urさん視点
mb )なぁ、3年のjpって人知ってるか?
ur )誰それ、知らん
mb )お前まじかよ、めっちゃイケメンらしいぞ
mb )よく保健室にいるけど
ur )俺男に興味無いわ
最初に彼を知ったのはあの時だった。イケメンだ、と伝えられ、少し気になりはしたものの俺は男好きではないためあまり興味を示さなかった。
sn )篠原!うるさいぞ!お前ここ答えろ
ur )はーい、分かりませーん
sn )話聞かずに何やってるんだ!放課後居残りだ!
mb )なにやってんの笑笑
mb )もーurくんが話してるからだよ笑
ur )おれじゃねーし笑
この通り、俺は男子にも女子にももてる方だ。別に何か才能があるとかそういう訳では無い。ただ単に顔がいいからだ。
ur )ん?誰のだこれ
授業が終わり、廊下を歩いていると1つの生徒手帳が落ちているのが見えた。それを拾い、名前を確認する。
ur )天宮jp…どっかで聞いたことあるような…
ur )あ、mbが言ってた先輩か、
さっきのイケメンだという先輩の生徒手帳が落ちていたのだ。届けるか迷った挙句、俺はその先輩の顔を人目見ようと昼食の間に届けることに。
急いで昼食を食べ、3年の教室に向かう。この時、俺はmbから言われた”ほとんど保健室にいる”という言葉は完全に抜けていた。
「すいませーん」
3年の教室に行くと出迎えてくれたのは生徒会長だった。生徒会長とjp先輩って仲良いんだな。めっちゃ睨まれたんだが。無駄足運んだなと思いながら保健室に向かう。
「失礼しまーす」
保健室に入っても先輩の姿は見えない。だから一つだけ閉まってるカーテンを開けることに。
「…いた」
寝てる。サボりなのか体調が悪いのかは分からないので一旦起こさずスルー。保健室の先生が色々言ってきていたのでその答えを返す。
しかし俺が見つめていたのはjp先輩だった。まぶたは薄く閉じられ、まるで透けるほど繊細な羽根のよう。長いまつげが頬に影を落とし、その呼吸に合わせて胸がゆっくりと上下するたび、時までも緩やかに流れていくようだった。唇はかすかに開き、眠りの中で何かを囁いているようなやわらかさを帯びている。その寝顔は、夢と現実のあわいにそっと咲いた花のように、ただただ美しかった。
「ん、、ぁ」
そっとまぶたが開き目が合う。
「…だれ」
「jp、その子は1年の篠…」
「urです、篠原って呼ばれるの嫌なんでurって呼んでください」
先生に被せるように言う。まあurって呼んで欲しいのは事実だし。
「ん、urね、覚えた」
まだ眠そうな目をこすってそう言ってくれる彼は窓から漏れてくる光がとても似合っていた。
「で?俺になんの用?」
「これ…」
少し不安そうに取り出す。なぜなら中身を見てしまったからだ。その中には、何故か先輩の体重や食事管理のメモが入っていた。何故かは分からない。そういう人になりたいのかもしれない。栄養士みたいな。
「さては中身みたな」
案の定バレてしまい、素直に謝る。これは俺が悪い。いや落とした方も悪いか…?
「まあいいや、どうせ捨てるものだったし」
「せんぱ──」
「せんせー、」
俺が先輩と呼ぶと同時に先輩は先生の方へと言って話してしまった。聞きたいことあったのに。なんか、悔しい。
俺はこの時点で、先輩に恋してたのかもしれない。だがそれに気づくのは、まだ先の話。
コメント
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urさん一目惚れってことですか。初対面であんなに素晴らしい表現出てきませんって。寝てるjpさんは天使なんだろうな。惚れるのも仕方がない。男に興味無いって言ってたurさんを一瞬で惚れさせるとか何者ですか。あとこの様子だとjpさんも何か事情がありそうですよね。栄養士とかになりたいんだったら安心ですけど病気とかだったらめちゃめちゃ心配なんですけど。