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月の信託

12 - 第12話だってあなたは、 私と同じだから。

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2022年10月08日

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私にはわからないけれど。

だからといってそれは、 あなたのせいではないからね。

私の理解できないものが、 必ずしも悪いものとは限らないよ。

あなたにもわかるように、 私が教えてあげるから。

あなたを傷つけたりしない。

あなたを苦しめるものじゃない。

だってあなたは、 私と同じだから。

同じ人間同士なら、 わかり合えるはずだよね? 私を信じてくれるかな? 私を受け入れてくれるかな? 大丈夫だよ。何もしないから。

ほら、怖くないよ。

ちょっとお話ししたいだけなんだ。

ねえ、君の名前を教えてくれないかい?……うん!やっぱりね!!嬉しいなぁ! よろしくね!えっと……じゃあ君は今日から……そうだなぁ。……『ソラ』くんにしましょう!! ソラ……いい名前でしょう? 君の好きな空と同じ響きを持つ素敵な名前さ! 君にはぴったりだと思うんだよねぇ。

ふふっ。そう怒らないでくれよ〜。

気に障ったのなら謝るからさ。

ごめんってばー。

あっ!また怒ってる! 怒った顔も可愛いけど、あんまり眉間にシワを寄せると跡が残っちゃうぞぉ? せっかく綺麗な顔をしてるんだから、笑ってた方が得だよー? ほらぁ〜笑顔スマイルぅ♪……ねぇ、ちょっと待ってよ。

なんで逃げるわけ!? ちょっ、待ちなさい!! あああッ!!逃げないでぇええッ!!!……あれ?ここはどこだろう。

確か僕はいつものように学校に行って授業を受けて放課後になった瞬間ダッシュで家に帰ってゲームをしていたはずなのにどうしてこんな真っ白な空間にいるんだろうか。

おかしいなと思い自分の格好を確認すると、制服ではなく白いシャツにズボンだけの姿になっていた。……本当にどういうことだろう。

『ふむ、ようやく来たか』

困惑している僕の背後から不意に声をかけられたので慌てて振り向くとそこには神様らしき人が立っていた。

その人は僕を見るとニヤリと笑いこちらに向かって歩いてきたのだが、何故か足取りはおぼつかなく今にも倒れそうだった。

「あの……大丈夫ですか?」

思わず心配になり駆け寄ろうとするとその人物は右手を前に出し静止してきた。

『案ずるでない。ただの魔力切れじゃ。お主のおかげでどうにかこうにかこの世界に干渉できるようになったからの』

「それは良かったですね」

正直何を言っているのかよく分からないけれどとりあえず返事をしておいた。

それを聞いた神様は満足げな表情を浮かべた後、先程よりも強い力で僕の肩を掴み口を開いた。

『さて……』

『今日は何の話をしようかな?』

【解説】

『泡沫花病』(ほうまつばなびょう)

日本に伝わる奇病の一つ。発病者は周りの人間から生える植物を見てパニックに陥る。

症状が進むと老化が進み若返っていく。最終的に全身の花化が進行し死に至る。

【参考文献】

『図解 世界の怪奇現象ファイル 身近な怪事件の謎に迫る!』

(著:スティーヴン・キング,訳:小松左京/文藝春秋刊)

「この辺りじゃあ、あんまり見かけない顔だね。どっから来たんだ?」

そう言って、彼女は僕に声をかけてきた。

僕は振り返ると、彼女に微笑む。

「旅をしてるんです。ちょっと、そこまで」

僕の答えは、間違っていたのか。

僕の声は届かなかったのか。

僕は君のために、何をすればよかったのか。

君の笑顔を見たかっただけなのに。

今となっては確かめようもないけれど。

もしもう一度やり直せるならば、 今度はもっとうまくやってみせたい。

君を幸せにする。約束するよ。

だから、どうか目を覚まして。

君はいつものように笑って欲しい。

それさえ叶うなら、他には何も望まないから。

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