この小説は一切ご本人様に関係ありません。
長文注意
特にcp指定等はしていません。
わんく
嫌いな筈だった彼の視線、瞳、身体、全てを必要以上に求めてしまった。まるで自分の身体が自分の身体でない様に、僕はそんな感覚に一生縛られるのだろうか。
そう思うと、胸の奥がグルグルと渦を巻いて今にも穴が空きそうなくらいに苦しくなる。自分の喉奥がグッ、と強く掴まれる様な感覚に陥った。冷や汗がダラダラと額を伝り、次に頬、顎、と僕の輪郭をなぞる様にして汗が顔を通って行く。
今にも吐き出してしまいそうだった。こんな感覚は初めてなのに、何故か懐かしく思える自分に吐き気が差した。机の端に置いてあるシャーペンで己の首を刺してしまいたいくらいだった。
ぐにゃり、と視界が歪んだと思うと、目の前が段々とぼやけていった。今度は己の目から透明な液体がまた輪郭をなぞる様にして伝る。涙だった、僕は汗の次に涙も流してしまうそんな自分に恥じらいを感じる。
僕はその場で腰を屈めて、顔を下に向けてグシャ、と元々ボサボサだった己の橙色の髪を乱暴に掴む。すぅ、はぁ、と必死に整えようとする自分の呼吸音が耳奥にジンジンと響く。僕はその場でゆっくりと左右に揺れた。自分を落ち着かせる為に、そしてこの感覚をまた忘れさせる為に。
『大…丈夫、か…?』
こいつだ、こいつが元凶なんだ。悪い、全部コイツが悪いんだ。こんな風に僕を苦しめる悪い奴め、何故僕の側に居るだけで自分をこんなに苦しめる?数ヶ月前まで平気だったのに、ただの友達だと思っていたのに。
お前の発言で僕の心を乱暴に掴んだから僕はこんなにも苦しまなきゃいけなくなったんだぞ。どうして、どうしてそんな事をする、?僕に何の恨みがあってそんなことを?
『なぁ…、大丈夫か、?』
「僕に触るな”ッ!」
僕の怒鳴り声にビクッ、と肩を跳ねつかせる彼。失恋した君とその恋を無理矢理終わらせた僕が君に慰められるのがどんなに惨めか、君には分かり知れないだろうね。君には完璧な条件が揃いすぎている。だから地味な僕と二人で居るだけで、僕は透明人間の様な扱いをされる。
僕だって好きで君と過ごしている訳ではないのに、何故、何故君はそんなに僕に執着するんだ?邪魔くさい、どっか行け、そんな暴言を吐けば君は僕の元から去って行くのか?
なぁ、早く僕の事を諦めて新しい恋に移ってくれよ。僕だって、僕だって君と付き合いたい。付き合いたいさ、でも世の中そんな事を許してくれると思うかい?思わないだろう、?だからさ、僕の事を諦めて、お互い忘れて、淡い青春を送って行こうよ。ねぇ、お願いだよ。僕から離れて、我が儘は言わない。ただそれだけ、それだけだから。
「もう…っ、諦めてくれよぉ”…ッ」
『っ…、でもッ』
「”でも”じゃない”ッ!何度も言っているだろ”ッ!さっさと僕から離れて新しくちゃんとした恋に移れってさぁ”ッッ!!」
僕は必死に涙声を抑えて彼に怒鳴る。これが正しいんだ、君にはちゃんとした恋愛を送って欲しいだけ。同姓で付き合うなんてそんな漫画の様な事、僕も皆も、ましてや世の中も思っている事なんだから。もうやめてくれ、これ以上僕の脳内に今の君の事を記憶として刻みたくないんだ。友情として成り立っていた昔の方が僕からしたらずっと、ずっとずっと楽なんだ。
君が理解してくれるまで僕はダラダラとこんな事をされなくてはいけないのか?そんなの嫌に決まってる。僕はグシャ、と乱暴に掴んでいた己の髪から手を離し、自分の顔を隠す様に両手で僕の表情が分からない様にして隠す。もう限界なんだよ、君と居ても僕が一方的に苦しむだけ。そんな青春送りたくなんてないんだ。
友情として成り立っていた君との関係を今でも、未来でも続けていたかったな。
終わり。
長文お疲れ様でした。スランプ入った時は小説で発散するに限ります。少し気が楽になった気がしました。
では、次の投稿でお会いしましょう。
コメント
9件
長文お疲れ様です! す…すごい…✨️なんかいいですね…こういう感じ。好きです。
、、おわ、 苦しい感じすご、