短編小説

皆さんは不思議なことを体験したことがありますか？

『神社』

私は、ある神社にお参りに来た。

もちろん大きい神社でもなく普通の小さい、どこにでもある普通の神社だ。

そして私は鳥居をくぐって、賽銭箱の前に立った。

10円を1枚入れ今後の生活の成功を祈った。

目を開けると、少し弱い風が私の前を横切った。

人の気配がする。

振り返ってみると女将のような人がこちらを見つめて立っていた。

いや？人ではない？

耳と立派なしっぽが生えていた。

化け猫か？いや、狐だった。

私が驚いた顔で立っていると、彼女は言った。

「今、欲しいものはある？」

困惑した。

「え？」

「欲しいもの！」

9歳くらいだろうか。

私は遠慮せず”欲しいもの“を言った。

「今後の安全かなぁ。」

そう言うと彼女は笑って言った。

「わかった！」

「できるの？」

安全なんて、貰えやしない。作れない。

そう思っていると、ちりんと鈴の音が聞こえ、後ろに振り返った。

なんだと思いながらも、もう1度振り返った頃にはあの子はいなかった。

「あれ？」

消えたのか。

翌日

私は昨日のことなど気にせず、交差点を歩いている。

横断歩道を渡っていると、横からブレーキ音が聞こえた。

あれ？もう私は終わりなのだろうか。

目を開けた時には自分の前で車が止まっていた。

なぜだろうか。