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続き頑張ってください! ううっ!玲王〜!、潔さんのこと撫でて欲しかったけども…あれが玲王だよなぁ~
いつも神作品ありがとうございます😭
玲王愛され
キャラ崩壊、ネタバレ注意
逆行ifでやってます。なので捏造ありまくりです。
アニメ勢の方にはネタバレになってしまう部分があるので注意
口調迷子
それでも良ければどうぞ ↓
なんやかんやあったが入学式は無事終わり、潔とは友達になれた。
潔はもともとコミュニケーションが凪と違って、取りやすいタイプだから余裕で話しかけられても対応できるし、俺が変なこと(大人じみたこと)を言っても深くは聞かずスルーしてくれた。
放課後の遊びは潔のお母さんが時間やら場所やらを教えてくれた。なんだかポヤポヤしている人で、本当に潔と血繋がってるんだなーって実感してしまうような人だった。
潔のお母さんは俺を
『なんだか大人みたいね〜、よっちゃんもこんな風になるのかしら!楽しみだわ』
と、超呑気に言っており潔に
『母さん!玲王は俺と同い年だよ』
なんて返されふふふっ、と楽しそうに笑っていた。なんだかそんな親との交流の仕方が羨ましく思えてしまい、少し寂しくなってしまった。
そんな俺の心境なんて気にせず時間は進むし、約束の時間は近づく。
気づけば集合時間の10分前、潔の家の前の公園に下ろされていた。
「坊っちゃま、本当にSPはいらないのですか?」
「うん、大丈夫。今日は友達と遊ぶだけだから。早く遊び終わったらすぐ連絡入れるし、GPSあるし大丈夫でしょ?」
「かしこまりました。ではお時間になったらお迎えにあがりますね。」
そう言ってばぁやはリムジンを走らせて去っていった。ばぁやが心配してたのもわかる。なぜなら俺はまだ小学校に今日入学したてのほやほやだからだろう。
まだまだ怒られることも失敗することも沢山ある。そりゃ心配するだろうな、なんてのほほんと考えていたら公園の入口の方から足音がした。足音の方を見るとぜぇはぁと肩を揺らしている潔とサッカーボールがあった 。
「ごめんね!待たせちゃった?」
「全然。俺も今来たところだからそんな待ってないよ。」
「良かった〜、ありがとう!」
潔は俺の答えに相当安心したのかふわっと幸せそうに笑う。やべー…撫でたい…けど我慢だろ!!!
「ねぇ玲王はサッカーどのくらいやってるの?」
「俺?俺は……」
(高校入ってから歴半年ですよ!!!!)なんて言える訳もなく適当に嘘をつく。
「6歳くらいから始めたよ」
「えっ!?今俺たち6歳だよね?!すごいね!!俺4歳から始めたよ!」
キラキラした目でこっちを尊敬の念で見つめてくる潔のキラキラビームに耐えきれず、邪念に押し殺されそうになるのを必死で耐える。
「俺ね!サッカー好きなんだけど、皆サッカーじゃなくてお人形さん遊びとか、お砂遊びとかばっかりで、あんまりサッカーできなかったから玲王と出来て嬉しい!!」
「くぅっ…!!!お、俺も……嬉しいよ」
危ねぇよ……本当になんなんだよこの人たらしは…!!
