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『BLACK cat school』〜スクールライフは恋と波乱!?〜
7時間目 白熱する想い
『……。』
私は寮の部屋で体育祭に向けて着替えていた。
(朝になってしまった。これから体育祭…そして終わったら私は――。)
『いや、今考えても仕方ない。…そうだ。ミサキ達と髪をお揃いにするから早く教室行かないと…。』
私はクラスTシャツに上を着替え、寮を出た。
ガラッ
『あ、きたきた。おはよう。』
『おはよう。3人とも早いね。』
『こっち来て荷物置いて、ここ座って。髪やってあげる。』
『ありがとう。』
私は椅子に座る。
『2つ結びでいい?』
『うん、ありがとう。』
『ハーフツインで…ここを三つ編みにして…』
『……。』
『…まだ悩んでる?』
『え?』
核心を突かれ、ドキリとする。
『顔に出てる。ふふっ。』
『ミサキ…。うん…悩んでるよ。だって
誰が優勝しても私は誰も選べないよ…。だってそれは同時に……』
『華。』
グイッと頭を持ち上げられミサキと顔を合わせる。
『!』
『どんな結果になろうとも…自分の気持ちには整理をつけたほうがいいよ。恋っていうのは…誰かが傷付いて涙して……何回も悲しい思いも、嬉しい想いも同時に経験するものなの。』
『……っ。』
『だからやめられないの。恋っていうのは。』
『やめられない…?』
『うん。だれしも必ずいずれは幸せをもとめるものだから。』
ミサキは私の髪を結んで鏡越しには目が合う。
『はい、出来た。次はメイクね。』
『え?』
ミサキは白いペンを取る。
『華におまじないをかけてあげる。』
私の頬にハートマークを書いた。
『白いハート…?』
その白いハートの中は空白だった。
『それは純真無垢な心を持った華の気持ちだよ。まだ誰の色にも染まらない…真っ白なハート。そのハートの中を…18人の誰かに染めてもらってね。』
私はそっと白いハートに触れた。
『私の今の気持ち…。』
(私はみんなを傷付けたくないという一心で…逃げてたのかもしれない。だけど…ミサキは背中を押してくれてるんだ。私の迷い心の為に――。)
『分かった。私…ちゃんと決める。』
『…うん。私は…私達は華の味方だよ。』
『ありがとう。ミサキ。じゃあ…行こっか。』
こうして…体育祭の…戦いの火花が上がる。
『ほらお前ら〜ちゃんと水分補給しとけよ〜。倒れても知らねぇからな。』
『ハナマルがちゃんと先生してる…。』
私は離れたところでハナマルを見ていた。
『ほらほら華。いつまでタオル被ってんの。 』
『あ、暑いんだって、それにみんなに見せるの恥ずかしくなってきたし…』
ミサキは私のタオルを取ろうとする。
『どうしたんすか?』
『あ、いいところに!うちら髪型お揃いにしたの!』
『へぇ、つまり華さんもツインテールなんすか?見たいっす。』
『だ、ダメ。恥ずかしいから……』
『いいじゃないっすか、減るもんじゃないんすから。』
『お揃いにしたいとは言ったけど…ここまでとは聞いて…』
ガバッ!
ミサキにタオルを剥ぎ取られる。
『さて、どんな髪型――。っ…。』
華さんはハーフツインでおでこを出していた。
『…だから言ったのに恥ずかしいって。』
『前髪は流して横で三つ編みにしたの、ちょいデコ出しみたいな?』
『可愛いっす…いや、想像以上っすよ…』
『も、もう見ないで!』
『え〜?釣れないっすねぇ。』
俺は華さんをからかう。
一方その頃――。
『いーなー!ローズ君!離れさんと同じクラスだから話せて! 』
『クフフ、えぇ、羨ましいですね。』
『ラトっちも華さんに伝えたの?』
『…もちろんです。だから負けませんよ。ラムリ君。』
『もちろん僕も負けないよ。でもハウさん達もいるしな……。』
『本気になったハウレスさん達と戦えるなんて…ゾクゾクします。』
『僕自身無くしそ〜。』
3年生の応援席
『胃が痛くなってきた。』
『大丈夫か?フェネス、まだ始まらないから休んだらどうだ?』
『ふん、人の心配をするなんて随分余裕だな。』
『ボスキ…。俺達は華さんを賭けて戦っているが味方でもある。仲間を心配するのは当然だ。』
『自分の心配をしたらどうだ?俺に負かされるかもしれねぇのに。』
『なんだと…?』
俺はボスキを睨む。
と、その時――
『きゃー!!!』
『!?』
『睨んでる顔も凛々しいですわ……っ。』
『ボスキ様〜!』
『……はぁ。やめだ、やめ。俺たちが湧かせたいのは華だからな。』
