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弟が死んだ日から4年過ぎ、俺は17歳になっていた。

しょうもないとは分かっていながらも、いつかは両親に認められるかな?弟の様に完璧になれば”おんりー”という人間を愛してもらえるかな?そんな淡い期待を抱くのを止められずにいた。

「母さん。テスト学年一位だったよ」

「流石弟ちゃんね!偉いわ」

母さん。俺は弟じゃないよ。おんりーだよ。

「うん…。母さん」

俺は誰かに必要とされたい。嫌われることが、失望される事が、何よりも怖い。

こんな馬鹿な俺を愛してくれる人などいるのだろうか?





__「おんりー?どうしたの?」

「あ、ドズルさん…。何でもないですよ。」

この人はドズルさん。よく俺に話しかけてくれたりする。

「本当に?」

「本当ですよ」

「なら良いけど…」

ドズルさんは何かと勘が鋭い。この人といると、全てを見透かされそうで怖い。


__おんりーの何でもないは何でもないじゃない。おんりーが必死に努力しているのも、影で苦しんで泣いているのも、僕は知っている。

何があるのかは教えてもらえない。まだそこまでの信用がないんだろうなぁ。

おんりーは完璧だ。頭も良いし、運動も出来る。おまけに顔もいい。おんりーの隣に僕は相応しくない。

おんりーの隣にはいつか素敵な人が現れて僕なんか忘れちゃうんだろうな…。

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