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若井は慌ててスマホで119番を押し、声を震わせながら状況を伝えた。
「友達が意識を失ってます!すぐに来てください、住所は……はい、反応がないんです!」
電話の向こうでオペレーターが落ち着いた声で指示してくるが、若井の焦りは収まらない。
「あと何分で来られますか?!早くお願いします!」
通話を切った若井は、そのまま涼ちゃんの肩をそっと揺すぶる。
「涼ちゃん、なあ、聞こえる?おい、返事してくれよ……!」
耳元で必死に呼びかけるが、涼ちゃんの表情はどんどん青白くなり、呼吸も弱々しくなっていく。
――なんでこんなことに。
時間の感覚もなくなった頃、サイレンの音が近づいてきた。
「来た!」
慌てて玄関まで走り、救急隊を家に案内する。
慣れた手つきで涼ちゃんの状態を確認し、担架に乗せて救急車へ運ぶ隊員たち。その後ろで若井は涙をこらえて立ち尽くした。
ふと、玄関先に駆けつけてきた元貴の顔が見える。
「元貴!お前、救急車乗って、一緒にいてやってくれ。俺、車で行くから!」
強く元貴の肩を押し、若井はすぐに自分の車へ走った。
心臓が壊れそうなほどドキドキしながら、彼は救急車の後を全速力で追った。
――どうか何もないことでいてくれ
その願いだけが、胸の中で何度も繰り返された。