「玲王はどのくらいサッカーできるの?最近始めたんでしょ?」
「嗚呼、そうだな…見てみる?多分びっくりするよ」
「えっ!!!いいの!?見たい!!」
俺は冗談交じりで笑いながら言ったのに潔は変わらず目をきらきらさせて見たいみたい!と、楽しそうに俺に詰め寄ってくる。
「ちょっ!近い近い!」
「わ、悪い!」
潔は照れっと顔を少し赤くして悪そうな顔をしながら見てきてなんだか仔犬のように見えてしまう。
「はぁ……しかたねぇな、ホントは冗談のつもりで言ったけど、そんだけ気になるなら見せてやるよ。」
「マジで!?楽しみ!!」
「その代わり!!!」
「?」
俺は楽しみと笑う潔に詰め寄り顔を近づけニヤニヤと笑う。
「俺からボール奪ってみろよ」
「!! いいぜ!奪ってやる!」
これだ。この顔だ、そうだよ。お前はこの顔をしてくれねぇとな…凪をサッカーに引き込んだストライカー、潔世一。お前らしくねぇ
「じゃあゴールはどこにする?」
「あー……そうだな、俺がこの公園内を一周するから、お前から逃げてる間にお前が俺からボールを取れたらお前の勝ちな。」
「わかった」
「ルールはサッカーと同じで噛んだり怪我させたりは禁止、勿論ハンドも。但し道路にボールが出てしまった場合はあり、出た場合にはちゃんと左右確認してから道路に出ろ」
「おっけー!任せろ!」
「じゃあ……あそこの時計台からスタートな」
「うん!!楽しみだな!」
「…待ってるぜ、ストライカー」
「? おう!」
まぁ結果から言うと俺の圧勝だった。
「はぁ……はぁ…はぁ…な、なんだよ…あの技…」
「すげーだろ?」
「すげーよ!!!俺1回もお前のボール触れもしなかった!!あの空中で起動切り変えるヤツ、あれ後で教えてくれよ!!」
「えー…あれ俺の必殺技なんだけど?」
「そこをなんとか!!!」
俺は蜂楽の空中エラシコと凪のトラップを60%ほどコピーしたの潔に見せつけた。 見せつけられた本人は興奮してニヤニヤが止まらないらしく、負けたくせに興奮で顔を真っ赤にしている。
「なぁ玲王!!」
「ん?なんだ?技なら教えてねぇーぞ」
「それは悲しいけど違うんだって!」
「? 違うならなんだよ」
「俺の入ってるサッカークラブ入らね?俺、お前とサッカーしてぇ!」
「……そうだな。考えといてやる」
「やった!!返事待ってる!!」
にこにこと幸せそうに笑う潔は、多分少女漫画のヒロインみたいに輝いていた。多分ってのは俺が少女漫画の主人公になりきれてなかったから。潔のキラキラ効かねぇもん。
そんなこんなで小学三年まで潔に付き合ってサッカークラブに入り、県優勝を納めた。監督は俺に続けて欲しかったみたいだけど、クラブでの実力は俺がナンバーワンになってしまい、つまらなくなってしまった。
「玲王!ほんとに辞めるのかよ…!」
「潔…?なんでお前泣いてんの?怖ぇよ笑」
俺はつまらなくなってしまったその日に、クラブチームを辞めると伝え、家に帰って親父たちにやらされているバイオリンとピアノの稽古を受けに行こうとしていた。 が、運悪く潔にやめることを知られてしまい俺の前には、俺が辞めることを本気で悲しんで泣いている潔がいた。
「玲王のおかげで県優勝まで行けたのにっ…もうやめちまうのかよ…」
「おう、やめる。」
「あっさりしすぎだろ!! 」
「まぁな?笑 でも俺とは逆に潔は俺に固執しすぎ。俺なしでもお前は充分強いから大丈夫だっての」
「でもっ…!!」
「……。」
なかなか諦めない潔に俺はつい、本当にうっかり潔に親父と約束してしまったあることを話してしまった。
それは_
「潔…俺。言わなきゃなんねぇことがある。俺さ、この学校のサッカーで1番取れたら鹿児島に行って会わなきゃ行けねぇやついるんだ。」
そう、その約束ってのは千切。俺の友達である千切豹馬に会いに行くことだった。 本当はもっと早く会いたかった。まだ足に怪我を負ってないだろうけど、足の怪我の予防とかいろいろやらなきゃいけないことがあるだろうから早くが良かったけど、あまりに潔との日々があまりに快適すぎてすっかり忘れていた。
