はやく本編行きたいので、前置きなくスタート。
〈💚side〉
💚「……ぅ…そッッ…でしょっ?」
目の前の光景を、思わず身体が拒否してしまう。
だって、信じたくない……大切な親友が……俺にとってかけがえのない彼が……こんなッッ状態に…。
💚「ねぇ…ねぇ!!ひまちゃん!!」
💚「返事してよッッ!!ねぇ、目を覚ましてよ!!!」
💚「俺は目を覚ましたっ!!ひまちゃんのおかげで目を覚ますことができたよッッ!!」
💚「だから…だから……お願い…ッッポロポロ」
どれだけ話しかけても、起きることのない彼を見て…俺は絶望する。
そして、同時に殺意が湧く……。
母「な、なつ……っ…何で…?」
彼をここまで追い詰めたであろう、目の前のコイツに…。
許せないって、こんななんだな。
殺意と怒りで満たされて、全てをグチャグチャにしたくなるんだ。
💚「……許さない、お前を俺は一生許さない!」
母「……どっちのセリフよ。こっちもあなたさえいなければ…こんな事になんかならなかった。」
母「折角の計画が…そして、私の…息子をッッ!!」
母「ビクッ」
💚「お前に彼の4を怒る権利も、悲しむ権利もない。ただ、利用しようとしたクズが彼を思うのもおかしいぐらいだ。」
💚「お前はここでくたばるのがお似合いだ…。」
母「…はッ?…カハッ!?(吐血)」
💚「…致命傷は避けたか、運のいいやつだ」
母「(この私が…能力で切られた?なつとの戦いで消耗しているとはいえ……能力を扱って数ヶ月の奴に?)」
母「くっ……魔技【光線】!!」
💚「………」
母「(当たった…。魔力が少ない分【光線ー改ー】は使えなかったけど、威力的には致命傷になってもおかしくは…)」
母「!?、スカッ(避ける)…嘘…反撃!?」
💚「……この程度の攻撃で倒せると思ってるなら、たかが知れる。」
💚「(風を纏う)…俺の風は元々防御向きだ。壊せると思うな。」
母「っ…(何で…何で急に強くなった!?なつが4んでから、何でこうも強化したのよ!)」
母「……まさか、大切な存在が居なくなったから…一時的に覚醒したとでも言うの?それすら…も突然変異種の能力とでも言うの……?」
💚「……次で確実に殺す」
母「ッッ……」
💚「っ!…これでッッ!!」
💚「!!………バッ!!(振り返る)」
💚「ひま、ちゃんっ…?」
❤️「………………す、ち?」
💚「っ!、ひまちゃん!!タッタッタッタッ」
血塗れの身体から発せられるか細い声を、今の俺は見逃さない。
すぐに駆け寄り、彼の身体を優しく抱える。
脈から彼の鼓動が伝わってくる。この出血量じゃ、すでに4んでてもおかしくないのに…生きてたんだ。
💚「ひまちゃん、ひまちゃん!…すぐに治すからっ!!」
❤️「す……ち…っ、ぶ…じ”…か?」
💚「そんなことどうでもいい!!今はひまちゃんが…ッッ」
❤️「答……ぇ…て?」
💚「無事、だよ…!!何もないっ!」
❤️「………そっか……すちは…ッッぶ、じか…」
💚「それがどうしたの!!速くしないと…ひまちゃんがッッ!!」
❤️「………お、れは……もうぃ…」
💚「!!、何を……言ってる、の………」
❤️「すちが………生ッきてる、なら…それでいいんだッッ…」
💚「俺が……生きている。なら?…そんなわけないでしょ!!このままだと…ひまちゃんがッッ!!」
❤️「……お、れは…これで…いいッッ」
💚「なんでそんなこと言うのッッ!?!?」
❤️「……それが……約束…だからッッだ…」
💚「……約、束?」
💚「………まさか、……ッッ」
ボロボロになった跡、魔力が枯渇している気配、切られたような跡と羽がない現状……。
ずっと信じられなかった、強くてカッコいい彼がこんな負け方すると思えなかった。
………でも、思いついてしまった。わかってしまった。
💚「………俺を庇って、その怪我を負ったッッ…の?」
❤️「…………はは……やっぱ、ばれッッた?」
💚「っ!!」
💚「…何で…何でっ……だよポロポロ」
❤️「……なんで……って」
❤️「…ッッ…言っただろ?」
❤️「全てをかけてでも守るってさ。」
💚「っ!……」
❤️「だから…ッッ守った…。」
💚「……そんな、……ッッ」
……ひまちゃんは何もおかしなことをしていなかった。ただ、2人で交わした約束を…誓いを守ってくれただけだった…。
何で俺は…こんな弱いんだよッッ。
ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと……弱さを感じた。
いじめられた時だって、助けてくれたのはひまちゃんだ。
母に襲われた時だって、そして今だって……いつも助けてくれたのは……ひまちゃんだった。
俺はいつまで迷惑をかけるんだ…ッ
俺は今、怒りに身を任せて目の前のコイツを殺そうとした。ひまちゃんが4んだ責任を、他人に押しつけようとした……
でも、実際は違う。
ひまちゃんをここまで傷つけたのは…俺だ…ッッ
