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運命の糸が赤色なら
俺とあいつの間にあるのは
何色の糸なんだろう
運命の赤い糸って、愛で結ばれた2人の間にあるらしい。
愛だけが”運命”じゃないだろうに…
偶然が重なって、何年も同じ場所に在ることは運命じゃないのか?
偶然はどんなに積み重なっても、偶然でしかないのか…?
それを奇跡という人もいる。
じゃあ、奇跡って何色の糸?
「翔太?」
「んあ?」
「すごくバカっぽい顔してたけど、何か考えごと?」
「バカっぽいは余計じゃね?」
…宮舘涼太。
生まれた年は俺よりあとなのに、早く生まれたため学年が一緒になった。
生まれたのは、同じ病院だった。
偶然年長のときクラスが一緒だった。
りょうたとしょうた
名前も一文字しか違わない。
ピアスを開けたのも同じところ。
ダンス教室も一緒。
同じ事務所に入って、同じグループに配属された。
…どんだけ偶然重なったんだよ。
これだけ偶然重なったら、もうこれ運命じゃないのか?
出会うべくして出会った、運命の人じゃないのか?
「涼太はさ、運命の赤い糸って信じる?」
「ぅげ……翔太って、そんなロマンチスト野郎だったっけ?」
「いちいちつっかかるな、オイ。しかもぅげっつったろ、今」
「言うだろそりゃ。…まあ、俺は見えないものは信じないからなぁ」
「…おい、アイドルが夢のないこと言うなよ」
カラカラと涼太が笑う。その笑顔は、俺の好きな表情のひとつ。
「何?翔太、そういう人に出会ったの?」
「はあ?」
もう出会ってる。
「運命感じるような人に出会ったから、そんなこと言い出したんじゃないの?」
お前だよ。
「かわいーねー、しょうたくん」
お前がな。
「どんな人?」
「違うっての。話勝手に進めるなよ、バーカ」
「なんだ。つまんねーの」
「国王、口が悪いぞ」
「翔太の前では国王じゃないから別にいいし」
悪ガキみたいな顔するのも、可愛くて好き。
「お前と俺って、何なんだろうな?」
「幼馴染でしょ?」
即答かい
「それは知ってる。たださ、すごい偶然じゃねぇ?」
「まぁね。珍しいケースだよね。…てか、何急に怖いんだけど?」
「いやなんかさぁ〜、改めて思ったわけよ」
「ふーん?よくわかんないけど、俺は翔太と幼馴染で、今も一緒にいられるの嬉しいけど?」
「あ、そ?」
「素っ気ねぇ〜〜」
幼馴染は、それ以上にもそれ以下にもなれないのか。
「…俺も、お前と活動できてるのは嬉しいけどさ」
「翔太がいるから、何か安心できるしね。おかげで自分のことに集中できてるから、俺」
そう言って、こちらに拳を突き出す。
突き出された拳に自分の拳をコツンと当てると、くしゃりと涼太は笑った。
「あ〜、なんかやだー。青春?壮年が青春?笑 ちょっとマジメに話しちゃったじゃん」
「なんそれ、うざぁ」
「翔太が変なこと言い出すからだろ」
「…あのさ、涼太。俺…
言いかけたとき、涼太のスマホが着信を告げた。
「…あ、目黒。ごめん、翔太。外行くわ」
あーあーあー、
なんつー顔するんだよ。
てか、連絡くるの待ってたみたいだな。
「そんなに嬉しいかよ」
聞かれないように嫌みを言うことしかできない幼馴染がここにいますよ、と。
涼太に、幼馴染以上の感情を持ったのはいつからだっただろう?
どのタイミングだっただろう?
ゆり組とか言ってセットにされて、高を括ってた。
幼馴染は俺だけの特権で、何者にも変えられない存在だと思ってた。
特別な、2人だと。
それなのに、涼太の心はあっけなく他のやつにかっさらわれた。
同じグループの、高身長イケメンに。
性格も顔もいいって何なんだよ。
てか、涼太って面食いだったんだ?
しかしよくあの鈍感を落としたな…
その努力は認めるわ、イケメンくん。
「くそおもんねー」
赤い糸って1本なのか?
全部の指先に”運命”の糸があればいいのに。
何色でもいい、絶対解けない、切れない糸が繋がってたらいいのに…
『翔太がいるから安心できる』
じゃあ、俺たちは青色の糸で繋がってるのかも。
青色って、リラックス効果があるんだって。
この糸は、ほどけない、きっと。
偶然が複雑に絡まったのだから。
長いお話に取りかかってたら行き詰まったので短編に逃げてきた作者です。
ゆり組でゆりゆりしたかったのにやっぱりムリでした。めめだて強し。
しょぴさん主体は難しいのでもうしません