「蒼くん大丈夫?気分悪い?」
「大丈夫….でも、今力が入らなくて立ち上がれない。ごめん」
「大丈夫。大丈夫」小さな手でオレの背中を撫でてくれて、だんだん落ち着き鳥肌もなくなっていた。
「ありがとうナギちゃん。だいぶ落ち着いた」
「よかった。手出して」
「あ、うん」
ナギちゃんに言われたとおり手を出すと優しく握られ「立って見て」
「うん….」足に力を入れると、すぐに立ち上がれた
「じゃあ、中に入ろう」
「いや….あの….」
「大丈夫。中に入ろう」落ち着いた声で囁き笑顔を向けオレの手を引いてくれた。さっきまで感じていたのはなく、わからないけど
なんだか落ち着く すごく不思議
「じゃあ、蒼くんはあすこの座布団が敷いてあるところに座って」
「うん。わかった」
ナギちゃんに言われたとこに座りナギちゃんもオレの真正面に座った。
「さて、蒼くん話しをしようか」
「うん….」
「ゆっくりでいいから」
「わかった。まずオレは….
ゲイなんだ」
ゲイって….自分の口から出した言葉に、本当に自分は普通ではないんだ…と思ってしまった
静かな哀しみに喉が締め付けられる
「それで…ごめん、ナギちゃん話し長くなる」
今にも苦しく切なくなり胸が鷲掴みにされたような感覚に陥りナギちゃんに伝えた。
「大丈夫。全部聞くよ最初から
だから、ゆっくり自分のペースでいいんだよ」
澄んだ声で優しく微笑みをかけてくれた。
「ありがとう」お礼をいい、息を吐き今までのことをゆっくり吐露した。
「高校三年生の夏に気づいたんだ」