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玲王愛され
キャラ崩壊、ネタバレ注意
逆行ifでやってます。なので捏造ありまくりです。
アニメ勢の方にはネタバレになってしまう部分があるので注意
口調迷子
それでも良ければどうぞ ↓
玲王side
「はぁ……運営側になるっつったってサッカーが下手じゃダメだし…運営になるなら絵心を認めさせる実力がねぇとダメだよな…」
俺はベッドに倒れ込み、必死に自分の優秀な頭脳を働かせる。が、タイミングが悪くばぁやと親父が部屋に入ってくる。
「玲王、どこの小学校に行くつもりなんだ。」
お前が言うほどだ、何か考えがあるのだろう?と、親父は俺を期待したような視線で見つめる。
そうだった…この頃の親父は俺があまりに上手くできた子供だったから、俺の事すんげぇ甘やかしてたんだったわ。なら……
「…考えなんて何も無いよ」
「え?」
俺がベッドから立ち上がり親父の目を真剣に見つめながら吐いた言葉に親父は戸惑う。
「親父の期待している俺になれなくてごめん、でも俺やりたいことがあるんだ」
「ッ!なんだ!言ってみなさい!」
俺が控えめにしゅんっとした顔で悲しげに言うと親父は飛びついてきた。
ほら来た…おれは待ちに待った展開にウキウキが隠せない。
「俺、サッカーがしたい。」
「わかった!!じゃあサッカーの強い××小学校がいいか?」
きた…!!かかったなクソ親父…!!これで俺のペースに…
「いや、俺埼玉の××小学校に行きたい。 」
「××小学校……??サッカーが強いなんて聞いたことないな…」
「嗚呼、確かに××小学校は確かに強くない。でも俺、そこで1番になりたいんだ」
「……。わかったいいだろう、しっかり1番になりなさい」
そう言って親父はくしゃくしゃと乱暴に俺の髪を撫でる。
(…昔はこういうワガママ言っても許してくれたんだけどな…)
過去のことを思い出し少し寂しくなったが、親父が俺の頭を撫で終えて部屋から出ていくとばぁやが話しかけてきた。
「坊っちゃま、どうして埼玉の××小学校なのですか?」
「別になんともないよ。」
「左様でございましたか。」
この頃の俺は気分と言えば気分となんとも楽な受け答えで許されてきた。めっっちゃ楽。でも何故か少し、ほんの少しだけど寂しさを感じた。
1週間後
入学式
俺は結局潔 世一のいる××小学校を選んだ。千切みたいに幼い頃から才能のあるやつでは無い、潔を選んだ理由は簡単だ。
俺はアイツの考えに興味があったからだ。俺たちのプレーや考え方はかなり似ていて、ブルーロックで少し話しただけでかなり盛り上がったことを思い出す。凪と仲違いしてなきゃ多分、潔は俺の中での印象はいいほうだった。
それともうひとつ、凪とまだ出会ってない、今のなんの感情もない潔と仲良くなってみたいと思ったからだ。前は私情で酷い態度をとってしまっていたが、今回はその根源の凪はいない。だから今度こそ仲良くなれたらと思った。
「えぇ……ごほん、であるからして、本校にご入学いただいたこと誠に……」
かれこれ15分、まだ挨拶を話している校長に俺は既に飽き飽きしていた。
(話長ぇよ……てか校長明らかにこっちチラチラ見すぎ…まぁ見るのも仕方ないけどさ)
俺は明らかに小学1年生とは思えない服装と、横にはSPが着いていた。それは小学生でも大人でもありえないことなのだが触れないでおく。
あー…周りの大人もコソコソ話してんじゃん…最悪…バレねぇようにって思ってたのに
俺は早くもこの状況に疲れてしまい、入学式が早く終われと心の中で願ってばかりだった。そうして適当に過ごしていると新入生の入学の挨拶になった。あれだ、名前呼ばれて元気よく「はい!」って言うやつ。
俺精神年齢的に結構きついんだけど…昔の俺よくできたな……すげぇ…
