黄「さようなら。」
彼に別れを切りだした。
最愛の彼の浮気のせいだった。
女の人と出かけて、手を繋いだりハグをしたり…
全て見てしまったのだ。
知りたくなかった。知らなければ幸せでいられたのに。
青「お願いッ話を聞いてよ黄くんッッポロポロ」
意味がわからなくなった様子を見せながらも、
僕に必死に縋り付いて泣きじゃくる彼。
そんな彼に最後のキスをして、
「大好きだった」
と言って家を出た。
翌日紫くんから電話がかかってきた。
彼が飛び降りをして重体なんだと。
僕は頭が混乱した。
どうして彼が飛び降りるんだと。
どうして彼がそんなに追い詰められたんだと。
意味が分からない。
泣きたいのはこっちなのに。死にたいのはこっちなのに。
なのに浮気をした癖に泣いて縋り付いてきた憎い彼を心配に思ってしまうのはどうして?
意味が分からないよ。
僕は頭が混乱したまま病院へ急いだ。
黄「紫くんッ!!ッはぁ、はぁ…」
紫「黄くん…グスッポロポロ」
黄「青ちゃんはッ?」
医者「残念ながら…ッ」
紫「ボロボロ」
黄「ッッ…!」
医者「失礼します。」
医者「青さんの鞄に遺書と手紙の付いた小さな箱が入っていました」
医者「中身のご確認お願いします。」
黄「…はい」
黄「遺書からで…」
手紙
黄くんへ!!
自分が大変な時だって、辛い時だって支えてくれてありがとう!
皆には腹黒とかサイコパスとか言われてるけど、本当はすっごく優しくて、可愛くて甘えん坊なの、僕知ってるよ!
黄くんが隣に居てくれるから僕は生きられるんだ!
嘘じゃないよ?本当なの!!
今度は僕がいつでも支えてくれた黄くんを支えたいんだ。
すぐ泣くしすぐ拗ねるし、頼りないけど…
僕、絶対黄くんの事宇宙一幸せにするって誓うから!!!
僕と結婚して欲しい!!
黄「キュ…(服を強く握る」
黄「うそ…グスッポロポロ」
紫「トントン…サスサス」
紫「…こっちも見ようか」
遺書
勝手に飛び降りてごめんなさい。
僕酷いことしちゃった。
黄くんの事沢山傷つけて、笑顔にするって言ったのに結局出来なくて。
浮気してるって思われるようなこともしちゃったし。最低だよね。
でも、僕本当に黄くんが大好きだよ
あの日並んで歩いてたのは従姉妹なんだ。
黄くんは可愛いものが好きだから何かプレゼントしたくて、
でも何がいいかとかわかんないから従姉妹に手伝って貰ってたんだ。
悲しい思いさせてごめんなさい。辛い思いさせてごめんなさい。
結婚指輪、渡したかったな。
黄「うッうぁぁぁんッッボロボロ」
黄「青ちゃッ青ちゃんごめんなさいッッグズッボロ」
黄「僕ッッボロボロ」
紫「…ポロポロ」
黄「青ちゃんッやだッやだよぉッグズッ」
黄「帰ってきてよぉッッポロポロ…」
黄「うッうッ…ぐす…ボロボロ…」
黄「僕が悪かったからぁ…ちゃんとごめんなさいするからぁッッボロボロ」
紫「黄くんは悪くないよッ…ポロッ」
数日後、彼のお葬式が行われた
棺の中で眠る彼はとても綺麗だ
死んでいるなんて到底思えない。
だからこそ余計に辛くなって涙が止まらない。
黄「ぐすッぅ…ひぐッうぇ…ボロボロ」
黄「うぅ…青ちゃッッ…グスッポロポロ」
遂に火葬の時間が来てしまった。
彼はまだ綺麗な顔をして眠っている
早く起きて、いつもの笑顔で笑いかけてよ
青ちゃんとお別れなんて嫌だ
そんな僕の想いなど届く訳もなく火葬場で燃やされていく君
あぁ…もう死んじゃったんだ
黄「青ちゃんッ…青ちゃんごめんなさい…」
黄「僕が悪かったから…帰ってきてよ…」
黄「勝手だってわかってる…でも」
黄「僕、青ちゃんが居ないと生きられないよぉ…グスッポロポロ」
心地良い風が吹く
彼と沢山の夜をここで過ごした
僕の思い出が詰まった屋上
今となってはこれさえも僕を苦しめるモノだ
黄「ごめんね青ちゃん」
黄「ずっと離れないって約束したくせに冷たく突き放して」
黄「ごめんね」
黄「最期まで愛せなくて」
黄「ごめんね…独りぼっちにさせて」
黄「もう大丈夫…僕もそっちに行くよ」
黄「…ははッ」
黄「さよなら赤」
黄「さよなら桃くん」
黄「さよなら橙くん」
黄「さよなら紫ーくん」
黄「さよなら世界」
黄「…さようなら僕」
黄「青ちゃん待っててね」
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