テラーノベル
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新しい制服を着た俺は、少しだけ緊張しながら学校の体育館に足を踏み入れた。
周りの顔もみんな緊張してるのがわかるけど、俺だけはどこか落ち着いているような気がした。
そんな自分が少し恥ずかしくなりながら、周りの様子をちらちら見ていると、隣に座った男と目が合った。
彼もまた、少し緊張した顔をしているが、それでもどこか余裕が感じられる。見たことがない顔だった。
宮舘「ん…あ、よろしくね」
その男が軽く頭を下げたので、俺も反射的に頷いた。
渡辺「おう、よろしく」
静かな声で返すと、男は少し驚いたようにこちらを見て、すぐにまたニコっと笑った。
宮舘「今日は緊張してるの?」
渡辺「まあ、こんなもんだろ。初めてだからな」
俺がそう答えると、男は少しだけ面白そうに笑った。
宮舘「ふふ、俺はそんなに緊張しないけど、こういう日って意外とワクワクするな」
その一言に、何故か胸が少しだけ高鳴った。
普通なら気にしないような言葉なのに、何か引っかかる。
男はその後、式が始まるまで黙って座っていた。
静かなその空間の中で、何度も男の顔を無意識に見てしまっている自分に気づき、ちょっとだけ焦った。
式が始まり、校長が話をしている間も、男は真剣に前を見ている。
それがまた、妙に格好良く見えた。
普段、俺はそんなに気にしないんだけど、どうしてか今日は男の仕草一つ一つが気になる。
深澤「お前、緊張してるの?」
ふと、隣の男が低い声で聞いてきた。その声は、なんだか俺の中で響いた。
渡辺「いや、別に」
なんだこいつ、と思いながらも、ちょっとだけ自分の顔が赤くなっているのを感じた。
それに気づかれないように、俺は視線をそらす。
男は黙っていたが、しばらくしてから、さりげなく肩に手を置いてきた。
宮舘「まあ、そんなに無理に緊張しなくても大丈夫でしょ」
その手が肩に触れた瞬間、俺の心臓が急に速くなった。
でも、男はそれに気づいていない様子で、また前を見ていた。
式が終わり、ようやく解放されると、男はさっと立ち上がり、俺に向かって笑いかけた。
宮舘「教室、同じだね。じゃあ、また後で」
その笑顔に、俺は少しだけ心が温かくなるのを感じた。
しかし、同時に何かモヤモヤした気持ちも湧いてきて、思わず足を止めてしまった。
男が俺を見て少し困った顔をしている。
宮舘「どうした?」
その問いに、俺は無意識に口を開きそうになったが、なんとか我慢して答えた。
渡辺「ううん、なんでもない。じゃ、また」
俺がそう言うと、男は一瞬考え込んでから、ゆっくりと歩き出した。
教室に入ると、ほとんどの席は埋まっていて、空いている場所を探すのが少し面倒だ。
男はすぐに自分の席を見つけ、さっと座ると、ちらっと俺の方を見た。
宮舘「君は、どこ座る?」
その言葉に、俺は一瞬何を答えようか迷ったが、結局近くの空いている席に座ることにした。
男はそれを見て、少し驚いたような顔をしてから、またにやっと笑った。
宮舘「そこじゃなくて、隣。空いてるから座りな」
その言葉に、俺は思わず顔が熱くなるのを感じた。
どうしてだろう、彼の笑顔だけでこんなに動揺するなんて。
俺は仕方なく、となりに座り直した。
宮舘「まあ、よろしくね」
彼の言葉に、俺は頷いて少しだけ力を抜いた。
でも、心の中ではその言葉が何度も繰り返されていた。
隣に座ったその男と、これからどうなるのか、少しだけ期待と不安が入り混じった気持ちが胸に広がっていった。
その瞬間、男が何気なく話しかけてきた。
宮舘「ねぇ、もし良ければ今度どこかで遊びに行かない?」
その言葉に俺は驚いて、顔を上げた。
渡辺「んぇ……? //」
男は少しだけ照れくさそうに笑った。
宮舘「まあ、友達として、ね」
その言葉に、俺は一瞬だけ安心した。
だけど、何か胸の奥で違う感情が湧き上がっているのがわかった。
普通の友達以上に、俺は彼に興味を持っているのかもしれない。
渡辺「ん…わかった、予定空けとくな」
宮舘「ふふ、うん」
渡辺「……あ、そーいえば、名前は?」
宮舘「ん?…あぁ、俺は宮舘涼太。好きに呼んで」
渡辺「じゃあ、涼太で。俺は渡辺翔太」
宮舘「翔太…ね、」
渡辺「ん?なんだ?」
宮舘「いや…ううん、なんでもないよ」
宮舘涼太……どこかで聞いたことのある名前だなと思った。
ガキの頃、よく一緒に遊んでいた男の子が居て。
その子が突然引っ越しちゃって、俺には遊んでくれる相手なんて居なかった。
もし……その男の子が涼太だとしたら…
なんてね。そんなことありえないと思うけど。
宮舘「渡辺翔太……もしかして_」
𝒏𝒆𝒙𝒕
コメント
7件
さきちゃんほんと書くの上手すぎるよ ーー ‼️😭😭 憧れすぎるよ ーー 💖💖