TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
何処かの世界で

一覧ページ

「何処かの世界で」のメインビジュアル

何処かの世界で

8 - 部屋の整理と久々の感情

♥

48

2025年03月12日

シェアするシェアする
報告する



「もう、いいや。いっそのこと………全部」


諦めよう。そう、覚悟出来た。ベットの上で。

何をしても、されても、言われても、何も変わらなかった。いや、変われなかった。

そんな俺の存在価値なんて、皆無に等しい。全く変われない俺に生きる意味は、ない。

さっさと終わらせよう。これで、過去にも今にも、片がつく。全てを終わらす事が出来る。



「嬉しいな、あともう少しで全てが終わるんだから」



そんな事言ってるが、心の奥底では、何か分からないが感情がある。

なんだろうか……この感情は。どこか悲しい、?様な………“今”の俺には分からないな。



さて、ちょっと部屋の整理でもしようかな。遺品整理か。いや死ぬ前に遺品って言うか?

まぁいいや。えっと……色々あるな。アルバムや……アルバムしかないな。本がちらほらぐらい。

本当に何もないな……整理始めた意味無くなるな。元々そこまで物とか持たなかったからなぁ。

思ったよりない。写真が多めだな。思い出はこうやってしまっておきたい。風化しない様に。

あ、これは……ノート?あぁ、暇な時に日付書いてここに落書きしてたっけ。最近やってないな。

後で描くかな。何描くかは決めておこ。って半年やってない。死ぬ前に少しでもやっておくか。


後、どっかに手紙と封筒があった気がする…………お、あったあった。

とりあえず、これに遺書をっと。ギリギリまで書かないからな。絶対。その方がいいかな。

さて終わった。やる事ないし、落書きでもしてよっと。何描こっかな、考えてなかった。いっか。


「ん……?これは……?」


机に上にあったのは、埃被った写真と片方しかない耳飾りだった。

確か3、4年前に封魔がくれたような。二つで一つになるやつ。それの片方か。


「ちょうどいい、かな」


いつの間に口にしていた言葉。その時、俺が思いついたのは一つ。


“人生最期の日、この耳飾りをつけよう”

そういえば、自殺日まで後4、5週間か。相変わらず時間っていうのは早い。

あっという間、だったな。この日々《人生》。本当に、楽しかった………?のか、?

今の俺には全く分からないな。ま、いいや。俺はともかく封魔達には長生きしてもらおう。

じゃないと俺が死ぬ意味がない。封魔達が俺の為にって言って後を追ってほしくない。

俺の代わりに生きてほしい。俺が感じる事の出来なかったシアワセと感情を、 感じてほしい。

まだ、生きていてほしいから。アイツらが、シアワセなら。俺は、それでいい。


「………………………あれ、?」


いつの間にか、頬に温かいものが流れていた。

久々だな。最低でも、5年前だ。あれ以来、こんな事は無かった。


「なんで…………“泣いて”………、?」


どうして、泣いているんだろう。そんなカンジョウは、とっくに捨てたはず。

あの日、5年前に全てのカンジョウを、捨てたはずだ。喜怒哀楽も、全て。どうして、?


「どう、して…………なんで……………、?」

“聞いたって、答えは返ってこない“





その時だった。







「封悪………、?」






澄んでいるが掠れていて、でもどこか優しい、そんな声だった。

月桜だ。コイツは耳がいいからドア越しから聞こえてきたんだろう。



「………………?」



月桜は少し驚いていた。深く息をつくと、 俺に、抱きついてきた。

「月、桜………、?」


「何も、言わないで」



そう言われて、暫く黙っていた。

沈黙の間も、涙は止まらなかった。









































体感だと1時間近くだったが、実際には10分程度たった時。俺から離れて月桜は言った。


「無理、しないでね。封悪」


そう、言われた。でも……………いや、ちゃんと返そう。


「あぁ……………“ありがとう”」



そう言うと、月桜は満足したかのような笑顔で部屋を後にした。

涙は、収まっていた。あんなに泣いたのは5年ぶりだった。少し、心が軽くなった気がする。


「嬉しい…………のかもな」


今の俺には分からない。でも、心の奥底が少し、暖かかった。

泣き疲れたせいか、いつもより眠い。今日は早めに寝ようかな。

さっさと風呂に入って栄養食を食って薬飲んで寝よ。そうするか。




〜お風呂入浴中〜




ポカポカだな。途中、母さんが連写してたからシバいたけど。

ほんっとにヤバいにもほどがある。せめて娘の風呂時間くらいは欲を抑えてほしい。

なんか封魔も乗っかって連写してたけどガーレとレーレイにより撃沈してたぜww

いやーあれは笑いかけた。後で母さんと封魔は説教祭りだな。楽しみだ本当。

てか、さっさと髪乾かさないと。髪長いから時間かかるけど………やるか。


〜ドライヤー中〜


やっと終わった。長かった。

さて、栄養食という名のカロリーメイト食って寝るか。


〜カロリーメイト食事中〜


美味かったぜ。めっちゃ眠いし、さっさと寝るか。

あ、リビングから声が。ガーレとレーレイと月桜か。大変だなアイツらも。


「おやすみ」


誰もいないが、ガーレ達の怒りの声の中、俺は眠りについた。










































































封悪の消滅まで、後、3週間と6日

この作品はいかがでしたか?

48

コメント

2

ユーザー

後約3週間か……… 封魔と無月ww

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