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#おすすめ乗りたい
まんまるもちち@
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#日本愛され
ミルト
229
この物語に、政治的意図・戦争賛美の意図はありません。
また、現実とは関係はありません。
旧国が出てきます。
それでも良い方は、どうぞ。
あたしは、
…あたしは……ああ、思い出した。
あたしは、『大日本帝国・陸軍』。
何も守れない、アジアの狂犬だ。
あたしは、この世界を歩く。と言っても、あたしが歩くのは町中ではない。そんなことしたら、いつ死ぬか。そんな危険があたしの背後に纏わりつくから。
…まあ、あたしは死んでも良いんだけどさ。
この世界にいない子達が許してくれないんだ。
変だよね。その子達はもう居ないのに。あたしは、死人にまで縛りつけられてないといけないんだ。
あたしが歩くのは、自然。木がそこら中に生えてたり、花畑が一面に広がってたりする場所。
ここを歩くと、少し落ち着く気がするんだ。
木は素敵。だって、あたしよりずっと地球の先輩で、葉の音色で優しく諭してくれるから。
花は美しい。だって、何者にも汚されなくて、それぞれに個性があって、それは絶対に奪えないから。
…嗚呼。
あたしも、そうだったら、どれほど楽だろう。
木は一人でも立っていられる。花には小さかろうが大きかろうが仲間がいる。
…良いな。
あたしは、罪を犯してしまった。何十回、何千回…それこそ、阿鼻地獄に落ちたって、あたしは償えないかもしれない。
今更、何を以て思い出すのさ。私。
今思い出しても…
父さんも、弟達も…それに、おじいちゃん達も…全員、失ったくせに。
あたしは、国の化身と言われる種族だった。と言っても、人より寿命が長くて、少しだけ死ににくいだけ。それだけなんだ。力が強いとか、不思議な力が使えるなんて…そんな高尚なモノ、使えない。皆そうなんだ。
あたし達姉弟は、戦争に駆り出された。あたし達に彼らは、何を期待していたんだろ。
もう一人、弟が出来た。あれは確か…第一次世界大戦の時。人類が夢見た場所、空。そこも、戦場と化した。
そして、第二次世界大戦。いや、正確には…大東亜戦争(太平洋戦争)。
あたしは、守れなかった。弟達は、特攻と艦隊の沈没で亡くなった。父さんやおじいちゃん達は…ちょうど、広島に。居たんだ。
結果。あたしは日本と二人きりだ。
日本は、皆のことを覚えていないようだった。
しばらく、そんな事を思いながら散歩する。こんな事をしながらの散歩なんて、普通の人からしたら変な事かもしれない。けど、あたしにとっては落ち着く事なんだ。ぐちゃぐちゃになった気持ちを、自然が撫でて落ち着かせてくれるようで。
だから、あたしは自然が好き。
あたしは、ぐるりとそこを回って、一周した。
…もう、終わりかぁ。なんか…嫌だなぁ。疲れがどっと襲ってくる。
あたしは、日本と二人で住んでいる。と言っても、日本は社畜とやらになっているらしい。だから、なかなか帰ってこない。その家は、The・和と言わんばかりの家。あたしは、この家が好きだ。好きだ…けど、辛くなる。昔の事を思い出す。『あの人達もいたら、どんなに楽しかっただろう』そうやって、勝手に辛くなるのだ。
…苦しい。でも、私はもっと、苦しむべきなんだ。植民地だった国の為にも、それこそ迷惑をかけた国の為にも。
「お母さん…?帰りましたよ!」
「…ああ、お帰り、日本!」
日本はあたしのことを『お母さん』と呼ぶ。身内があたししか居ないしね。仕方ない…ね。
あたしは、日本に笑顔で話す。話を聴く。いつもの事だ。
こんなどうしようもないあたしでも…私、でも…
日本は、絶対に守らないと。
…決めたんだ。約束は、守るんだ。守らなきゃ…
私の存在なんて、その程度になる。
「…お母さん?どうか、しましたか…?」
「ああ、ごめん日本。ちょっと、うわの空だったかも。」
あたしは、その後日本の話を聴いた。珍しく早く帰ってこれたからか、とても機嫌が良かった。
あたしは…明日は連合国と会わなきゃだし、少し機嫌悪めだったかもね。
もう、『明日』は『今日』になってしまった。 凄く憂鬱。
…日本の出社を見送った後、あたしはそこに向かった。
遂に、来てしまった。連合国の集合場。あたしは、あくまで枢軸国として来た…が。現在、『枢軸国』は、あたし一人だけだ。
二人はもう居ない。あたしは、完全に置いていかれたんだ。ため息を喉に押し込み、その扉を開けた。
そこには、連合国が集まっていた。国の化身だけなのが幸いだ。アメリカ、イギリス、フランス、ソビエト、それに中華民国。
「来たよ。」
「…そうだな。では、いつも通り身体検査と、いくつか質問をさせてもらう。」
「……。好きにしなよ。」
仲は、冷え切っていると言っても良いだろう。
まあ、戦争なんてしたんだから、そんなもんだろう。最低限。それで良いのだ。
そして、身体検査が始まった。あたしは無抵抗に服を脱がされる。と言っても、邪なものは無い。傷を見るだけ。…今回は大丈夫なはずだ。
「…特に無い、ですね。」
「…そうだな。」
ノートか何かに、フランスがペンを走らせた。
「…。」
「じゃあ、次。こっちに来ようか、陸軍。」
あたしは、フランスに連れられて別の部屋に足を運んだ。
「幾つか、質問をするわよ。『正直に』答えなさい。」
「…分かってる。」
それから、しばらく質問をされた。質問の内容は、あまり覚えていない。
そこからは、一瞬だった。あたしはさっくりと帰ることができた。
「…はあ。疲れた。…しばらく、眠っておこうかな。」
そんな事を言いながら、あたしは布団に入る。
…中々眠ることができない。そうすると、余計な思考が混ざってくる。
私は、まだ過去に囚われ続けているんだろう。
そんなの分かってる。だから…日本に意識を向けて、無理矢理にでも『生きる理由』をつけて。
ちゃんと、生きてきた。だが。偶に…いや、結構な頻度で思う。
自分は本当に必要なのか…と。
もう日本に生きていく為の教育はした。もう私が居なくなっても良いだろう。支障はない。ただ、日本は喪失感に耐えられるのだろうか。そもそも、私は日本にとっての『大切』なのか。
そんな事を思考する内、眠りに落ちていく。
…普段なら。あたしは、眠れない。全くと言っていいほど、眠気がやってこない。
あたしは、何もやることが無いので、ぼんやりと襖の間から見えるそれを眺めていた。
鹿威しがゆっくりと動く。音は無い。ただ、静寂を作り、筒部分が落ちていく。ゆったりと進む時間にだんだん自分の考え事など薄れていく。
『…カコンッ』
乾いた竹の良い音がなる。その時。恐らく、幻であろう。
あの世から、この世に来た…と言わんばかりに、宴会が目の前で行われている…
そんな、夢幻を見た。
コメント
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はじめまして、リオンです。読ませていただきました。 「国の化身」という設定がとても印象的でした。大日本帝国陸軍という存在が、自らを「アジアの狂犬」と称し、罪の意識に苛まれながらも日本を守ると決意する――その内面の葛藤が、自然描写や鹿威しの静けさと対比されて、深く響きました。夢幻の宴会シーン、あれが何を示すのか、続きが気になります。設定の土台がしっかりしていると感じます。