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学校が終わり家に帰ると母が「おんりー、話があるの。来てちょうだい」

「ッ!!はい…」

母さんが俺を”おんりー”と呼んだ。

久しぶりに聞いたなぁ。母さんに”おんりー”って呼ばれるのいつぶりだろう。

「母さん何?」

「もう限界よ…」

「え、?」

「今まで貴方を弟ちゃんだと思う様にして接してきたけどもう限界よ。貴方は弟ちゃんじゃない!私の弟ちゃんを返して!!弟ちゃんじゃなくてお前が死ねば良かったのに」

なんだよそれ。意味わかんない。

「もう貴女にお金をかけるのももう無理だから出て行ってちょうだい。なんならどっかで死んできな」

結局俺は不必要な人間だ。どれだけ完璧に、人から好かれようと必要とされようと努力しても無駄なんだ。弟には及ばない。俺は比較されるために産まれてきたのか?

なら、こんなくそ食らえな人生なんて終わらせてやる。

「はい、分かりました。母さん、今までありがとうございました」

俺の足は自然と川へ向かっていた。

どうやって死のうか。あ、ドズルさんに挨拶でもしようかな…。いや、俺なんかの死に際なんかどうでもいいか。

「綺麗な川だな」

綺麗で、美しくて、何処までも続いている。俺とは真反対だ。俺は綺麗でも美しくもない。この先、何処までも続く未来もない。

もう、良いか。

俺が川の柵に足をかけた時、「おんりー危ない!」

俺が落ちかけた時だった。気付くと俺は川の中では無く、ドズルさんの腕の中にいた。

「ドズル、さん?」

「おんりー!何してるの!危ないでしょ…」

「離してください。お願いです。もう、終わりにさせてッ…」

もう終わりにしたい。ドズルさん、止めないでよ。

「おんりー…」

やめて。見ないで。何で、涙が止まらない。止まれよばかッ…。

「おんりー僕の家おいで。話、聞きたいな。駄目かな?」

「話聞いたところで何にもならないですよ…」

「僕はおんりーと話がしたい」

ドズルさんは折れなさそうだな。早く終わりにしたいのに…。

「分かりました…」

「じゃあ行こうか」

「はい…」

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