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ナギサノサナギ
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「ライ〜! 見て見て!」
休日の朝。
リビングから聞こえてきた元気な声に、伊波ライは顔を上げた。
「どうしたの?」
「これ!」
緋八マナが嬉しそうに見せてきたのは、小さなベビー用品のカタログだった。
「かわいいやろ!」
「まだ気が早いって」
「でも見てるだけで楽しいんよ!」
「それはわかる」
二人でソファに座りながら、あれこれ話していると、スマホが鳴った。
『今日みんなで集まらん?』
送ってきたのは赤城ウェン。
「お、ちょうどよかった」
「行こ行こ!」
午後。
二人は赤城ウェンと小柳ロウの家を訪れた。
「いらっしゃーい!」
「お邪魔しまーす!」
「久しぶり!」
ロウがお茶を用意してくれ、四人はのんびりと近況を話し始めた。
「で、なんかいいことあった顔してるよな?」
ウェンがニヤニヤしながら言う。
「え、わかる?」
「わかる!」
マナはライと顔を見合わせて笑った。
「実は……家族が増える予定で」
「え!?」
「ほんとに!?」
ウェンとロウの目が丸くなる。
「おめでとう!!」
「めでたいじゃん」
「ありがとう!」
「いや〜、これはお祝いしないとね!」
ウェンが大喜びする横で、ロウも優しく微笑んだ。
「二人ともすごく幸せそう」
「まだ実感ないけどな〜」
「いや、顔がもう親なんよ」
ロウの言葉に、マナは照れくさそうに笑った。
「そうかなぁ」
「そうだよ」
すると、ウェンが急に真面目な顔になった。
「俺たちも、いつか家族が増えたらいいなって話してたんだ」
「おお!」
「そうなん?」
「うん」
ロウも少し照れながら頷く。
「まだ先かもしれないけどね」
「絶対いい家族になる!」
「マナに言われると嬉しいな」
四人で笑い合いながら、ゲームをしたり、お菓子を食べたり。
気づけば夕方になっていた。
「楽しかった〜!」
「また集まろうな!」
「今度はイッテツたちも一緒に!」
帰り道。
「ウェンたちも幸せそうやったな」
「うん」
「みんなで子どもたち連れて遊ぶ日とか来るんかな」
「来ると思うよ」
「楽しみやなぁ」
その夜。
お風呂上がりのマナがソファに座っていると、スマホが鳴った。
「ん?」
送信者は佐伯イッテツ。
『報告! 二人目ができた!』
「えええ!?」
「ライ!!」
「どうした!?」
「イッテツんとこ、二人目やって!」
「ほんと!?」
すぐに電話をかけると、向こうから嬉しそうな声が聞こえてきた。
「聞いてくれよー!」
「おめでとう!」
「ありがとう!」
「すごいなぁ!」
「先輩パパ、さらにレベルアップやん!」
電話の向こうでリトの笑い声も聞こえる。
『賑やかになるよ〜』
通話を終えたあと。
マナは嬉しそうに笑った。
「なんか幸せな報告ばっかやな」
「うん」
「みんな少しずつ家族が増えていくんやなぁ」
「俺たちも負けてられないね」
「競争じゃないって!」
二人は笑い合った。
窓の外には、星が静かに輝いていた。
幸せな報告が繋いでいく、優しい日々。
そして、この時。
まだ誰も知らなかった。
数か月後、赤城ウェンたちにも嬉しい知らせが届くことを。
コメント
1件
しろまるさん、第3話読了です。ウェンとロウの家での集まり、みんなの自然な会話がとても温かかったです。「顔がもう親なんよ」ってロウの言葉、すごく染みましたね。最後にイッテツから二人目報告が来る流れも、伏線の効かせ方が巧みで「なるほど!」と膝を打ちました。次々と幸せが連鎖していく構造、とても好きです。