俺が…ひまちゃんを殺そうとしたも同然。
俺こそが…怒りや悲しみに暮れてはいけないんだ……。
何だよ…ッッ、結局…結局…。
また……俺のせいじゃん……ッッ…。
💚「………ごめんなさいッッ…弱くて……ッッポロポロ」
💚「こんな…俺が…親友で、ごめんなさいッッポロポロ」
💚「迷惑しかかけていない俺を、ずっと……許さないで……ポロポロ」
❤️「…………す、…っち」
💚「!!…」
❤️「…何で…そんな、こと…言うんだよ…ッッ」
❤️「毎日…楽しくて、自分らしく……居られるッッ…、俺を変えてくれた……そんな、お前に…感謝しかねぇんだよ…俺…ッッ…。それに……」
❤️「俺と、親友になったこと…を…っ…後悔しないでくれ…ッッ…」
💚「っ!…」
❤️「俺は、…そうしたいから……そうするべきだとっ…思ったから、助けたんだ…ッッ…」
❤️「それを……謝られても…ッッ、…おッれ、は……嬉しくないし…悲しいよ……っすち…」
💚「ッッひまちゃん…」
❤️「……その命…、大切に……してくれよ…ッッ…俺の分まで…さ。」
💚「でも、…ッッでも………無理だよ…ポロポロ」
💚「俺はこのまま殺される…。弱いから…抵抗することもできずに……俺は……ッッ」
❤️「……すち」
💚「!…………ひま…ちゃん…っ」
❤️「おま…えは……っ…弱く、ない…。おれが…ほ、しょッッう、する…」
💚「……弱いよ…。弱いから守られたんだ…ッッ。」
❤️「……すち」
❤️「俺は…知って、る……お前は…俺以上の、戦闘センスを…持っていることをっ…。」
❤️「俺は…知ってる…。すちの力は……可能性、は……妖精一だ……ってことを…」
❤️「俺は…知ってる。…………す、ッッ…ちは…」
❤️「俺の託した思いを…無駄にしないって、こと」
💚「!!!」
❤️「……アイツは…確かに、強い…。でも、…今のすちなら……必ず勝てるっ…」
❤️「だって…、ッッ…俺が、付いてるから…」
💚「っ!」
………そうだよ、俺はまた、自分のことばっかり……考えてた。
ひまちゃんが繋いでくれた思いを…親友の絆を…無くそうとするなんて、駄目に決まっている。
俺が繋がなきゃ駄目なんだよ!!
ひまちゃんが、親友として認めてくれた俺じゃないと!!
💚「……ひまちゃん。」
❤️「………どう…ッッし、た?…すち?」
💚「………ありがとう…、そして」
💚「さようなら……暇72…。(優しく寝かせる)」
母「!……(なつが……確実に…4んだ。4んでしまった。)」
母「(でも………あの子は、さっきみたいな力を感じない。大切な存在が確実に4 んだというのに…覚醒していない?)」
母「(まぁいい……これはチャンスだ。今のうちに仕留める!!)」
母「魔技【斬撃】」
💚「…………風の力……解放」
母「!…大きな竜巻。」
母「くッッ………ザザザッ……近づけないわね」
💚「……ふぅ…(目を閉じる)」
魔力を使う時は、精神を安定させるのが基本。そのためには集中を切らさず、感情に飲み込まれてはいけない……さっきみたいな、怒りや悲しみなんかに暮れて、ただ力任せの攻撃は……完成度が低い、みっともない技だ。
そんな技使っている所見られたら…笑われちゃうな。
母「(この竜巻、完成度が高いわね……これじゃあ魔技は届かなそう。)」
💚「ファサッ!!(羽を広げる)」
母「!…上からか」
💚「この竜巻は、彼が俺の力を認めてくれた…最初の技だよ。」
母「……」
💚「すごいでしょ?…俺の力。」
母「そうね…でも、その竜巻…あなたの方の負担もすごいんじゃないの?」
💚「………(もう、気づかれた)」
母「あなたは強いけど、戦闘経験が圧倒的に少ない。そんなあなたじゃ、私を倒すのは…ちょっと厳しいかもね。」
💚「………そうかもね。前の俺だったら、同じ考えだったかも。」
💚「でも、今は違う。俺は必ず倒す……託された思いを、果たさないといけないんだ!」
母「口で言うのは…簡単なのよ?さっきあなたたちが話していた間に…魔力も少し回復したし…十分に戦えるわ。」
💚「でも……あなただって…本当はキツいはずでしょ?」
母「……」
💚「ポーカーフェイス…崩れているよ?」
母「っ!…コイツ」
しっかりと相手を観察すれば、俺みたいな奴でも分かる。身体中の傷と、無気力な羽、そしてあまり感じることのできない相手の魔力。
今のコイツはすでにボロボロで、こうやって偉そうにするのも必死な状態。
そこまで追い詰めてくれたのは、彼が全てをかけて削ってくれたからであり……………俺の力と可能性を、信じてくれたからだ。
ここまで舞台を整えてくれたなら、答えるのが託された者のやり方だ。
💚「勝つよ、絶対に。」
第19話「決戦、託された者の力」
コメント
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あふっ... 神すんぎです😇 熱い展開がッ!!! 続きもめっちゃ楽しみにしてます✨