよ……なんよな?)
なんてことを思うと、実篤は手が震えるくらいドキドキしてしまう。
もちろん実篤だって女性の裸を見たことがないわけじゃない。
だけどくるみみたいに自分から物凄く好きになって付き合った女の子を脱がせるのは初めてだったから。
(今までは俺、どっちかっちゅーと相手に流されまくっちょったけぇなぁ)
数少ない歴代の年上彼女たちは、向こうから実篤を好きになってくれて……こう言う行為も基本女性主導だった。
(マジでどうしようっ! くるみちゃんのおっぱいが見られる思うたら滅茶苦茶緊張してきたんじゃけどっ!)
実は実篤、女性の身体のパーツでは一も二もなく胸が好き!ないわゆる胸フェチだ。
確かに男とは明らかにラインの違うお尻や腰回りの華奢な感じ、デコルテあたりの触ったら折れそうな雰囲気や、むっちりとした太ももなんかも女性らしくていいと思う。
思うけれど、「やっぱ一番は胸じゃろ!」と確信している。
(ま。言うたら引かれるけん、男友達にしか話さんけどね)
そんなアレコレを心の奥底にひた隠しにして、表面的にはいたってシリアスにくるみにそう宣言した実篤は、逸る気持ちを抑えながら彼女の服の裾に手をかけた。
「はい、ばんざーい」
実篤がほんの少しくるみの身体をベッドから抱き上げるようにしてダメ元でそう声をかけたら、酔っ払ったくるみは「ばんじゃーい」と諸手を挙げて素直に従ってくれて。
(酒の力、すごいな)
などと感心してしまった実篤だ。
幸い首回りもゆとりがあったので、頭も難なく抜けて。
「――っ!」
スポッと服を脱がした途端現れた、くるみのあられもない姿に実篤は思わずフリーズしてしまう。
彼シャツ状態のくるみは、上を剥ぎ取ってみたら、レースのショーツ一枚を身に付けただけの、何とも無防備な格好になっていたから。
(ブラ、しちょらんかったっ!)
服の上から触れた感じでそんな気はしていたけれど、実際こうして目のあたりにすると、やけに照れてしまうのは何故だろう。
(ヤバッ。めちゃ綺麗なんじゃけどっ!)
服の上からでもフワフワな膨らみの存在は感じていたけれど、こうして布地を取り払って直にくるみの胸をしげしげと眺めると、色白できめ細かい双丘がたまらなく扇状的で。
色素の薄い色付きも、それ自体小さめでとっても上品だ。
さっき触れたからだろうか。それとも急に服を脱がされて寒かったから?
まだそんなに刺激したわけでもないのに、乳首がツンと勃ち上がっているのもすごくいやらしく見えた。
「実篤しゃ、寒い……っ」
ベッドに寝そべって、胸を隠そうともせずこちらを見上げていたくるみがキュッと身体を縮こまらせて、そんなことを言って。
(可愛すぎるじゃろ!)
実篤はその警戒心のないくるみの態度にキュンキュンさせられまくりだ。
(こんな何も分かってなさそうな子に俺、手ぇ出しても大丈夫じゃろーか)
なんてちょっぴり罪悪感まで芽生えてしまったりして。
ここはくるみにもしっかり気持ちよくなってもらって、大いにエッチな気分になってもらうしかないだろう。
そう心に決めた実篤は、ゴクリと生唾を飲み込むと、一旦自分の気持ちを落ち着けるみたいに着ていたスウェットを脱ぎ落とした。
「ひゃっ。しゃ、ねあちゅしゃっ……!」
途端組み敷かれたままのくるみが真っ赤になって両手で顔を覆って。
自分の胸には頓着しなかったくせに、実篤の半裸を見た途端、この反応。
どこかズレているけれど、どう見ても初心にしか見えない言動に、もしかしたら身内以外の男の身体なんて見たことがないんじゃろうか、と思った実篤だ。
男兄弟なんかがいれば、若い男の裸にも免疫が出来る気がするのだが、考えてみればくるみは一人っ子。
そう言う機会にも恵まれなかったんだろう。
(うちの鏡花なんか小さい頃から俺と八雲が裸で家ん中うろつき回っちょったけん、見慣れてそうよな)
そう考えると、実篤は今更ながら妹に悪いことをした気になってしまった。
(鏡花、デリカシー皆無じゃった兄ちゃんたちを許せっ)
やはり女の子は、せめてその彼氏との初めてのエッチの時くらい、〝おぼこい〟くらいがきっと相手に喜ばれるだろう。
まぁ要するに
(凄い可愛い反応、有難うございますっ!)
