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mtk side
僕は考えた。
自分は若井に 「守られている」だけなのか、と。
ある日、僕の方から言った。
「ねえ。若井は、僕と一緒にいたい?」
若井は即答しなかった。
慎重に、言葉を選ぶ。
「…居たい。
でも、それで元貴が苦しくなるなら、引く」
僕は首を振った。
「苦しくない。
僕が、選んでる」
その瞬間、若井の表情が少し崩れた。
安堵と、抑えていた感情が混ざった顔。
「…ありがとう。」
僕たちの関係は
静かに、それでも確かに変わっていた。
連絡の頻度が増え、
「おはよう」 と 「おやすみ」 が自然になる。
僕が体調を崩すと、
若井は「無理するな」と言うだけで
管理しない。
若井が疲れていると、
僕は「今日は休もう」と提案する。
どちらも、相手をコントロールしない。
それが、僕たちにとっての甘さだった。
〜
wki side
ある夜、雨音の中で、
元貴はぽつりと言った。
「…ねぇ、若井。
僕、若井のこと好きだよ。本気で。」
逃げ道はあった。
冗談にもできたはずだ。
それでも、俺を見て言った。
俺は一度目を閉じてから、
低く、穏やかに返した。
「俺も、好きだ」
それ以上、何も言わない。
約束もしない。
ただ、その言葉がそこにあった。
「…元貴、公園行かない?」
お互いの気持ちが分かった今、
何もしないのは臆病だ。
今日、告白しよう。
そう決めた。
しかし、告白するには場所がよくない。
もう少し開けた場所で、
ちゃんと気持ちを伝えたい。
本気で、元貴と付き合いたいから。
「ん、わかった。」
二人で小さな傘に入り
肩が触れ合いながらもゆっくり歩く
お互い無言で向かう中
これまでとは違い、空気が重くならなかった
公園に着いた時、元貴は
「っ、べ、ベンチすわる、?」
とよそよそしく問い掛けてきた。
どこか緊張しているようだ。
雨の中濡れているベンチに
元貴を座らせたくはない。
「元貴が濡れちゃうからだめ」
そう言い俺は元貴の方へ振り返り
目を合わせる。
元貴の頬に手を伸ばし
すり、と愛おしく、優しく撫でる
そして、息を呑み
雨音と共に元貴へ言葉を送る
「元貴、好きだよ。
ずっとずっと前から、元貴のことが好きでした
俺と、付き合ってくれませんか?」
元貴は目をまるく開き、驚く
ほんのり赤く染まっていく頬が愛おしい
そして目には涙が滲み
その雫を隠すように俺に抱きついてくる
「若井」
俺の胸の中に居たまま顔を上げた元貴は
涙声で赤く染まった頬、鼻と共に
俺の名前を呼ぶ
「よろこんで、っ!」
くしゃりと暖かく明るい笑顔を浮かべ
更に抱きつく力が強くなる。
その笑顔が雲を晴らすかのように 雨は止み
月明かりに照らされる元貴が居た
この日、この夜
俺たちは正式に付き合い、パートナーとなった
コメント
2件
うわぁぁぁっ、!! こんな夜遅くにすみません、 一気させていただきました 最高でした……、 これからも頑張ってください!