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#ファンタジー
#ざまあ
設楽理沙
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「え……み、みちよちゃん?」
目の前で綺麗に下げられた頭に私は驚いた。
「顔上げて」
みちよちゃんはどこか不安そうで、今にも泣き出しそうに見える。
「ここでこうしていても話が進まないから中に入ろう」
泉くんのその一言により私たちは家の中へと案内された。
「みちよ、どうかしたの?」
玄関に上がると、奥から声がした。
顔を出したのは、愛くるしい容姿をした女性だった。真っ白なフリルをあしらったワンピースを着ていて、みちよちゃんとよく似ている。
「お母さん……お友達だよ」
「え、お母さん!?」
「こんにちは、香さん」
泉くんが挨拶すると、香さんと呼ばれたみちよちゃんのお母さんの表情が僅かに歪んだがすぐに笑顔になった。
「泉くん……こんにちは」
「彼女は同級生の水沢ましろさんです」
「は、初めまして!」
香さんの視線が私に向けられる。すると両手の平を重ね、ぱぁっと表情が明るくなった。
「まぁ! じゃあ、あの子ともお友達なのかしら? 呼んでくるわね。どうぞ、リビングでくつろいでいて!」
嬉しそうに微笑み、ふわふわの長い髪を揺らしながら階段を駆け上がっていく。
「……どうぞ」
何故だか少し元気がなさそうなみちよちゃんの後に続き、私と泉くんはリビングへ入った。
「わぁ!」
リビングの中に入ると、感嘆の声を漏らしてしまう。小花柄のソファに白木のテーブル。
真っ白なレースのカーテンに、一部がステンドグラスになっているお洒落な窓。そして、天井には鈴蘭型のシャンデリアが輝いている。
外観だけじゃなくて内観もすっごくメルヘンなお洒落な家だ。
「すごく可愛い部屋だね!」
「母の趣味なんです。……私たちも」
「え?」
どういう意味だろう。趣味って今みちよちゃんが着ている服のこととかかな?
「まるでドールハウスみたいだよね」
泉くんが私にだけに聞こえるようにぼそりと呟いた。
その意味を聞こうとする前に、香さんが二階から下りてきた。
「ほら、お友達よ! こっちへいらっしゃい」
香さんに腕を引かれてやってきたのは、薄茶色の長い髪で真っ白なワンピースを着ているみちよちゃんそっくりな人物だった。
けれど、みちよちゃんよりも背が高くて年上に見える。
「な、んで……っ」
酷く動揺した様子で瞳が揺らいでいる。
その大きな瞳がとらえているのは私だった。