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週の始まりの月曜日──
クリニックの昼休憩時に、近野さんの代わりに新しく入った森川さんと、真梨奈との三人でカフェに入って、
(やっぱり先生の作った料理の方が美味しいかも…)とか、ぼんやりと思いつつ、ランチを口に運んでいたら、
「……ねぇ、智香って、やっぱり政宗先生と付き合ってるでしょ?」
急に真梨奈が言い出して、飲んでいたカップのスープにむせそうになった。
「えっ? 永瀬さんって、先生とそういう関係なんですか?」
森川さんにそう突っ込まれて、
かつての近野さんとのやり取りがふと思い出されて、言葉に詰まると、
「もう、バラしちゃいなよーねぇ、智香」
真梨奈に言われて、
「……う、うん…」と、言いよどんだ。
森川さんについては、事前に充分に調べたようにも先生が言っていたから、もうあんなことはないのかもしれないと思うけれど、警戒心が湧いて咄嗟には答えられずにいると、
「本当にそうなら、お二人ともとってもお似合いだと思います」
森川さんから、そうにっこりと笑って伝えられて、
そのおっとりとして安らぐような笑顔に、彼女はあの人とは違うんだと感じて、「…あっ、ありがとう……」と、肯定の返事をした。
「やっと、認めたー」
口にした真梨奈が、
「もう、やきもきしてたんだよ〜智香ったらなかなかはっきりしないし、大丈夫なのかなって」
彼女と同じような笑みを私に向ける。
「うん、そうだね……」
頷いて返すと、色々な出来事が浮かんでは消えて、少しだけ感慨深くも思えた。
「挙式には、きっと呼んで下さいね」
森川さんから言われて、
「……まだ、そんなの早いから」
そう手を振って否定をする。
「ダメだってー女だって責めるのも、大事なんだってば!」
真梨奈にそんな風にも言葉をかけられて、”責める”なんて……と、ついちょっと照れて赤くなりそうになると、
「もう、赤くなっちゃって〜幸せそうなんだから、智香ったら」
真梨奈に笑って冷やかされ、
「お幸せに……」
森川さんがそう続けて、
込み上げる幸福感を噛みしめながら、もう一度、「ありがとう」と微笑んで二人に返した……。