実在する人物、団体やご本人とは全く関係ございません。
いかなる場合でもスクショ、拡散、転載などを禁止しています。
⚠腐向け、しかし全然ラブラブはしない
⚠普段文章で創作しない人の文章
時間軸はDEPバレ以降
「ぐち逸。お前のこと好きなんだけど、付き合ってよ」
ぐち逸を見上げながらそう言った。元々静かだった空間が、更にしんとなった。
1人ヘリレースの練習中ミスをして墜落して、個人医に救助信号をぐち逸が救助に来てくれた。だから丁度いいと思って、ここ1週間くらいずっと考えてたことをちょっと伝えてみた。
空気がスッと変わったのは感じたが、ぐち逸の治療する手は止まらず今も淡々と包帯を巻いている。
聞こえなかったのかな。動揺しないんだな。動揺してくれないのかあ。その冷静さが優秀な医者である証拠でもあるけれど。
血が止まり松葉杖を貰ってからやっとぐち逸は口を開いた。
「……何に、どこにですか?」
目を合わせて、表情1つ変わらない真顔のままで聞いてきた。
あはは、そっちの付き合うじゃないんだけどな。まぁあまりに突然だし、恋愛の話なんかしたことないからそうもなるかあ。なら教えてあげよう。
「俺たちカップルなろって話。好きって言ったでしょ?」
松葉杖で立つ感触を確認しながらストレートに伝える。
ピクリとぐち逸の眉が動いた。どちらかと言うと、眉間にシワがよる方に。えー?嫌なの?
「冗談……何かの罰ゲームですか。」
「あはは、俺のこと嫌い?本気だよ本気」
当然と言えばそうかもしれないけど、全然信じてくれない。
日頃の行いのせい?ひどいなあ、想い続けてるのに。1週間くらいだけど。
それとも言い方のせいか?圧があるとはよく言われるけど今なお改善は出来ていそうにないし。ぐち逸を見つめながら心の中で少し拗ねる。
考え込んでいたぐち逸が大きく息を吸って話し始めた。
「…………貴方のことが嫌いな訳ではありませんが。
自分はあまり……男性の方を恋愛対象として捉えたことはないので、お答えしかねるというか」
今度は困惑したような表情だった。この返答は……やんわりと断られてるのかな。言い方的には断るにも至ってないような感じはするが。
少々訝しむ顔に「なぜ自分を?」と書いてある。なんでだろうねえ、俺もよくわかんないけど。
「ふは、俺だって女の子しか好きになったことないよ、男の体とか興味無いし。可愛げもないし」
というか、と続けてゆっくりとぐち逸を指さす。
「男が好きなんじゃなくて、ぐち逸が好き。興味がある」
目を細めて笑って言って見せた。俺はどんな顔して笑ってるんだろう、自分では優しい笑顔のつもりだけど。
裏腹にぐち逸はもっと顔を歪めた。掌で腕をさすって消え入りそうな声で「体……」と呟く。たぶん若干引いている。
「……考えを改めてみてはどうですか。少なくとも今は正気ではないようです」
……乾いた苦笑いで言われた。ぐち逸は「では」と愛車のバイクに跨って去る。あっという間に。
ふーん。あーあ、ぐち逸は俺のことそういう目で見てないんだあ。でも選択肢として考えたこと無かっただけだから、これから見る目変わってらえば良い訳で。
……そうだ。焦る必要はない。
ぐち逸は絶対に俺と付き合う。俺のことを好きになる。
そして、俺無しじゃ生きれなくなってしまえばいい。
「照れなくていいのに。俺のぐち逸」
もう見えなくなったぐち逸を背中を思い出して、上機嫌に鼻歌を歌った。
コメント
2件
めっちゃ好きです... ぐち逸の返答が解釈一致すぎて...