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ビン
1,451
目を覚ますと、真っ先に目に飛び込んで来たのは、見覚えのある真っ白な天井で。
私はどうやら保健室のベッドの上らしい。
ベッドの横には椅子に座ったままうつらうつらと船を漕いでいる母がいる。
私が目を覚ましたことに気が付くと、母はハッと目を覚まし、心配そうに私の顔を覗き込んだ
「ハナちゃん、話は榊先生から聞いたわよ、大丈夫、?」
母は数年前から私を私ではない名前「ハナちゃん」と呼ぶ。
最初こそ戸惑い、悲しんだ私だけれど、数年も続けばもう慣れたものである。
「それより、母さん。せ、先輩はっ、」
そう、先輩だ。私の目の前で、真っ赤に染まっていった、あの人。
冷や汗が背筋を伝い、喉が恐怖でぎゅっと締まる。そんな恐怖を押し殺して、私は母さんにそう問いを溢した。
母さんは、目を逸らした。
嫌な予感がする。
母さんの口が、何かを言おうとして、開いて、閉じて、開いて。
それだけで、充分に伝わってしまった
何で、なんでっ、何でなんでなんで
たった数時間前まで、一緒に笑っていた筈なのに。
あぁ、心音が煩い。
目元がぼやけて見えない。
胃の中をひっくり返しそうになるのを、口元に手を当てて必死に堪える。
「ハナちゃん、?!、大丈夫?!」
母がパイプ椅子を後ろに倒しそうな勢いで立ち上がって私の背を擦る。
周りの喧騒が、まるで水中に居るかのようにボヤけて聞こえる。
あぁ、夢だったらよかったのに。
コメント
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うわ……これ、第2話でいきなり心抉られたわ。 「ハナちゃん」って呼ばれてもう慣れた描写がまず切ないし、先輩の安否を聞くシーンの必死さが痛いほど伝わってきた。 「目を逸らす」「口が開いて閉じて」——言葉が足りないだけで充分に伝わる残酷さ、やられた。 「夢だったらよかったのに」で締める溜め息が聞こえてきそう。 続き、めっちゃ気になる……。