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自分の言ったことに照れるあまり、グラスの中身をひと息に飲んでむせて咳き込むと、
「ほら、そんなに焦って飲まなくても」
彼が席を立って来て、私の足元に膝をついた。
「私の作る料理を、あなたに好きだと言ってもらえるのは、この上ない喜びですね」
身体が抱き寄せられ、背中をぽんぽんと優しく叩いてくれる。
「そんな…大げさです…」
「いいえ、大げさではなく、私は、君に好きと言ってもらえるのなら、本当に料理を作ってよかったと」
背中を撫でながら、ミネラルウォーターを注いだグラスを口元に傾けて飲ませてくれると、
「口から、水がこぼれて…」
垂れた水滴に唇を寄せ、彼がちゅっと口づけた。
「君の唇に触れると、もっとキスがしたくなってしまう」
私の頬を両手で挟んで、額にそっとキスを落とすと、彼はふっと唇を離した。
「これ以上すると、いろいろと我慢ができなくなりそうなので、あなたの作ってくれた料理が冷めないうちに食べましょうか」
そうして自分の席に戻ると、「君も、料理も、どちらも美味しいですが、」彼はそんな風にも口にして、私の顔をさらに赤面させると、
「君のことは、今はおあずけということで」と、クスリと笑いを浮かべて、箸を手に取った。