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「だから皆オレの大事な愛しい人に手を出さないでね」
結局透子はずっと高嶺の花的存在なのは変わらないから。
ずっと誰か男の存在が噂では存在してることになってはいるけど、実際そんな存在身近にいなければ、男共にとっちゃどうでもよくて。
狙える隙があればどんな時だって狙おうとする。
現にオレがそうだった。
近くで守る男がいなければ、結局いないと同じ。
だから、透子をこのまま野放しにしておくのはもう限界。
ホントはすぐ近くにオレという存在がいるのに、まだ隠しておくだなんてもう無理。
透子はオレのモノなんだって、誰も手を出すなって、会社中の男に見せつけておかないと。
「もう将来の約束もホラ、こうやってしちゃってるから」
そしてそのまま右手は抱き締めたまま左手だけ透子の手を握り、指輪をはめている手を上に上げて皆に見せつける。
昨日、会社にも指輪つけてきてほしいってお願いしたの、ちゃんとしてくれて嬉しい。
そう。こういうこと。
ずっとその指輪を見てオレを感じてほしい、一緒にいるように感じてほしいっていうのもあるけど、それ以上に、透子はオレのモノだと、将来まで約束した仲なんだと見せつけてやりたかったから。
「誰もオレ達の邪魔しないでね♪」
ここまでしたら、きっと透子を狙っている男共も、まだオレに声をかけてくる女性たちにもきっと伝わるだろうから。
今までは透子の立場もあったし、オレの方も堂々と言える状況じゃなかったから、二人の仲を公表することは避けていたけど。
だけど今はもう、隠したりしなくても、透子を守ることが出来るオレになったから。
「三輪さん。ちょっと今、彼女連れてっていい?」
透子と一緒にいた三輪さんに確認。
「あっ、どうぞどうぞ! ちょうど望月さんランチも食べ終わったとこですし、どうぞお好きなだけ!」
さすが三輪さん話が早い。
「高杉。そのコーヒーやるわ」
そして透子に会うためにとりあえず買ったコーヒーを、口をつけてなかったので高杉へと回す。
「あ、あぁ。サンキュー」
「高杉。オレら先、失礼するわ。ゆっくり飯食ってって」
「了解。そちらもごゆっくり」
すると高杉も状況をすぐに把握してくれ返答してくれる。
「透子。行こっ」
「あっ、うん・・」
そして戸惑っている透子の手をギュッと握り締め、その場を立つ。
「あっ。望月さん。それ私持っていくんでそのままで大丈夫です!」
そしてオレが強引に連れて行こうとしたからか、まだこんな時でも自分の持って来たトレイを置きっぱなしにしていくのが気になったのかオロオロしている。
そんな時でも透子らしくて、それがまた可愛くて。
「ごめんね。三輪ちゃん!」
だけど三輪さんがこう言ってくれてるんだから、透子はそうやって素直にオレに今回は連れて行かれてよ。
オレの憧れている透子は会社では堂々としててカッコイイ存在だけど。
だけど本当は、自信がなくていつも周りを気にかけているような優しい人。
そんな透子がオレと付き合ってからも、全然自信も持ってくれないし、会社でもオレ達の仲も知られたくないと隠したがっていたけど。
だけど、どうしてそんな風に思うのかわからない。
透子はこんなにも誰よりも素敵で、オレの自慢の大切な人なのに。
オレの方こそ、こんな風に本当は透子の隣に立てるほどの男じゃないってわかってるけど。
もっと透子に似会う男なんて山ほどいるんだろうけど。
だけど、オレより似合う男が例えいたとしても、オレ以外の男が透子の隣にいるなんて絶対嫌だから。
透子の隣にはオレじゃなきゃ絶対嫌だから。
オレも決して自信を持てるほどの男なんかじゃないけど、だけど透子の隣にいられるためなら、どんな男にだってオレはなってみせるから。
透子と釣り合う男になるために、オレはどんなことだってしてみせるから。
透子を笑顔に出来るのはオレだけで、透子を幸せに出来るのはオレだけだから。
だからもう今は誰の目を気にすることもなく、誰に遠慮することもなく、どこでだって、いつだって、透子と一緒にいることが出来る。
こうやって、堂々といつだって透子の手を握り締めて、どこにだって連れて行ける。
そう、今はこうやって透子もオレの手を握って嬉しそうに隣で微笑んでくれる。
当たり前に出来ることが当たり前に出来なかったオレ達だったから。
今はこんな当たり前なことが出来る理想の関係で堂々としていられるのだから。
今はただこんな当たり前のことを一つずつ一緒にたくさんしていこう。
どんな小さなことでもいい。
一緒にたくさんの幸せを感じて、その幸せを積み重ねていこう。
今はそんな当たり前の幸せを一緒に感じていこう。
オレはただこうやって、隣でオレの手を握ってくれているだけで、隣で微笑んでくれているだけで幸せだから。
そんな何気ない当たり前がオレにとっては幸せだから。
だから、これからも透子はオレの隣でそうやってずっと笑っていて。
ずっとオレの手を握っていて。
そうすればオレはいつだって幸せだから。
ずっと幸せだから。