と手を合わせたくなった実篤だ。
「そんな照れんでも良かろ? ね、くるみちゃん、こっち見て?」
わざと余裕綽々なふりをして問い掛ければ、くるみがソワソワと身体を震わせて。
「らって……うち、お父しゃ以外の……見らころない、んじゃも……」
目を覆った手指にほんの少し隙間を開けると、そう言って実篤をちらちらと見上げてくる。
その父親の裸にしたって、くるみが最後に見たのは彼女が中学生になるかならないかの辺りなのだが、そんなこと実篤は知るよしもない。
くるみの両親は、可愛い一人娘のために結構気を遣ってくれていたのだ。
栗野家の、鏡花への男三人衆――父親含む――の無体なあれこれとはえらい違いだったわけで。
「何それ。逆に凄い光栄なんじゃけど! ねぇ、くるみちゃん。それなら尚のこと俺のほう、見て? 俺、くるみちゃんの目に映る、お父さん以外の最初の男になりたい」
言いながらくるみの上に両腕をつくようにして覆いかぶさると、実篤はニヤリと笑ってみせた。
ヘタレわんこの実篤でも、こんな風にくるみが恥じらってくれると、ついつい雄の本能で追い詰めたくなるらしい。
「ね。くるみちゃん。それでね、出来れば俺に触れて欲しいんじゃけど?」
――この小さな手で。
言いながらくるみが顔に乗せたままの手にそっと触れると、実篤は自分に触れさせることの代価ででもあるかのように、そのまま手をスーッと下ろしていってくるみの胸に触れた。
「ひゃ、ぁっ?」
なまじ視界を狭めていたからだろう。
研ぎ澄まされた触覚に、実篤からの突然のタッチは刺激が強過ぎたみたいだ。
ビクッと身体を震わせたくるみが、たまらないみたいに実篤の手を掴んできた。
それで、結果的にくるみの顔が見えるようになって、実篤的には大満足だ。
何より、くるみにちょっと触れられたぐらいで、手の動きを止めるつもりなんて最初からない。
「くるみちゃんの胸、凄くやわらかいよね? 俺がちょっと触っただけでいやらしく手のひらに吸い付いてくるんじゃけど」
「やぁっ、しょんなこと言わんでっ」
フニッと、柔らかなくるみの胸を押しつぶすように手のひら全体で握ったら、くるみが眉根を寄せて抗議してくる。
それでも彼女の抗議を無視してフニフニと胸を揉んでいたら、
「実篤しゃっ、しょれ、駄目っ」
くるみが実篤の手に触れた指先にギュッと力を込めてくる。
(まだ先っちょには触れちょらんのじゃけどな)
わざと指の間でかわすように、乳首には触れていない実篤だ。
キュッと勃ち上がった小さな頂は、きっと物凄く敏感になっているだろう。
「なんで触ったらいけんのん? ――教えて?」
わざと耳元に唇を近付けて低音でささやけば、くるみが首をすくませて「やんっ」と可愛い声を聞かせてくれて。
「……だってっ! へ、んな感じが……しゅるんじゃもんっ!」
真っ赤になって実篤を睨みつけてくるのが可愛くて、思わずククッと笑いが漏れた実篤だ。
「くるみちゃん、それ、変なんじゃなくて……気持ちいいんじゃと思うな?」
言って、今まで触れずにいた先端をカリッと指先で爪弾いたら、くるみがギュッと目を閉じてビクビクと身体を震わせた。
「実篤しゃんのせいで……電気……走ったぁ〜!」
涙に潤んだ瞳で実篤を見上げて、そんな報告をしてくれるとか。
(ちょっ、くるみちゃん、何のご褒美よ!)
クゥーッとくるみからの萌えパンチに悶える実篤に、くるみがさらに追い打ちをかけるみたいに、そっと胸の突起に触れてきたから堪らない。
「……っ!」
「ひょっとしれ実篤しゃも、ココ――。うちが触ったらビリビリってくりゅん……?」
別に実篤は胸に触れられてもそんなに気持ちよかったりはしはないのだけれど、それでも大好きなくるみが一生懸命自分を感じさせようとしてくれているんだと思ったら、脳みそ的に興奮してしまう。
「実篤しゃん、うちが一杯いーっぱい気持ち良ぉしちゃげるけん覚悟しれくらしゃいねっ♡」
無意識に色欲に揺れる瞳でくるみを見下ろして、くるみの中の小悪魔モードに火をつけてしまった。
燃料投下を受けた小悪魔くるみが、そんな実篤を見上げて、とっても嬉しそうに瞳を輝かせるから。
情けないことにくるみ大好きな実篤の下腹部も、たったそれだけのことで相乗効果を受けたみたいにピクッと反応してしまうのだ。
くるみが、ペチペチと実篤の胸元を小さな手指でこちらの反応を探るみたいに触れてくるのは、正直くすぐったくて仕方がない。
だが実篤、くすぐったいけど嫌じゃないとも思っていて。
しばらくはくるみのしたいようにさせていた実篤だったけれど、やはり据え膳食わぬは男の恥。雄としての矜持がモタモタと鎌首をもたげてくる。