『あ、そ、そうだな。』
俺達は離れる。
(2人とも素直だな…まぁ、俺も負けてられないけど。)
体育祭の最初のプログラム。
先ずはラジオ体操をしてそこから競技が始まる。
最初の競技は――。
個人種目
『障害物競走』
これに出るのは
3年生からはボスキ、ベリアン
2年生からはラムリ、ナック
1年生からはフルーレ、バスティンが出ることになった。
最初に走るのははベリアン、ナック、バスティン
次はボスキ、ラムリ、フルーレとなった。
『ふふ、負けませんよ、ナック君。』
『お手柔らかにお願いしますね。』
『ベリアンさんとナックさんか…よろしく頼む。』
『フルーレ残念だったな。』
『むっ。まだ分からないじゃないですか。』
『あははっ。ボスったら酷ーい。』
『ん〜…でもこれはフルーレに有利かも…』
『どうしてそう思うの?』
『だって、フルーレは身体も柔らかいからバランス力と柔軟性がある。あの網抜けも平均台も難なくクリア出来そうだし。 』
『あーたしかにそうかも。』
『あ、というかファンクラブの得点ってどんな風につけるの?』
『あぁ、それはね、競技で勝ったら得点が入るの。1位なら20点、2位なら15点っていう風に。会長であるミサキがほら、あっちで得点の前にいるじゃない?』
『じゃあ本来の体育祭の点数決めと変わらないんだね。』
『ミサキはずっとあそこにいるみたい。個人種目まではまだ時間あるからね。』
『つまりミサキが競技に出てる時は他のファンクラブの子が得点をつけるんだ。』
『そゆこと。交代交代で休憩も取りつつね。』
『なんだか重労働だね…w』
『まぁやりがいはあるかな〜。』
『な、なるほど。』
『あ、ほら、始まるよ。』
『障害物競走初め!』
パンッ!
ピストルの音が響いた。
『最初は網抜けです!早いのは青組バスティン君!』
『はぁ、はぁ……っ。流石バスティン君です…早いですね……っ。』
『私も負けてられません…っ。』
『ベリアン君〜!頑張れー!』
『ナックくーん!ファイトー!』
『バスティン様そのまま1位になってー!』
ファンクラブの声援が辺りには響いていた。
『熱気が……。』
『次はバランスを取る平均台を渡ってもらいます!』
『っとと…っ!』
『追いついてきたかナックさん。』
『バランス感覚なら昔に覚えましたからね。』
『はぁ、はぁ…。』
『続いては冷たい水の中から透明な飴を探す飴探しです!』
『つ、冷たいです!』
『温度はマイナスですからね!』
『早く探さないと…っ。』
『きゃー!!バスティン様ー!水も滴るいい男ー!!』
『よひ、みふけた(よし、見つけた)』
バスティンは飴を舐めてゴールへ向かう。
パンッ!パンッ!
『1位はバスティン君です!黄色チームに得点20点!ファンクラブの得点は20点入ります!』
『バスティン様かっこいー!!』
『2位ですか…まぁ、点を入れられたので良かったです。』
『悔しいです…。』
それぞれ得点が入る中、次の選手は――
『よし、ここで俺が勝てばA組に点数が入る。ファンクラブの方にも得点が入って一石二鳥だな。』
『まだ始まってないのに分からないじゃんそんなの!』
『…2人には悪いですけど、この勝負俺が勝ちます。』
『『え?』』
パンッ!
ピストルの音が響いた途端――フルーレは走り出した。
『は、速……っ!』
『チッ…フルーレの奴…っ。』
俺達はフルーレを追いかける。
『ふふ、これは俺に有利ですね。』
フルーレは難なく網をくぐりぬける。
『フルーレ君がんばれー!』
『ボスキ様〜!』
『ラムリ君〜!』
続いての平均台も…。
『っ、バランス感覚がいいな…っ。』
『リボンくんは昔バレエやってたから……っ。僕たちも負けられない…。』
『フルーレ…凄い…っ。』
フルーレは負けじと2人に齧り付く。
『はぁ、はぁ……っ。』
『透明な飴…っ。』
2人も遅れて辿り着く。
『チッ、包帯が邪魔だな…っ。』
シュル……っ。
『は…っ。ボスキ様……っ。』
『どんな姿になっても素敵ですわ……っ。』
『みふけた!(見つけた!)』
俺は飴を咥えて走り出す。
パンッ!パンッ!
『フフ、ミヤジ先生。フルーレが…。』
『あぁ。見事だね。』
『フルーレの奴…あいつもやれば出来るじゃねぇか。』
『はぁ、はぁ…俺が勝った……?』
(やった……。)
俺は応援席の華さんを見つめた。
そして、にこっと微笑む。
ドキンっ!
『っ……。』
(フルーレ…かっこよかったな。ずるいじゃん…。)
白熱していく…それぞれの想い。
次回
8時間目 交差する想いの束