昔の自分に感心していた時、耳に聞き馴染みのある名前が入ってくる。
「1年3組!潔 世一くん」
「はい!」
そこには見覚えのある頭のてっぺんの双葉が特徴的な、サッカーボーイだった。
(アイツ、3組か…あとで話しかけに行くか)
そんなことを考えていたらいつの間にか自分の2つ前の人が呼ばれ始め、俺も覚悟を決める。この覚悟ってのはやっぱ、周りの大人の気持ち悪い獲物を狙うかのような視線を嫌々うける覚悟と、俺のプライドを捨てる覚悟だ。いける!完璧主義の俺なら行ける!と、念じていると名前が呼ばれる
「1年3組、御影 玲王様……じゃなくて、御影 玲王くん! 」
「はい。」
ミスんじゃねぇよ!!あぁもう!視線が余計酷くなっただろ!!と、心の中で担任に激怒しまくる。だが顔には決して出さないこれが俺のやり方だから。
そんなこんなで入学式が終わって教室へとみんなで列を作って向かう。向かう途中で女子の憧れなのか、初恋なのかよく分からない熱い視線を交わしながら俺はターゲットを見つめる。
(アイツが潔………、なんかただの無邪気の子供みてぇ…いや、今子供か)
心の中で自分にツッコミを入れるという、なんとも虚しい作業をやり教室へとはいる。
俺は親父の配慮が知らないけど、1番後ろの窓側の特等席だった。そして潔は運がいいことに俺の隣。ラッキー、なんて思ってた時隣から視線があることに気づいた。
「何か用?」
視線の主へと声をかけると、視線の主はあわあわと子供らしく戸惑いながらも話す。
「お、俺、潔 世一!よろしく!」
「俺はみ……、玲王。よろしくな、潔…くん?」
「潔でいいよ。よろしく。玲王くん」
にっこりと幸せそうに手を差し出す潔を俺が拒否できる訳もなく、大人しく握手をして視線を交わす。
「玲王でいいよ、潔。 」
「!! ありがとう!」
俺が名前呼びをして欲しいと言うと本当に嬉しそうに笑う潔はなんとも可愛らしく、庇護欲を掻き立てられる。
「ねぇ、玲王ってサッカー好きなの?」
「え?」
いきなりの潔からの俺が聞きたかった質問をされたことに俺は動揺が隠せなかった。
「あっ!いや、その。ランドセルにサッカーボールのキーホルダーついてたからつい…」
ごめんねっ!なんて可愛く謝られてそんな細部まで見てんのか……子供すげーなんて感心しかなかった。
「サッカーは今のところ好きだよ。もしかして潔も好き?」
「!! 俺も好き!玲王!今日入学式終わったら俺とサッカーしよう?!」
やばい、これはやばい。潔に犬の耳としっぽが見えてきた…もう完全に犬にしか見えねぇ…
「いいぜ、でもちょっと待っててくれないか?ちょっとやることがあるんだ。」
そう、やることと言うのは勿論SPを追い返すという試練のことだ…カメレオンが覚醒した今、親父に俺のサッカーの情報を下手に与えられて、サッカーをやめさせられるなんてありえない。だから情報を伝えるやつを排除しなければならない。
「わかった!じゃあ……えっと…お昼食べてから俺ん家の前の公園でいい?」
「いいけど、お前ん家どこ?公園の場所知らないんだけど」
「えっ……と…、わからないから母さんに聞いてくる!」
「わかった、じゃあ何時集合にする?飯食ってからだから14時あたり?」
「?? 14時?14時ってなに?」
頭にはてなマークが出ている潔を見て俺はあっ…となる。そうだ、コイツっていうか俺ら今日入学したてのほやほやだったんだ…時間の概念とか、場所を伝えることとか、小学校1年生が入学式でできるわけなかった!!
しまった……と、頭を抱えている俺を見て潔は頭が痛い??とか、大丈夫?お熱ある?なんて可愛い言葉で心配してくる。
これがサッカーになると二重人格で暴言吐きまくるのか…怖っ!なんて上の空で考えていたら潔が本気で心配そうな顔で見つめてきたから、大丈夫ということを伝えると、心底安心したような顔をした。