「っ……、それって…玲王…」
「お前の想像通り俺は転校して鹿児島に行く。親父との約束通り1番取れたからな。」
「いつ……行っちまうんだよ…?」
「1ヶ月後。朝の8時くらいには行かねぇと」
「そんなっ…!やだよ、俺玲王といるのすっげぇ楽しんだよ!!俺お前と離れたくねぇ!! 」
「潔…」
潔が俺の知っている潔じゃない、俺に対する親しみを込めた視線がなんだかとても温かくて気づいたら俺は潔を抱きしめていた。
「大丈夫だって。離れても俺たち友達だし、今の時代メールし放題だろ?それでもお前が不安なら週に一回は必ず電話してやる」
「…。たまには会いに来いよ…」
「たはっ、難しいこと言うようになったな、お前笑。ま、長期休みの時なんかに遊びに来てやるよ」
「約束だからな?玲王、こっちに来たら俺と一緒にサッカーしろよ?」
「当たり前だろ笑、何言ってんだよ馬鹿潔」
俺は涙でぐしゃぐしゃになった潔の顔をハンカチで拭きながら笑ってやった。 当の潔は恥ずかしそうに鼻をすすって笑ってた。
そんなこんながあり1ヶ月後、その日はよく晴れた平日の早朝。ばぁやとほかの優秀な使用人と俺含む10数人で鹿児島に向かうことになっていたので、空港に向かうためにリムジンへと乗車しようと足を持ち上げた時、聞きなれた声が鼓膜に響いた。
「玲王!!!!」
「…潔?」
俺がリムジンに乗り込もうとした時、潔は汗だくの額をぶっきらぼうにシャツで拭き、ずんずんとこちらへ歩いてくる。その気迫は凄いものでいつもの潔のホワホワとした感じはなく、試合中の真剣な眼差しだった。
「これ、玲王に渡すの忘れてたんだ」
そう言って潔はポケットからライオンらしき手作りのぬいぐるみを俺に寄越す。
「……、これ、お前が作ったのか?」
「う、うん…母さんに裁縫のやり方聞いて初めて自分で作ったんだ。」
「…初めて、か…」
俺は不器用ながら、作られたであろう所々綿が出ているライオンのぬいぐるみをそっと撫でる。
「玲王、俺にも何かくれない?」
潔の突然の要求に俺は驚いて目を見開く。なんで?と、聞く前に俺の驚いた様子を見てあわあわと勝手に焦りだした潔が口を開く。
「玲王が想像してる金とかそういう高価なものじゃなくてさ!また玲王に会ってもその…俺とお前のお互いの目印みたいなのが欲しくて」
お前、絶対身長とか髪型とか変わってそうだし…と付け加えて潔がもじもじというので俺はブッと笑いが堪えられずに吹き出す。そんな俺に笑うな!と怒る潔。
なんだかバカバカしくなってきてしまったのでゴソゴソとカバンを漁って、御影の特注品であるハンカチを取り出す。このハンカチは世界にただ一つのこだわりぬいた品で、素材はかなり良く刺繍で俺の苗字である御影のMと名前のRが金色の糸で縫い付けられている。
「ほらよ。これならお前の言う目印になるはずだ。なんせ世界に一つだけの特注品だからな」
「はぁ!?特注品!?おいこれいくらしたんだよ!なんかめっちゃ柔らかいんだけど!」
「えー……150…?そんぐらいだった気がする」
「円だよな?円だって言ってくれよ??」
「ハハッ、何馬鹿なこと言ってんだよ。万に決まってんだろ笑」
俺が笑い出すと潔は顔を白くして口をあんぐりと開ける。それが本当におかしくておかしくて豪快に笑ってしまいそうになったので、急いで潔から視線を逸らす。丁度よくばぁやが「そろそろ行きましょう」と言うので、軽く潔に挨拶して車を走らせようとする。その時、潔が大声でいきなり声を上げる。
「玲王!またサッカーしような!!約束だかんな!!」
潔の目には涙がいっぱい溜まっていてなんとも子供らしかった。それが本当に微笑ましくて俺は大きな声でその声に肯定した。
潔は目に溜まりに溜まった涙を気にせずに嬉しそうに頷く。そして俺は潔の居る埼玉を去った。