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「なぁ、頼むよ。」

「嫌っていってるでしょ。」

花街の一角の茶屋で、菊田は遊女に言い寄っている。

「スパイになれる優秀な人材を探しててさ、君ぴったりなんだもの。」

「またそんなこと言って。」

「ほんとだよ。君がいちばん櫛貰ってるだろ??どんな汚れ仕事も難なくこなせてる証拠だ。」

実はこの茶屋、裏では遊女に櫛を渡せば要人から一般人まで、強い恨みを持たれている人を殺すことを生業としている暗殺集団で、遊女は特別な訓練を受けている。

「私が貴方にいつ櫛の数を教えたかしら。」

「こちらの諜報機関を舐めて貰っちゃ困る。」

「とかいって貴方が勝手に調べたんでしょ、通いながら。」

「中央はここ、えらく贔屓にしてるぞ。女と寝れて邪魔者も始末できるんだからな。特に君は一流の遊女かつ殺し屋だ。」

「最終的には身体が目当てなんでしょ。中央も貴方も。」

「少なくとも俺は違うぞ。」

「どうだか。さんざん寝たじゃない。」

「でも君は、俺としか寝てないだろ??遊女が男を選ぶ立場じゃないのに。」

「貴方だけ素性が中々特定できなかったからよ。貴方も私と寝て何か掴んだ??」

「もちろん、君の敏…」

「それ以上言うな。」

と遊女は扇子を菊田の眉間に付き出したが、菊田は怯むことなく遊女を押し倒しす。

「鉄扇を常に身につける遊女がどこにいる??なぁ、忍の末裔さん。」

言い返そうとする遊女の口を接吻という形でふさぐ。

「いい顔。」

「うるさいっ!!」

「実はもう、お前の入隊は決まってるぞ。」

「はぁ!?」

「俺は明日から旅順に行くことになってな。その間お前は中央直属のスパイ養成機関で軍人としての振る舞いを勉強してもらう。俺が帰ってくれば部下として、ある人物の動向を探ってほしい。」

「帰って来なかったら…。」

「帰ってくるさ。」

「それにある人物って、ちょっ!!」

菊田は首筋に口づけし、着物の裾から手を入れる。

「仕事の話はここまで。ほら、今から君は遊女だ。」

「わかりました。菊田様…っ!!」

「よし。良い子だ。」

ということで、彼女は翌日中央に呼び出され、訓練漬けの日々となり。

「(あの野郎、死んでも帰ってこい!!)」

菊田への怒りが原動力となり、めきめきと頭角をあらわすのだった。

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