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「 絃ぉ ~ 、行くのかぁ ~ 。行くなぁ ~ 。 」
お父さんが泣きながら抱きついてくる。
今日から学校の寮生活が始まる。
服や必要なものが入ったキャリ ー ケ ー スを引きずりながら着いた駅。
お母さんは微笑みながら見送ってくれていて、お父さんは朝からずっと泣いている。
なんだか子供みたい。
「 お父さん、学校だから。それにお正月には帰るし、夜に電話するから … !約束でしょう? 」
お父さんは流石に寂しいからと言って毎日夜に電話をするという約束をした。
「 新しい高校生活楽しんできてね。ほら、お父さん行くよ? 」
「 やだやだぁ、絃ぉぉぉ ~ !! 」
「 もうっ、恥ずかしいからやめてよ、! 」
あはは … 。子供のようにわがままを言うお父さんにお母さんは呆れていた。
「 それじゃあ … 行ってきますっ! 」
「 はい、行ってらっしゃい。絃 」
「 うぅ … 行ってらっしゃいぃぃ … 」
笑顔で2人に手を振って電車に乗り込む。
新生活の始まりだ … !
☆.*゚•*¨*•.¸♡o。+ ☆.*゚•*¨*•.¸♡o。
着いた先に広がっていたのはとっても大きな学校。
ヨ ー ロッパやイギリスにありそうな洋風なお城のような大きな建物。
門をくぐった先には噴水があって、植物も沢山植えられている。
門もお城そのものでテンションが上がってしまう。
そういえば制服もドレスのように綺麗なデザインで私にはとてもじゃないけど着こなせない … っ!!
門まで来たのはいいものの、ここから先の行き方はよくわからない。
どうすればいいんだろう … ?
途方に暮れていると門にもたれ掛かる人の影が見えた。
背の高い男の人。
いったい誰なのだろうか。
するとその人は私を見て微笑んだ。
「 おっ、君!転入生だよな!? 」
満面の笑みで駆け寄ってくる彼が犬のように見えた。
「 あ、えっと、はいっ、! 」
「 おっし!俺はここの生徒会長の梅宮一だ! 」
彼は梅宮一さんと言うらしい。
陽気で接しやすい梅宮さんが頼もしく見えた。
「 これからよろしくなっ! 」
ニコニコしながら手を差し出してくれた。
握手を求められているように感じ、それに応えるように手を握った。
「 よろしくお願いします … ! 」
誰かと握手をするのは初めてだな。
「 あ、転入してきましたっ、桜花絃です … ! 」
名前を言うと、梅宮さんは頷いた。
「 聞いてるぞ、桜花 」
慣れない呼び方に胸が高鳴る。
「 これから案内するから、ゆっくり行こうな 」
優しそうな表情と声色で緊張していたのも無くなってしまった。
私は梅宮さんについて行くように追いかけた。