また新しい連載したくなった。2つもあるんですが‥
すたーと
竜胆side
兄貴の記憶を取り戻したい。
だから俺は、思い出の場所に連れていく事にした。
蘭『ね~…どこ行くの?』
竜『まだ秘密』
車の中でそう話す。
蘭『楽しいとこ?』
竜『いや…楽しくはないかな』
蘭『どんなとこなの』
竜『…思い出の場所』
蘭『思い出‥?』
竜『そうだよ。俺と君の』
蘭『俺‥なんも覚えてないや‥(笑)』
竜『ッ…‥そっか』
竜『着いたよ』
蘭『何このマンション』
竜『俺等が昔一緒に住んでたとこだよ』
蘭『?一緒に住んでたの?』
竜『‥うん』
竜『あの頃みたいに…話せねぇかな…』
蘭『??』
竜『‥次のとこ行こ』
蘭『わかった』
竜『‥ここはね、俺等が初めて人殺したときの場所なんだ』
蘭『え、俺人なんか殺したっけ‥‥』
竜『ッ‥…』
竜『‥次行こっか』
蘭『わかった』
竜『ここ…』
蘭『何ここ~』
竜『俺等がよく一緒に行ってたカフェ』
蘭『??』
竜『‥分かってるよ‥覚えてないんだね』
竜『取り敢えず、ここ入ろ』
蘭『うん』
蘭『リンドウ!俺これがいい』
竜『!!』
竜『わかった…これ…ね』
蘭『どうしたの』
兄貴がよく頼んでいたものだった。忘れているはずなのに…優しさとか‥好きなものとか‥なんにも変わってないや。
蘭『ごちそ~さま!』
竜『ん』
竜『最後に行きたいとこあるんだけど‥いいかな』
蘭『いいよ』
竜『ここ』
蘭『?』
竜『ここでよく一緒に遊んだんだ…ちっちゃい頃』
竜『ねぇ兄貴‥思い出してくれないの‥?』ポロ
蘭『あにき…じゃないよ』
竜『ごめん…嘘ついてたんだ…』ポロポロ
蘭『どういうこと?』
竜『俺…君の弟なんだ…』グスッ
蘭『‥?ってことは‥俺リンドウの兄貴ってこと?』
竜『そうだよ‥。』グスッ
竜『だから早く思い出してよぉ”…!』ポロポロ
蘭『や‥リンドウ‥なかないで‥。』
竜『あにきぃ”…‥!!』ポロポロ
蘭『ッ……なかないで‥お願い‥俺も心痛くなっちゃう‥』ギュ
竜『!‥』ポタポタ
蘭『‥リンドウが連れて行ってくれたとこ‥全部懐かしかったんだ…なんでか分からないけれど‥行ってよかった。』
竜『!!‥うぅ…ぅぐッ…』ポタポタ
俺は泣いた。兄貴に慰められながら。